もはや「格安スマホ」にあらず――ハイエンドのSIMフリースマホが増えている理由石野純也のMobile Eye(9月26日〜10月7日)(1/3 ページ)

» 2016年10月08日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 「格安スマホ」という愛称も、そろそろ意味が通らくなるかもしれない。従来売れ筋だったミッドレンジモデルの枠を超えたSIMロックフリースマートフォンが、秋冬モデルとして続々と登場しているからだ。Huaweiは、楽天モバイルとタッグを組み、サブブランドのフラグシップ端末「honor 8」を発売。ASUSも「ZenFone 3」を日本市場に投入、「ZenFone 3 Deluxe」も10月下旬以降に発売される。

honor 8 Huaweiの「honor 8」
ZenFone 3 ASUSは「ZenFone 3」と「ZenFone 3 Deluxe」を日本で発売した

 また、Lenovo傘下のMotorolaはフラグシップモデルの「Moto Z」や、ややスペックを落とした「Moto X Play」を用意。プラスワン・マーケティングのFREETELも、スペックにこだわった「KIWAMI 2」や「RAIJIN」を発売する。

Moto ZMoto Z Play Motorolaの「Moto Z」(左)と「Moto Z Play」(右)
KIWAMI 2RAIJIN FREETELの「KIWAMI 2」(左)と「RAIJIN」(右)

 商品によって価格の違いはあるが、いずれもミッドレンジ上位からハイエンド、プレミアムに位置付けられるジャンルの製品で、価格も高いものでは10万円に近づいてくる。端末の本体価格だけを見ると、もはや「格安」とは呼べない状況だ。各社がこぞってこのようなSIMロックフリースマートフォンを投入する背景には、MVNOのユーザー層が徐々に変化していることがありそうだ。

ユーザー層の幅が広がり、高機能端末へのニーズが高まる

 SAMURAIシリーズの最上位モデルであるKIWAMI 2を12月に発売する、プラスワン・マーケティングの増田薫社長は、SIMロックフリースマートフォンのニーズの移り変わりを次のように説明する。

 「(料金プランも)大容量化し、ハードウェアスペックを要求するアプリケーションが増えてきている。これはゲームも一緒。そうすると、そこに合ったものを提供するという動きが、他のメーカーも含めて加速しているのだと思う。日本のSIMフリーだけを見ると、2年前は1万円台の端末がワーッと出てきて、2万、3万だと売れませんという状況だった。それが1年前だと2万円台が出始め、今は3万円、4万円と上がっている。SIMフリーを買おうと思っている方が増えてきている中で、ニーズが多様化している」

増田薫 ユーザー層の変化を分析する、プラスワン・マーケティングの増田社長

 当初は一部のコアなユーザーが、トータルコストを節約するために、超低価格な端末とMVNOを組み合わせて使っていたが、一般層に拡大するに従い、大手キャリアと同じような使い方が求められてきた。そのニーズに応えるために、各社とも、徐々にスペックを上げた端末を投入しているというのが増田氏の分析だ。MVNOであれば通信料も安く、ハイエンド端末を買っても、トータルコストは大手キャリアより低く抑えることもできる。

 もちろん、ハイエンド端末も以前から市場になかったわけではないが、最近では、販売ランキングなどにも、こうしたニーズの変化が表れ始めている。調査会社BCNの運営するBCN RETAILによると、7月には、Huaweiのフラグシップモデル「P9」が7位にランクインしている。

 ランキングの上位はいわゆるミッドレンジモデルが多数を占めているが、P9も構成比は5.2%と決して小さな数字ではない。「P9 lite」や旧機種の「P8 lite」で数を稼ぎつつ、ハイエンドモデルのP9も堅実に売れているHuaweiは、SIMロックフリースマートフォン市場で首位に躍り出ている。

Huawei Huaweiは、夏モデルが好調で、SIMロックフリースマートフォンだけでなく、スマートフォン全体でもシェア4位となった

 honor 8の発表会に登壇したファーウェイ・ジャパンのデバイス・プレジデント、呉波(ゴハ)氏は、スマートフォン全体のシェアを挙げつつ、HuaweiがApple、ソニーモバイル、シャープに続き、4位につけていることを明かした。呉氏は「SIMフリースマートフォンがメインになっていくよう、頑張っていきたい」と意気込みを語ったが、その過程では、やはりラインアップの多様化が求められる。P9、honor 8と、ハイエンドモデルを立て続けに投入したHuaweiの狙いは、ここにありそうだ。

呉波 SIMロックフリースマートフォンがメインストリームになると語る、ファーウェイ・ジャパンの呉氏

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月12日 更新
  1. 新幹線「独りぼっち席」が話題――「2000円追加で“隣が空席”」との声、なぜ導入? (2026年08月11日)
  2. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  3. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  4. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  5. あの「カシャッ!」は意味なし? スマホの「シャッター音」実態に即さず、ネットに見直しを求める声 (2026年06月15日)
  6. “デカすぎるハンディファン”と話題を集める「ゴリラの扇風機」を試す 羽根が大きいと風が強くて静か (2026年08月11日)
  7. なぜ? 「PayPay改悪」といまネットで騒がれている理由 ユーザーがすべき対策を解説 (2026年06月05日)
  8. 楽天モバイルの「営業損失」と「解約率」は改善を継続――楽天グループが2026年度第2四半期決算を発表 (2026年08月10日)
  9. KDDIからの独り立ちを目指す楽天モバイル、ローミング交渉の現在地――両社の考えを整理 (2026年08月10日)
  10. ハイエンドスマホ「arrows Alpha」、IIJで半額以下の3万円台に 11月4日21時59分まで【スマホお得情報】 (2026年08月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー