FREETELの「業界最速」は何が問題だったのか? プラスワンと消費者庁に聞く(1/4 ページ)

» 2017年04月28日 11時30分 公開
[田中聡ITmedia]

 プラスワン・マーケティングが提供する「FREETEL SIM」の「業界最速」「シェアNo.1」などの表記が景品表示法違反に該当するとして、消費者庁が措置命令を出した。

 プラスワンと消費者庁は、今回の問題について自社サイトで説明しているが、「業界最速」を巡る両者の考えに溝があると感じた。消費者庁は「業界最速」の根拠が合理的でないとしている一方で、プラスワンは「業界最速」の根拠を分かりやすく明記していなかったこと、グラフのデータが誤っていたことを問題としている。

FREETEL Webサイトで「業界最速」「シェアNo.1」とうたっていたが、「不当な表示」と判断された

 問題の本質はどこにあるのか。プラスワンと消費者庁に話を聞いた。取材に応じていただいたのは、プラスワン・マーケティング取締役 藤田聡敏氏と、消費者庁 表示対策課 課徴金審査官の笠原氏。

「業界最速」という言葉の説明がなかった

 まずはFREETEL側に見解を聞いた。

―― 消費者庁とFREETELの説明に、若干のズレがあるように感じています。消費者庁は、12時台の測定結果が「業界最速」の合理的な根拠にならないことを問題視していますが、FREETELさんは「平日昼間12時台の比較であることを注記していなかった」「出典元からの転記に誤記があった」ことが問題だったという内容です。

FREETEL プラスワンが4月21日に発表した「当社ウェブサイト上の表示に関する消費者庁からの措置命令について」への追記。「注記漏れ」と「転記ミス」が、業界最速問題を引き超したと説明している

藤田氏 「業界最速」の根拠については、正直、細部まで認識の共有ができていませんでした。例えば朝に速くても、(回線が)ガラガラなので、ルーレットみたいにスピードが出たり出なかったりするので、あまり意味がないと。平日昼間が一番混み合うので、そこで速いということは(評価に値する)。それで御社やモバレコさんなどの記事を根拠として、消費者庁さんにはご説明しました。

 ただ、消費者庁さんからすると、常に速いわけじゃないだろう、そもそも無線で速いと言い切れるのかと。無線基地局の利用状況にも左右されるので、この表現は根本的にどうなんだと言われました。われわれもご説明はしましたが、ここに関してはずっと平行線で、われわれは「合理的な根拠がなかった」とは思っていません。

―― 当初はサイトに12時台に計測した旨も記載していなかったのですか?

藤田氏 「業界最速」とグラフの2つがあり、「業界最速」には特に何のコメントもありませんでした。消費者庁さんから言わせると、「下のグラフには注釈は書いてあるので分かったけれど、何を持って『業界最速』と言っているんだ」と。

―― グラフの注釈以前に、消費者庁は「業界最速」という言葉に対して説明がなかったことを問題視したと。

藤田氏 ええ。そこを一番大きなフォントで強調したので、目にとまったのだと思います。

グラフと実際の数字が違っていた

―― もう1点、「出典元からの転記に誤記があった」というのはどういうことでしょうか?

藤田氏 われわれの事務所がある新橋で測った結果を、グラフの資料として提出しましたが、「グラフと数字が違うじゃないか」と(消費者庁から)言われました。それで、「あれ?」と思って確認をしたら、本当に間違えていました。

―― ニュースサイトの記事を参考にしたという報道も見ましたが……。

藤田氏 それは消費者庁に「業界最速」の根拠を説明する際に、資料として使ったということです。弊社のWebページに転載したわけではありません。

―― なるほど。ただ、その資料を提出しても、消費者庁には納得してもらえなかった。

藤田氏 ええ。われわれが1位ではなかったときもありましたので。

―― 今は速度のアピールはしていない。

藤田氏 今はしていないですね。満足度でいくつか賞をいただいたので、そちらを出させていただいています。

 一部で、タイトルから「何の根拠もなく捏造(ねつぞう)した」と、とらえられかねない報道もありましたが、根拠はあったと思っています。ただ、不服申し立てをするわけではありません。われわれに非がなかったとはとうてい言えないので。全般的に非はあったと。

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