「IIJmio」は95.1万回線に ソフトバンクSIMはMVNEとして提供する? IIJ決算

» 2017年05月15日 21時53分 公開
[田中聡ITmedia]
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 IIJ(インターネットイニシアティブ)が5月15日、2016年度通期の決算について発表した。MVNOとして提供しているモバイルサービスの総回線数は、2017年3月時点で185万6000となり、前年比で62万8000の純増となった。モバイルサービスの総売り上げは267億円となり、前年比で71.3%の増加。

 個人向け「IIJmio」は2017年3月で95万1000回線となり、第1四半期の81万1000→第2四半期の87万5000→第3四半期の91万2000から堅調に増加している。法人向け「IIJモバイル」の回線数は、2017年3月時点で85万8000となった(うちMVNEとして提供しているのは58万2000)。

IIJ IIJが提供するモバイルサービスの状況
IIJ IIJの勝栄二郎社長

 一方で、IIJが2016年度の目標に掲げていた「モバイルで200万回線」は未達となった(売り上げの「約255億円」は達成)。この点について勝栄二郎社長は「若干達していないのは事実だが、(2016年度に)約62万回線を増やした。去年(2015年度)は55万回線ぐらいだったので、相当積み上げた」と手応えを話す。

 詳細な回線数は読みづらいためか、2017年度は回線数の具体的な目標を掲げず、「16年度の62万8000を超える」純増数を目標にする。そのための方策として、勝氏は「個人・法人の販路の多様化」と「品質の維持・改善」を挙げる。

 個人向けの販路については、郵便局や大学生協に拡大。MVNOユーザーの裾野を広げており、「生協や郵便局のネットワークなどを活用しながら、新しい販路の開拓も常に心掛けている」と勝氏。料金プランは「3GBが主役」(同氏)だが、「大量の通信データのやりとりをする方もいるので、そういう人も対象にしていきたい」とした。実際、IIJは月20GB、30GBの大容量データオプションを6月1日に開始する(関連記事)。

 MVNO市場が拡大していることも追い風と感じているようだ。「MM総研の調査によると、2017年3月時点でMVNOの回線数は810万。そのうち(IIJが)186万なので、だいたい23%。これまで通りに(回線数を)増やしていけば、これくらいのシェアを維持できる」(勝氏)は自信をのぞかせた。

 日本通信が3月からソフトバンク回線を使った通信サービスを提供しているが、ここへの参入意向を尋ねたところ、「われわれの商品をやるつもりはないが、MVNEとして提供できる能力はあるので、考えていきたい」(勝氏)とした。

 ネットワークサービスの原価については、ドコモの2016年度の接続料が前年比で14%減となった。IIJは12%減と見積もっていたが、2016年夏から適用された、SIM貸与の一時金(1枚当たり394円の手数料)をIIJ側で賄ったため、これを差し引くと「想定通りの着地となった」(渡井昭久CFO)とのこと。

IIJ 2016年度通期の総括
IIJ ネットワークサービス原価の推移

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