KDDIはau WALLETプリペイドカードをApple Pay対応させた。これまでもクレジットカードではApple Payとして利用できていたが、2000万枚近い配布枚数を誇るプリペイドカードでも使えるようになったことで、Apple Payの裾野もかなり広がりそうだ。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年7月9日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
Apple Payで使えるプリペイドカードといえば、すでにソフトバンクカードが存在する。しかし、ソフトバンクカードはチャージの方法が通話料との合算、Tポイントの流用、銀行口座からの振込といった方法しかない。ソフトバンクとしては、どちらかといえば、プリペイドよりもクレジットカードとしての利用を促進したいようだ。
その点、au WALLETカードは通話料との合算に加え、じぶん銀行、クレジットカード、ポイントの流用、さらにau WELLETチャージカード、auショップやコンビニといったようにリアル店舗で現金からチャージできるという仕組みが備わっている。
「手持ちの現金でチャージできる」というのは、ネットが怖いという人には最適だろう。
KDDIとしては、プリペにおけるApple Pay対応は、特にクレジットカードを持てない若年層の利用に期待している。
KDDIでは、JR東日本と組んで大々的なキャンペーンを展開している。Suicaアプリに、Apple Payで使う携帯電話番号を登録すれば、au WALLETポイントが10倍になるというものだ(上限は6000ポイントまで)。
JR東日本としても、Apple PayによるSuicaのユーザーを増やしたいのだろう。Apple PayでSuicaをアプリでチャージして利用するには、クレジットカードを登録しなければならないだけに、学生ユーザーにはかなりハードルが高い。
しかし、au WALLETプリペイドカードがあれば、プリペイドカードで登録してSuicaをチャージすることが可能になる。
一度、現金をコンビニでau WALLETにチャージしておけば、ApplePayでQUICPayを使って買い物ものできるし、Suicaにチャージもできる。KDDIとJR東日本、さらにJCBにとって、シナジーのあるキャンペーンと言えそうだ。
個人的にも、「普段のコンビニでの買い物をクレジットカードに請求されたくはない」という感覚だったので、プリペイドとして、現金のようにコンビニなどで少額決済できるようになるのは大歓迎だ。
財布からau WALLETプリペイドカードを抜き出して支払うことすら最近は面倒になっていたので、iPhoneでサッと支払えるのを心待ちにしていたのだった。
あとは、NTTドコモがどのタイミングでdカードのプリペイドをApple Pay対応させてくるかが注目と言えそうだ。
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