世界を変える5G

身近な出来事で振り返る2020年のモバイルデータ通信5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/2 ページ)

» 2021年01月18日 17時00分 公開
[島田純ITmedia]
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5Gの商用通信サービスが始まる 「容量無制限」の競争も

 もう1つ、2020年の大きなトピックスとして、5G(第5世代移動通信システム)の商用通信サービスが始まったことが挙げられます。NTTドコモ、au(KDDIと沖縄セルラー電話)、ソフトバンクが3月下旬、楽天モバイルが9月30日にそれぞれサービスを開始しています。

イメージ図 2020年は、日本における「5G元年」となった(写真はイメージ)

 、各キャリア共に、5G通信サービスでは以下の通り「国内データ通信容量無制限」を取り入れました。

  • NTTドコモ:キャンペーンで「5Gギガホ」を完全容量無制限化
  • au:「5GデータMAX」シリーズで端末単体での通信容量を完全無制限化
  • ソフトバンク:「メリハリプラン(データプランメリハリ)」で特定の動画/SNSサービスに係る通信容量を完全無制限化
  • 楽天モバイル:「Rakuten UN-LIMIT V」で自社ネットワーク下における通信容量を完全無制限化

 さらに2020年末、NTTドコモはキャンペーンによらない国内データ通信容量無制限プラン「5Gギガホ プレミア」を打ち出しました。それに追随する形で、ソフトバンクも端末単体なら国内データ通信容量が無制限となる「メリハリ無制限(データプランメリハリ無制限)」を発表しました。いずれも今年(2021年)3〜4月から提供を開始します。

 ただ、5Gエリアの整備は「道半ば」といった印象です。東京の都心部では、少しずつスマートフォンに「5G」と表示される機会が増えています。しかし「いつでもどこでも」というにはほど遠く、各社のエリア拡大の取り組みに期待したいです。

メリハリ無制限 ソフトバンクは2021年3月から、端末単体での国内データ通信容量が無制限となる「メリハリ無制限」を提供する。ある意味でauの5GデータMAXプランに追随したといえる
ドコモの5Gエリア NTTドコモの「2021年夏」における東京23区周辺の5Gエリアの予定。当初よりは広がりはあるものの、どちらかというと「点」が大きくなっただけともいえる

 キャリアごとに細かい条件の違いはあるものの、少なくともスマホ(端末)単体であれば月間の容量制限を気にすることなく、外出先などで思う存分データ通信できることは良いことです。厳密にいうと、楽天モバイルは「自社エリアかどうか」も意識しなければならないのですが……。

 特に、NTTドコモの5Gギガホ プレミアは、スマホのテザリングやモバイルルーターでの利用も容量無制限となっています。旅行や出張中に固定回線代わりに使っても、容量面で心配が不要になります。やや大げさにいえば、固定回線を常時持ち歩ける感覚に近いかもしれません。

5Gギガホ プレミア ドコモの「5Gギガホ プレミア」は容量無制限が標準サービスに

 「月間20GBで2980円」を実現したドコモの「ahamo」やソフトバンクの「LINE on SoftBank」、5分間音声定額を省くことで「月間20GBで2480円」を実現したauの「povo」に見られるように、ここ最近は中容量プランに注目が集まっています。

 しかし筆者としては、大容量プランの「次」に来るであろう、大容量プランを前提としたサービスやコンテンツの拡充に期待しています。大容量プランが容量無制限となれば、今まではモバイル通信では通信容量的に非現実的だったサービス(リアルタイムのVR/AR配信、4K/8K動画のストリーミング再生や配信など)がモバイル向けにもどんどん出てくるでしょう。2021年に商用化されるかはともかく、「大容量を無制限」がもたらす新しいサービスが今後出てくると思うと、今からワクワクが止まりません。

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