「Rakuten UN-LIMIT VII」徹底解説 「0円廃止」でも楽天モバイルに残るべきユーザーは?5分で知るモバイルデータ通信活用術(1/4 ページ)

» 2022年06月16日 15時00分 公開
[島田純ITmedia]

 既報の通り、楽天モバイルは7月1日から新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」の提供を開始します。既存プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を契約している場合は、同日から新プランに自動移行されます。月額料金は1078円(税込み、以下同)からとなり、既存プランで1名義1回線のみ可能だった「月額0円から」の利用はできなくなります。ただし、激変緩和措置が設けられているため、既存ユーザーは7〜8月利用分は料金の値引き、9〜10月利用分はポイント還元で「実質月額0円から」のまま利用可能です。

 「月額0円から」を廃止することに注目が集まっているRakuten UN-LIMIT VIIですが、他にも注目すべきポイントがあります。今回の「5分で知るモバイルデータ通信活用術」は、そんなRakuten UN-LIMIT VIIを詳しくチェックしていきたいと思います。「5分」では終わらない可能性もありますが、お付き合いください。

【訂正:6月17日18時35分】初出時、Rakuten Link利用に関するデータ通信の扱いに誤りがありました。おわびして訂正いたします

Rakuten UN-LIMIT VII 7月1日に提供が始まる「Rakuten UN-LIMIT VII」
既存ユーザーへの案内 既存ユーザーには料金プランの自動移行に関する案内も行われています

楽天モバイルの料金プランを振り返る

 楽天モバイルのキャリア(MNO)サービスの初代料金プランは「Rakuten UN-LIMIT」でした。自社エリア限定ではあるものの月間データ通信量に制限はなく、月額料金は3278円でしたが、先着300万人に限り、1回線限定ながらも1年間無料で利用できるという特典が付与されました。

 条件付きながら、月間データ通信量無制限で無料というのはインパクトが大きく、「楽天モバイルといえば0円」というイメージはここである程度定着したものと思われます。

 ……が、キャリアサービスの本格提供開始当日(2020年4月8日)、国内パートナー回線(au 4G LTEネットワークへのローミング)における利用条件を一部改訂してプラン名を「Rakuten UN-LIMIT 2.0」に改めました。利用条件に変更があるとはいえ、仮称ではないサービスの名前が提供開始と同時に変わることは異例だったと思います。

楽天モバイル 初めての料金プランは「Rakuten UN-LIMIT」でしたが、サービス開始当日に「Rakuten UN-LIMIT 2.0」に改名されました。

 2020年9月30日、楽天モバイルは5G通信サービスを開始しました。そのタイミング発表された料金プランが「Rakuten UN-LIMIT V(ファイブ)」です。

 5G通信に対応すること以外の提供条件はRakuten UN-LIMIT 2.0と同様だったこともあってか、既存のRakuten UN-LIMIT 2.0ユーザーの契約は自動でRakuten UN-LIMIT Vへと変更されることになりました。楽天モバイルの特徴である“強制的な”プラン変更は、この頃からの「伝統」といえるかもしれません。Rakuten UN-LIMIT 2.0は約5カ月で幕を下ろすことになります。

Rakuten UN-LIMIT V 5G通信サービスの提供開始と同時に登場した「Rakuten UN-LIMIT V」は、5G通信への対応以外はRakuten UN-LIMIT 2.0と同じサービス内容でした。そのこともあり、Rakuten UN-LIMIT 2.0ユーザーは自動的(≒強制的)にRakuten UN-LIMIT Vに移行することになりました

 2021年1月、楽天モバイルはさらに新しい料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI(シックス)」をリリースすることになりました。この料金プランは、月間通信容量によって月額1078円(3GBまで)/2178円(20GBまで)/3278円(20GB超)と3段階で料金が変わることと、1名義1回線限定ながらデータ通信容量が1GB以下なら月額0円(無料)であることが特徴です。キャンペーンだった「月額0円」が条件付きながら正規プランとして組み込まれたことになります。

 月額0円がプランに組み込まれた背景として、1年間無料キャンペーンの限定数である「300万人」が近づいてきたことがあります。もう少しツッコむと、このキャンペーンを最初期に申し込んだユーザーの離脱(解約)を防ぐために「月額0円から」を捨てきれなかったという見方もできます。

 既存ユーザーにとって特に不利になる要素がないことがないこともあり、既存のRakuten UN-LIMIT Vユーザーの契約は自動でRakuten UN-LIMIT VIに変更されることになりました。

初期ユーザー離脱防止 1年間無料キャンペーンを利用したユーザーの課金が始まるのを前に、条件付きながら月額0円をプランに組み込んだ「Rakuten UN-LIMIT VI」を打ち出しました

 Rakuten UN-LIMIT VIを投入した背景には、他の大手キャリアが2021年3月からオンライン専用プランを相次いで投入することが決まっていたこともあります。NTTドコモの「ahamo」、KDDIと沖縄セルラー電話の「povo(ポヴォ)」、ソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」がそれです。

 ただ、これらのオンライン専用プランは「月間20GBで税込み3000円弱」という料金設定だったので、Rakuten UN-LIMIT VIと直接競合するかといえば、そこまででもありませんでした。しかし、ソフトバンクは2021年7月、LINEMOに月額990円で月間3GBまで高速データ通信できるプランを追加しました。KDDIと沖縄セルラー電話も2021年9月、一定期間内の課金が条件ながら「月額0円から」を実現した「povo2.0」の提供を開始しました。

 データ通信容量が少なければ無条件で無料となるRakuten UN-LIMIT VIと比べると、LINEMOの3GBプランやpovo2.0は「割高」にも思えます。しかし、LINEMOとpovo2.0は楽天モバイルよりも広いサービスエリアを有しています。楽天モバイルが国内パートナー回線の利用を縮小し始めたこともあり、「月額0円でも通信できないくらいなら……」と、これらのサービスへの乗り換えを検討する声もちらほら聞こえてくるようになりました。

povo2.0 楽天モバイルにとって、KDDIと沖縄セルラー電話のpovo2.0は特に脅威に映ったと思われます。180日以内に一定額以上のトッピング購入(または定期課金のあるトッピングの付与)が必要ながらも「月額0円から」利用できるのはRakuten UN-LIMIT VIと思いきり競合します
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