ちっちゃなボディの「ST100」を液晶一体型PCに変えてみた(3/3 ページ)

» 2007年04月13日 16時13分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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Vista Home PremiumでST100の性能をチェック

 ST100は登場時にレビューを行っているが、この時はまだWindows Vistaが発売される前だった。せっかくの機会なのでWindows Vista製品版でのパフォーマンスもチェックしておこう。製品は初回レビュー時とほぼ同じCore2Duo T5500/80GバイトHDDという構成だが、メモリは512Mバイト×2で1Gバイトを搭載している。なお、評価にはWindows Vista Home Premiumを用いた。

 Windows Vistaの動作の目安にしやすいWindowsエクスペリエンスインデックスは、Windows Vista RC1を用いた前回のレビュー時と多少の変化があったものの、おおむね傾向は一緒だ。オンボードグラフィックスを利用していることもあり、最も低いスコアはグラフィックスの2.2。ただし、実際の使用感は十分に軽快で、フリップ3Dも難なく動作した。Windows Vista RC1ではサスペンドなどで不安定な動作も見られたが、Windows Vista対応のBIOSに変更されることでこういった点もまったく問題なくなっている。

 PCMark05の結果は、前回がWindows XP/メモリ512Mバイトの構成となっており、検証環境が異なるために単純比較はできないが、Windows Vista/メモリ1Gバイトのスコアは以前を上回る2936を記録した。つまりメモリさえしっかり搭載しておけば、Windows Vistaを導入してもWindows XPの時より処理が重くなるわけではない。3D描画性能に関しては、さすがに3DMark06は荷が重いという結果が出たが、FFベンチではHighで「おなつよ」、Lowで「とてつよ」となり、これはFINAL FANTASY XIを十分実用的に楽しめるスコアを示している。

Windowsエクスペリエンスインデックス(画面=左)。VistaでのPCMark05の結果(画面=中央)とXPの結果(画面=右)

 なお、Windows VistaはWindows XPよりもHDDへのアクセス頻度が高く、動作音も高くなる傾向にあるが、もともと静音性の高いST100ではノイズが気になることはほとんどなかった。Windows Vista時代になってますます魅力を増したサイレントミニPCという見方もできる。

将来的にも不安が少ない魅力的な省スペースPCソリューション

 LD1954FSは、ST100を組合わせることで一体型PCのような使い勝手を実現する省スペースPCソリューションだ。もちろん、電源ケーブルが2本いるとか、PCとディスプレイ間をケーブルで接続する必要があるとか、本来の一体型PCよりも手間な部分はあるが、これは使い始めの問題でしかない。

 一方、LD1954FS自体は、LS1954SにST100専用マウンタを追加した製品であり、単体ディスプレイとしてもなんら問題なく利用できる。これは最大のポイントだ。つまり、液晶一体型PCの場合は、スペックが古くなったら液晶まで捨てる必要があるが、LD1954FSはそのまま流用できるのだ。最近はPC本体よりもディスプレイのほうが間違いなくライフサイクルは長いので、この点は一体型PCに対する大きなメリットと言えるだろう。

 価格的には一体型PCに見劣りするものの、LD1954FSの直販価格は3万9900円(税込み)と、高視野角タイプの19インチSXGAディスプレイとしてそれほど高価なわけではない。ST100ユーザーやこれからST100を購入しようと思っている人にはかなり魅力的ではないだろうか。長期の保守サービスや、落下などでの故障もカバーしてくれるゴールドワランティもリーズナブルに加入できるし、ST100とセットでVistaを長期的に利用したいと考えている人なら悪くない選択肢だ。

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