WiMAXとMoorestownで広がるモバイルデバイスの行動圏Intel Developer Forum 2007(3/3 ページ)

» 2007年09月21日 04時30分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

小型デバイス規格「Moorestown」が目指すのは、“あの”電話?

Intel ウルトラモビリティ部門シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのアナンド・チャンドラシーカ氏

 初日の基調講演でも説明があったように、45ナノメートルプロセスルール世代のCPUでIntelが目指すのは、PC向けCPUのコンフィギュレーションを充実させる(1〜8と可変するコア、グラフィックスコアのCPU統合など)ほかに、大規模システム向けの処理に特化させたCPU(Larrabee、開発コード名)、小型デバイス向けに特化させたCPU(Silverthorne、開発コード名)など、搭載デバイスの水平展開である。特に、Silverthorneは低消費電力やCPUのシステム化を推進することで、現在の携帯電話や組み込み機器で主流となっているARM系CPUへの対抗を目指す。

 Intel ウルトラモビリティ部門シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのアナンド・チャンドラシーカ氏が主張するのは、「モバイル機器の課題はパフォーマンスだけでなく、ソフトウェアの互換性の問題にある」という点だ。Silverhorneによってx86系CPUを組み込みデバイスの世界に展開することで、PC用のソフトウェアやツール、ノウハウなどをそのまま流用できるようになり、それが結果として開発者やユーザーの利益につながる。

「携帯電話などのモバイル機器でインターネット・アプリケーションの利用が広がらないのは、ソフトウェアの互換性に問題がある」というのがIntelの主張だ。ARM互換の道を捨てたIntelにとって、x86系CPUによる組み込み市場への再進出は、プラットフォーム水平展開の大きなチャレンジとなる。

 この、SilverthorneをCPUとして組み込んだ小型デバイスのフォームファクタが「Menlow」(開発コード名)だ。通信機能の組み込みに標準で対応しており、インターネット端末としての利用が想定されている。MicrosoftやLinuxとの提携をはじめ、Adobeなどのソフトウェアベンダーからも協力を得るなど、プラットフォームの投入当初からPC世界の強力な資産を引き継いだ小型デバイスが登場することになりそうだ。

PCとARMプラットフォームのそれぞれにAdobe Flashの同等機能バージョンが提供されるのに、2年近いタイムラグが存在する。こうしたソフトウェアの互換性も小型デバイスの問題であるとIntel主張はする
MenlowプラットフォームをベースにLinuxを導入したハンドヘルドデバイス「EB MIMD」のコンセプト
45ナノプロセス世代のCPUを搭載して登場する新しいカテゴリの携帯向けCPUのSilverthorne。低消費電力が特徴で、代を追うごとに周辺チップや機能の集積が進んでいくという

Silverthorneを搭載した小型デバイス向けプラットフォームのMenlow
チャンドラシーカ氏が手に持つのはSilverthorneのウエハ
MenlowをベースにしたEB MIMD

Wi-Fiをはじめ、Bluetooth、GPS、3G、WiMAXなどさまざまな通信機能に対応する
各メーカーが手がけたMenlowマシンのサンプルが多数IDFでは展示されていた
いわゆるUMPCのカテゴリではMicrosoftとの提携でWindows Vistaの導入が可能になるほか、UbuntuやRedFlag Linuxなどとの提携でLinuxのサポートも進めている

 Menlowに続いて、低消費電力化とシステム化をさらに進めた「Moorestown」(開発コード名)というプラットフォームが待っている。2008〜2009年ごろに登場するとみられるこのプラットフォームは、「2010年までに(アイドル時の)消費電力低減をさらに10倍進める」というIntelの目標を実現することが期待されている。この世代のコンセプトモデルとしてIDFで紹介されたのが、話題の「あの」携帯電話そっくりのデバイスだ。そう、発売から74日間で100万台を売り上げた“あの”製品のことである。

Menlowに次ぐ小型デバイス向けプラットフォームとなるのが「Moorestown」だ。システムの集積化がさらに進んでいる
Moorestownでは、アイドル時における消費電力の低減をいっそう進め、10分の1まで持っていくのが目標となる
基調講演に登場した謎のスライドには、次世代Moorestownデバイスのコンセプトモデルが紹介されていたが、その形状やユーザーインタフェースはどうみても“あの”電話だ

関連キーワード

Intel | CPU | WiMAX | ノートPC | Wi-Fi | Santa Rosa | 組み込み | バッテリー | UMPC


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月10日 更新
  1. 画面を持たない約12gの超軽量ウェルネストラッカー「Google Fitbit Air」 1万6800円で5月26日に発売 (2026年05月07日)
  2. USB Type-Cの映像出力をワイヤレスでHDMI入力できる「エレコム ワイヤレス HDMI 送受信機セット DH-CW4K110EBK」がセールで1万2580円に (2026年05月08日)
  3. NAS向け低容量HDD枯渇に「Core Ultra 200S Plus」品薄も――大型連休明けのストレージとメモリ最新動向 (2026年05月09日)
  4. まるで工芸品な3kg超のアルミ塊! 官能的すぎる“磁気×メカニカル”なキーボード「Lofree Hyzen」を試す (2026年05月07日)
  5. VAIO事業が絶好調のノジマ、第4四半期の出荷台数は過去最高に 「AI PC」需要で次期も成長を見込む (2026年05月07日)
  6. 「SwitchBot スマートサーキュレーター(スタンド型)」を試す インテリアになじむ木目調、扇風機の代わりはなる? (2026年05月08日)
  7. 16型で約1.2kg、USキーボード搭載! こだわり派のあなたに適した「LG gram Pro 16」が33%オフの19万9800円に (2026年05月08日)
  8. Microsoftが4月度のWindows非セキュリティプレビューパッチを公開/PCI-SIGが次世代規格「PCI Express 8.0」のドラフト版を公開 (2026年05月10日)
  9. Microsoftが描く「定額+従量課金」のAI新時代と、無制限の“エッジAI”へと向かうWindowsのゆくえ (2026年05月08日)
  10. M5Stack、AI連携にも対応したデスクトップロボット「M5 スタックチャン」 (2026年05月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年