内部のシステムに目を移そう。本機はほかのAtom搭載ミニノートPCと同様、CPUにインテルのAtom N270(1.6GHz/2次キャッシュ512Kバイト/FSB 533MHz)、チップセットにグラフィックス機能を統合したIntel 945GSE Expressを採用する。
メインメモリやストレージのSSDはBTOで容量が選べ、メモリは512Mバイトと1Gバイトの選択肢があり、なぜかチップセットがサポートする最大容量の2Gバイトは用意されていない。試しに手持ちの2Gバイトモジュールを取り付けたところ問題なく動作したが、もちろんメーカーのサポート対象外となる行為だ。なお、メモリスロットは1基しかないので、できる限り容量の大きいメモリをあらかじめ選択しておきたい。
起動時間などの計測結果 | |
---|---|
OS起動 | 39秒8 |
休止状態へ移行 | 19秒2 |
休止状態からの復帰 | 16秒6 |
サスペンドへ移行 | 7秒6 |
サスペンドからの復帰 | 4秒2 |
シャットダウン | 19秒9 |
SSDは16Gバイト、8Gバイト、4Gバイトから選べるが、4GバイトではOSにWindows XP Home Edition(SP3)を選択できず、事実上、Linux(Ubuntu 8.04 Dellカスタマイズ版)専用だ。16GバイトのSSDとWindows XP Home Edition(SP3)を搭載した評価機では、初期状態で約10Gバイトの空きがあったが、貸出機にはリカバリメディアが付属せず(製品版では付属)正確なところは確認できなかった。ちなみに、4Gバイトと8GバイトSSDの差額は4200円、4Gバイトから16Gバイトの差額が8400円と手ごろなので、こちらもメインメモリと同様、予算が許す限り大容量モジュールを選びたいところだ。
標準で4セルのバッテリーが付属し、公称値で約3.4時間の駆動が行える。現時点で大容量バッテリーをラインアップする予定はないとのこと。ACアダプタは重量こそ約175グラムと軽いが、サイズは33(幅)×110(奥行き)×57(厚さ)ミリ、ケーブル長は255センチもあり、持ち運びに不便なのが惜しい。BBench V1.01を使ってバッテリーの動作時間を計測したところ、輝度最高で電源設定をポータブル/ラップトップにしてWeb巡回(60秒間隔)とキーストローク出力(10秒間隔)をオンにしたところ、2時間55分でバッテリー残量がゼロになった。
こちらのレビュー記事やニュース記事で触れた通り、本機の最大の特徴はファンレスシステムによる優れた静音性にある。そのぶん、ボディの発熱はアイドル時でもそれなりに発生するが、空調が行き届いた部屋であれば手を触れられないほど熱を帯びることはない。
現時点では、Ubuntuを搭載した最小構成で4万9980円、Windows XP Home Edition(SP3)を採用した最小構成で5万7330円と、デルらしい圧倒的なコストパフォーマンスが影を潜めている印象だが、同社お得意の割引クーポンや各種キャンペーンはまだ適用されていない。本機の評価は、これらが開始されてからでも遅くはないだろう。今後はカラーバリエーションの展開を含め、BTOメニューの拡充と、よりアグレッシブな価格の追求を期待したいところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.