日本エイサーが2月に発売した「Aspire one D150」は、数あるNetbookの中でも人気モデルとして知られる「Aspire one」の液晶ディスプレイを大型化し、ボディの設計をイチから見直した新機種だ。
先日掲載したレビューの前編では、ボディのサイズや重量、デザイン、基本スペックと拡張性、ワイド液晶ディスプレイの表示品質、キーボードとタッチパッドの使い勝手などをチェックした。
今回の後編では、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の発熱および騒音といった各種テストを実施し、その結果を既存の8.9型ワイド液晶搭載モデルと比較することで、D150の真の実力に迫る。
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まずは恒例のベンチマークテストプログラムを用いて、D150のパフォーマンスを確認した。実施したのは、総合ベンチマークテストのPCMark05、3Dグラフィックステストの3DMark05、ゲームベンチのFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3だ。比較用に8.9型ワイド液晶搭載の既存モデル「AOA150-Bp1」(コーラルピンク)のテスト結果も併記した。
PCMark05については、デフォルトの状態では内蔵ディスプレイの画面解像度が1024×600ドットと狭い関係で、GraphicsとPCMarkのスコアが算出されないため、アナログRGB端子で外部ディスプレイと接続し、1024×768ドットの解像度でもテストした。
基本スペックがほとんど同じなだけに、PCMark05の結果は既存のモデルとほぼ変わらない結果となった。いずれもストレージに5400rpmの2.5インチSerial ATA HDDを採用しているため、HDDのスコアはなかなか良好だ。それ以外はAtom N270(1.6GHz)を搭載したNetbookとして標準的な値となっており、Windows XPの基本操作は快適に行える。ちなみに、画面解像度を変更しても、CPU、Memory、HDDのスコアに違いはない。
3DMark05とFF XIベンチの結果についても、グラフィックス機能がいずれも同じであることから、スコアは同等だ。Intel 945GSE Expressチップセット搭載のNetbookとして平均的な値となっている。DirectX 8.1世代と少し古めのテストであるFF XIベンチの結果は、低解像度の「Low」設定でなんとかプレイできる程度だが、3Dゲームに使うのは困難だ。
小型軽量なミニノートPCで問題になりがちなボディの発熱も調べてみた。計測したのは、ACアダプタに接続し、起動から30分間アイドル状態で放置した状態、そこからシステムに高い負荷がかかる3DMark05のデモを30分間実施し続けた状態の2パターンだ。アイドル状態から一定時間経過してもディスプレイの表示やストレージの電源がオフになったり、スクリーンセーバーやスタンバイに移行しないように設定してある。
計測したボディの部位は、キーボードの左半分/右半分、パームレストの左半分/右半分、タッチパッド、ボディ底面の左半分/右半分だ。下のグラフは、各部で最も高温になる部分を探して、放射温度計で計測した値となっている。室温は24〜25度だ。
テスト結果は、D150が8.9型ワイド液晶搭載の既存モデルと比べて全体的に発熱しにくかった。D150は使用時に手が触れるパームレスト、キーボード、タッチパッドといったボディ表面が熱くなりにくく、快適さで勝る。傾向としては、ボディの左半分が暖かくなり、左側面にある通風口の周囲が最も高熱になるが、そこを除けば、高負荷時でも熱による不快感は少なかった。
D150は以前掲載した分解記事で示した通り、CPU、チップセット、メモリ、HDDといった熱源となる主要なパーツがすべてマザーボードの片面に実装され、それらがボディの底面に向いている。そのため、ボディの表面に熱が伝わりにくくなっているが、底面は左側面の通風口付近が高温になることから、ヒザの上で使う場合などは気を付けたい。
一方、既存のモデルの内部構造は過去に掲載した記事で示した通り、オンボードメモリやサウスブリッジのチップがボディの上面に向いており、またボディサイズが小さいことから、D150より放熱性で不利になる。そのため、ボディの表面が発熱しやすいのはもちろん、底面もD150より高温になりやすかった。D150は発熱するパーツが底面に集中しているものの、液晶ディスプレイの大型化にともない、ボディサイズが一回り大きくなったことで、放熱機構にも余裕が生まれている。
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