日本エイサーの低価格ミニノートPC「Aspire one」は、2008年8月に国内販売が開始された。当時は、Atom搭載NetbookとしてASUSの「Eee PC 901-X」とMSIの「Wind Netbook U100」が販売中だったが、SSDより容量で有利なHDDの採用、デザインへの注力、ライバル機に勝る低価格設定といった特徴により、多くのユーザーの支持を集めたことは記憶に新しい。
その後、日本エイサーはHDDの増量やカラバリの追加、価格改定などを行い、製品ラインアップの拡充に努めてきたが、2009年2月にはついに第2世代Aspire oneともいうべき新モデル「Aspire one D150」を国内で発売した。液晶ディスプレイのサイズを8.9型ワイドから10.1型ワイドに大型化したことにともない、ボディの設計も大幅に見直している。
家電量販店での実売価格は5万円前後におさまっており、プラス1万円でOffice Personal 2007を搭載したモデルも販売中だ。ボディのカラーは、シーシェルホワイト、ダイヤモンドブラック、サファイアブルー、ルビーレッドの4色から選択できる。
ここではシーシェルホワイトのOffice非搭載モデル「AOD150-Bw73」と8.9型ワイド液晶を装備した既存のモデル「AOA150-Bp1」(コーラルピンク)を比較しながら、D150の進化点を明らかにしていきたい。
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まずは外観から見ていこう。D150はボディサイズが260(幅)×185(奥行き)×33.4(高さ)ミリ、重量が約1.18キロだ。本体サイズが249(幅)×170(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量が約1.06キロだった既存の8.9型ワイド液晶モデルと比べて、一回り大きくなったが、重量増は約0.12キロに抑えられた。
ボディはやや厚みがあるが、手前側を薄く仕上げているため、それほど武骨な印象はない。10型クラスの液晶ディスプレイと2.5インチHDDを搭載した構成で約1.18キロという軽さは、なかなか健闘しているといえる。
ボディの大型化とともにデザインにも変更が加えられた。光沢塗装の天板は変わらないが、キーボード周辺にはヘアライン加工を施し、液晶ディスプレイのヒンジ部に「しずく」のような形状のロゴ入りパーツをはめ込むなど、これまで以上に高級感への配慮が見られる。
もっとも、デザインの個性が強まったことで、従来機と比べてユーザーの好みは分かれそうだ。個人的には、全体的な質感が向上していることに感心しつつも、ヒンジ部の形状と電源ボタンを囲むグリーンの塗装は少々うるさく思えた(ほかのカラーでは、グリーンの塗装がもっと落ち着いた色になっている)。
内蔵バッテリーの駆動時間は従来機と同様、公称で約3時間をうたう。標準の3セルリチウムイオンバッテリーパック(11.1ボルト 2200mAh)は8.9型ワイド液晶モデルと同じ形状で、そのまま流用することも可能だ。
日常的に携帯利用するにはもう少し長めのバッテリー駆動時間がほしいところだが、オプションで約7時間の連続駆動をうたう6セルバッテリー(実売価格9000円前後)も用意されている。6セルバッテリーを装着すると後方が出っ張り、重量は約170グラム増えるものの、シーンに応じてバッテリーを使い分けられるのはありがたい。
付属のACアダプタは、突起部を除くサイズが42(幅)×96(奥行き)×29(高さ)ミリ、ケーブル込みの重量が約334グラムだった。ACアダプタ自体は小さいほうだが、3穴タイプ(俗にいうミッキー型)の太い電源ケーブルを採用しているため、携帯時には意外にかさばる。ACアダプタも頻繁に携帯して使いたい場合は、3穴タイプのウォールマウントプラグや、2穴タイプ(俗にいうメガネ型)への変換アダプタなどを別途用意するといいだろう。
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