冒頭で触れた通り、液晶ディスプレイは画面サイズが8.9型ワイドから10.1型ワイドに大型化された。従来同様、ディスプレイの表面処理は光沢タイプだ。画面解像度にも変更はなく、1024×600ドットに据え置かれている。最近のNetbookでは、1024×576ドット表示の16:9パネルを採用するモデルが増えつつあるが、縦の画面解像度が維持されているのは一安心といったところだ。
実際の見た目だが、輝度とコントラストが十分高く、パキッとした表示で視認性に不満はない。バックライト輝度は10段階と細やかに調整できる。光沢パネルのおかげもあり発色は悪くないが、画面への映り込みはそれなりにあるので注意してほしい。また、この手の低価格ミニノートPCではありがちなことだが、視野角は上下方向がかなり狭いので、チルト角度の調整はしっかり行う必要がある。
8.9型ワイド液晶モデルと比べると、色温度が高めでスッキリとした表示に見えるほか、最大輝度設定時の明るさがわずかに下がったぶん、最小輝度設定時の明るさも下がるようになっていた。8.9型ワイド液晶モデルはプレゼン中など薄暗い場所で使う場合、最低輝度設定でも明るすぎると感じたので、最低輝度が従来より下げられることが便利な場面もありそうだ。
キーボードは主要キーで約17ミリのキーピッチを確保している。きちんと日本語化がされており、左下のCtrlやFn、Enter周辺のキーピッチが狭くなっているものの、全体的なキーレイアウトに無理はなく、カーソルキーがほかのキーより一段下がっているのも気が利いている。少し慣れれば、タッチタイプも十分可能だろう。キーストロークは少し浅いが、確かなクリック感があり、入力中のたわみやぐらつきなども気になるほどではなかった。
プログラマブルボタンは非搭載だが、輝度や音量の調整、消音、スタンバイへの移行/復帰、ディスプレイ出力の切り替え、ディスプレイの消灯/点灯、電源オプションのプロパティ起動、システムのプロパティ起動、タッチパッドのオフといった動作は、Fnとほかのキーを同時押しすることで行える。購入後は覚えておくと便利だ。
低価格ミニノートPCとしては文句のないキーボードといえるが、キーボードユニット自体が8.9型ワイド液晶モデルと同じものを使用しているのは惜しい。キーボードの左右にはスペースが余っているので、液晶ディスプレイのように一回り大きなキーボードを採用し、変則的なキーピッチをなくしてほしかった。
もっとも、ボディの大型化にともなって、パームレスト部は1センチ近く長くなり、タッチパッドはパッドの左右にボタンを配置した特殊な形状から、パッドの下にボタンを並べた標準的な形状に変更されたため、総合的な入力環境は向上している。
タッチパッドはサイズが48×33ミリ程度と小さく、シーソー型のボタンが硬くて押しにくいものの、左右のボタンがパッドの下に移動したことで、8.9型ワイド液晶モデルより自然な姿勢に扱えるようになった。シナプティクスの多機能ドライバ(V7.2)が導入されており、スクロールやコーナータップはもちろん、ピンチをはじめとするマルチタッチのジェスチャー機能にも対応している。
以上、Aspire one D150の特徴や使い勝手について、既存の8.9型ワイド液晶モデルと比較しながら検証した。レビューの後編では、パフォーマンスやバッテリー駆動時間などのテストを行う予定だ。後編はこちら(テストで分かった真の実力:低価格ミニノートPCの名機、再び――「Aspire one D150」に迫る/後編)。
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