日本ヒューレット・パッカード(HP)が中小企業向けのインクジェットプリンタ「HP Officejet/Officejet Pro」シリーズのラインアップに新モデルを投入した。発表会では、同社執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏が新製品投入についての背景や戦略を説明した。
挽野氏は「経済状況の先行きが不透明な中、何に注目し、リソースを割くべきか、経費削減できる方法は何かと顧客から問われる場合が多くなっている。ここを助けるのが我々の役目である」とし、「コスト削減に注目すると、印刷にかかわるコストは無視できないものがある」と述べた。
具体的なコスト削減手段として、挽野氏は3つの例を挙げた。「1つめは、顧客が所有している資産をリースにして経費に変える設備投資の削減、2つめがHP Managed Print Serviceによってプリンティング環境を精査し、運用経理を管理することでプリンティングコストを最大30%下げること、そして3つめがキャッシュフローの管理だ」とした。加えて、「これからはグリーン化とコスト削減の両立を実現するのも重要なテーマであり、(HP製品を使うことで)用紙の削減で最大30%削減し、電力削減によるエネルギー消費も大幅に削減できる」とまとめた。
続いて、同社イメージング・プリンティング事業統括 コンシューマ&ウェブソリューションビジネス本部 コンシューマ・マーケティング部 部長 徳永信幸氏が新モデルのラインアップを紹介した。
「今回発表した4モデルは、いずれも導入コストやランニングコストだけでなく、消費電力も低いのが特徴だ」と新製品を紹介。「Officejet Proシリーズでは全4色顔料インクの新システムとワイドプリントヘッドを搭載することで、レーザープリンタを上回る印刷品質と印刷速度を両立した。また、大容量のインクカートリッジを採用した新インクシステムの導入により、印刷コストは約6.6円/枚(大容量のHP940XL)、ローエンドモデルのインク(大容量HP920XL)でも約7.6円/枚(A4普通紙カラー文書の印刷コストの場合)と安く、インクカートリッジも低価格(直販価格で1260円〜3297円)で提供する」と述べ、印刷コストのシミュレーションを示した。「さらに新モデルでは自動両面機能をはじめ、ソフトウェアでインク量をコントロールしたり、印刷枚数を削減するHP Smart Web Printingを利用することにより、ランニングコストを一段と下げるのが可能になった。カラーレーザー複合機と比べても、性能や価格で大きなアドバンテージがある」と自信を持ってアピールした。
次ページでは、新モデルに伴う販売施策を取り上げる。
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