未来のiPhoneアプリと開発者の物語WWDC 2009基調講演を振り返る(2/4 ページ)

» 2009年06月24日 17時19分 公開
[林信行,ITmedia]

対応アプリケーション通して魅力を増すAPI機能

 WWDC 2009の基調講演では、この後、iPhone OS 3.0の1つ1つの機能が詳細に説明されているが、これについては「iPhone OS 3.0ソフトウェアアップデート、配信開始」や「愛すべき賢くなったカーソル、新しい文字に触れるインタフェース──進化した入力環境」で詳しく取り上げているのでそちらを参照して欲しい。

 一方、iPhone OS 3.0には、上記のようなすぐに試せる機能に加えて、対応アプリケーションを通して初めて恩恵を受けられる機能も多い。実際、iPhone OS 3.0のSDKには1000近いAPIが追加されている。ここではこうしたAPI機能を紹介をしよう。ついでに基調講演では紹介されなかったものも含め、これらのAPIを活用したアプリケーションの実例も見ていく。

 まず紹介されたAPIは「In App Purchase」だ。これは、アプリケーション内から追加データの購入などをするのに用いることができる一方、雑誌などの購読のような形で用いることもできる。月額課金なども可能だ。ただし、最初に無料で入手したアプリケーションは、最後まで無料で追加コンテンツを有料で売ることはできない。フォースタール氏はこの点を強く強調した。なお、すでにこのAPIを活用したアプリケーションとしては「Star Defense」や「Enigomo」がある。

 2つ目は「Peer-to-Peer」で、これは無線LANのアクセスポイント下、またはアクセスポイントがない場所ではBluetoothを使ってiPhone同士でゲームなどの対戦をするためのAPIだ。ペアリングなどの面倒な操作なしで、すぐに端末同士の通信ができるのが魅力だ。すでに「Flick Fishing」や「F.A.S.T」「Star Defense」「Leaf Trombone」「Sonifi」「Bomberman touch 2」など、多くのアプリでこのAPIが活用されている。

 3つ目は「アクセサリーサポート」。iPhoneの本体下にあるドックコネクタを通して周辺機器と接続するAPIも公開された。実際Johnson & Johnson傘下の会社であるLifeScanが、血糖値を測る装置とそれと連動するiPhoneアプリケーションを発表している。このアプリケーションを使うと、iPhoneで常に血糖値を監視でき、食事の内容にあわせて、どれだけのインスリンを取ったらよいかが分かる、という。

 4つ目は「Google Map」のAPIだ。これを使えばアプリケーション開発者は、自らのアプリケーションの中にGoogle Mapを埋め込むことができる。すでにこのAPIは「Shazam」や「Postman」などで使われている。

 5つ目は「ターン・バイ・ターン」のAPI。これを使ってiPhoneベースのナビゲーションシステムを開発できる。

 6つ目は「Push Notification」、これはiPhoneの個々のアプリケーションにリアルタイムで通知を送る機能だ。実例として、スポーツの試合でチームに得点が入るとそれを音と文字で知らせてくれるというESPNのアプリケーションが紹介された。通知のタイプは文字情報、アイコン上に表示されるバッジ(数字など)、そしてカスタム警告音の3種類だ。ちなみに、すでにこのAPIを活用したアプリケーションとしては「Leaf Trombone」や「Star Defense」「Ubiquitious Entertainment with Quick Pigeon」「Mobile News Network with AP」「Airstrip OB」などがある。

iPhone OS 3.0では約1000のAPIが追加される。Push Notificationなど、すでに多くのアプリで活用されているものもある

 iPhone OS 3.0 のSDKには、ほかにもiPodのライブラリから好みの曲を選んで再生できるiPodライブラリアクセスのAPIなど1000近いAPIがそろっている。

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