“冬ボ”で高級グリスが売れているらしい：古田雄介のアキバPickUp！（1/4 ページ）

[古田雄介＆ITmedia アキバ取材班，ITmedia]

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「地味にWindows 7が足りてなかったりします」――冬ボ特需が進行中

クレバリー1号店のWindows 7 POP。予約キャンセル分が放出されたことが売り文句になるくらいの状況だ

　年の瀬が迫り、アキバ電気街は冬のボーナス特需が起きている。このタイミングでWindows 7マシンを組みたいと考えている人が多いらしく、いくつかのショップではDSP版Windows 7の在庫が薄くなっているとの声を聞いた。

　クレバリー1号店は「64ビット版のUltimateとProfessionalが品薄ですね。特に11月12月と伸びてきたのはProfessionalです。Ultimateより7000円近く安いですが、機能差はBitLockerや多言語対応の有無程度。最初は無条件で全部入りのUltimateを購入する人が多かったのですが、今は割安感のあるProfessionalの注目度のほうが高いですよ」と語る。

　最も売れているマザーボードを聞いて回ったところ、ギガバイトのP55マザー「P55A-UD3」と「P55A-UD3R」を挙げるショップが多かった。価格は順に1万8000円前後と2万円前後だ。フェイス秋葉原本店は「P55マザーのシェアが一番ありますが、なかでもUSB 3.0とSATA 3.0に対応した両モデルは、割安感も手伝って好調です。USB 3.0は今後の普及を期待する人が多く、新規にマシンを組むという人は搭載非搭載をけっこう気にされているようです」と話していた。

　ラインアップが増加中のUSB 3.0周辺機器だが、先週はラトックシステムの5インチドライブケース「RS-EC5-U3」とリムーバブルHDDケース「SA-DK1-U3」が登場している。ともにSerial ATA接続のドライブが組み込める仕様で、価格は順に1万2000円弱と1万5000円弱だ。

　USB 3.0対応周辺機器は、すでに外付けHDDやHDD用クレードル、BD-Rドライブが出回っているが、光学ドライブ用ケースとリムーバブルケースはこれが初めて。TSUKUMO eX.によると「新カテゴリのアイテムということもあって予想以上に人気がありますね。特に光学ドライブ用ケースが人気で、一時期売り切れたほどです」とコメントした。

　また、普段手を出さないようなアイテムを購入する人が多いのも、この時期ならではだ。T-ZONE.PC DIY SHOPでは、DisplayPortを搭載した日本HPの24型ワイド液晶「DreamColor LP2480zxプロフェッショナル」が好調に売れているという。同店の価格は39万9000円という高価な製品だが、店員さんは「Radeon HD 5800シリーズなどを使って3画面出力を試したいという人に人気です。マルチディスプレイ技術『ATI Eyefinity』を使うにはDisplayPort接続のモニターが最低1台は必要ですからね」と景気のいい話をする。しかし最後に「主な購入層はウチのスタッフですけどね」とオチがついていた。

ギガバイトの「P55A-UD3」と「P55A-UD3R」（写真＝左）。ラトックシステムの「SA-DK1-U3」と「RS-EC5-U3」（写真＝中央）。日本HP「DreamColor LP2480zxプロフェッショナル」（写真＝右）

　それでは、一般的にはどんなオプションが売れているのか。いくつかのショップではシリコンワッシャーなどのサプライ品が好調だという。「1個数千円もしない低価格なアイテムですが、必須の品ではありません。ボーナスシーズンで余裕があるときに『せっかくだから、ちょっと静音化してみようかな』と思ったりして購入される方が多いんだと思います。自分へのご褒美というやつですね」（某ショップ）。

　T-ZONE.PC DIY SHOPでは、2000円前後の高価なグリスを購入する人もこの時期に多いそうだ。店員さんは「オーバークロッカーの方などが、自分へのご褒美にちょっとでも冷却効率の高いグリスを調達するわけです。最高級品でも音楽CDよりも安いくらいなので、景気に左右されずに今年も安定して売れていますよ」と話していた。

アイネックスのサプライ品一覧（写真＝左）。サイズのシリコングリス「GC-EXTREME」。価格は1300円前後（写真＝中央）。ワイドワークの黒鉛垂直配向熱伝導シート「WW-90VG」。価格は2300円前後（写真＝右）