先週、Radeon HD 5000ファミリーのローエンドGPU「Radeon HD 5450」を搭載したグラフィックスカードが複数のメーカーから登場した。価格は5000円前後から8000円弱のあいだで、DDR3とDDR2メモリを採用したモデルが混在し、それぞれ1Gバイトと512Mバイトの容量違いがある。また、ファンレスモデルやロープロファイル対応モデルが多いのも特徴だ。全製品が1スロット占有の薄い仕様となっており、在庫は潤沢となる。
初回に登場したのは、SapphireとASUSTeK、ギガバイト、MSI、PowerColor、玄人志向、XFX製品。それぞれの売れ行きについては「ローエンドなので、登場したから即購入という動きはありませんね。補助電源なしで静かに動作するので、特にGPUパワーを求めない層に受け入れられると思います。DisplayPortは非搭載ですが、HDMIやDVI、アナログRGBを備えているので、オンボードGPUよりも快適にデュアルディスプレイを構築したいという人にも売れそうです。Radeon HD 5970もある程度安定して店に置けるようになりましたし、これでようやく勢ぞろいという感じがしますね」(パソコンショップ・アーク)との評判が主流だった。
ただし、ロープロファイル対応カードについては、今後安定して伸びると予想する声が多かった。ツートップ秋葉原本店は「HD 5450カードには、HD 5000ファミリーで貴重なロープロファイル対応モデルが数多くあります。ウチの場合、全グラフィックスカードの売れ行きのうちの2割はロープロファイル対応モデルです。この割合は長らく変わっていないので、ここの需要にうまくフィットするんじゃないかと思います」と語る。ほかのショップでも、ロープロファイル対応モデルのシェアが2〜3割というコメントを聞いた。
それではなぜ、ロープロファイル対応が売れるのか。T-ZONE.PC DIY SHOPは「メーカー製PCに組み込む人が多いからだと思います。イチから自作するなら、ミドルタワーケースなどを使う場合が多いので、特にロープロファイルの恩恵を受けるという場合はそれほど多くありません。ただ、会社から支給されたマシンや、デルやHPなどのコストパフォーマンスモデルなどは、今でもスリムケースがよく使われています。それらを強化するためにロープロファイル対応カードを買い求めるという人は結構いると思いますよ」と想像していた。
実際、HD 5450のオーバークロックモデルであるギガバイトの「GV-R545SC-1GI」はファンレスで冷却するために通常サイズのカード幅があるため、同社のロープロファイル対応モデル「GV-R545OC-512I」のほうが後々ヒットすると予想するショップが多かった。「このクラスでは微妙な性能アップよりも、じゃまにならない安いカードのほうが安定して売れますからね」(ドスパラ秋葉原本店)という。
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