「要求が厳しい日本で高い技術を養う」──LGエレ、ディスプレイ事業戦略説明会(2/2 ページ)

» 2010年02月18日 21時23分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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IPS採用モデルは「市場調査中」

 LGエレクトロニクス・ジャパン ブランド・マネージャーの宇佐美夕佳氏は、同社のブランド戦略と2010年上期に発表を予定している製品の概要を紹介した。

 同社では、2009年の「LED 対 冷陰極管」から、2010年は「LED採用モデルの中で差別化を図る」プロモーションを展開することでLGエレクトロニクスのブランドを向上していくという。また、3Dディスプレイについても、NVIDIAの3D Visionや、3D映画配給会社、3D Vision対応ゲームディストリビュータとのコラボレーションでプロモーションを実施する。

 その方針に基づいて、2010年上期に登場する新製品は、「E50V」「E40V」「E50VR」のLED液晶モデル3シリーズに、「W40VG」のグレアモデル1シリーズ、「W40V」のスマートモデル1シリーズと、同社ディスプレイラインアップの上位に当たるプレミアムシリーズに集中している。ほかに、ゲーミングモデルでは3D Visionに対応した「W63D」シリーズと、低価格のスタンダードモデル「W62TQ」シリーズを予定する。

LGエレクトロニクス・ジャパン ブランド・マネージャーの宇佐美夕佳氏(写真=左)。LGエレクトロニクス・ジャパンが2010年上期に出荷を予定しているラインアップ。赤字で示されたボックスが新製品だ(写真=右)

 E50Vシリーズは23型ワイドの「E2350V」と21.5型ワイドの「E2250V」が発表済みで、その下位モデルとなる「E40V」シリーズも23型ワイドの「E2340V」と21.5型ワイドの「E2250V」が2010年4月に出荷される見込みだ。(E50Vシリーズの詳細は、LGエレ、実売2万円台の21.5/23型ワイド液晶を参照のこと)。

 どちらも、LEDバックライト採用で消費電力をCCFL採用モデルの40%減となったのが特徴で、発表会場ではLEDモデルとCCFLモデルの消費電力を比較するデモも行われていた。また、E50VRシリーズはLGエレクトロニクス独自開発の「Super+ Resolution」技術を導入したモデルで、500万:1という高いコントラスト(機能オン時。オフ時では1000:1)を実現する。出荷開始は23型ワイドの「E2350VR」と21.5型ワイドの「E2250VR」がともに5月からの予定だ。

「Super+ Resolution」に対応した「E2350VR」では、Super+ Resolutionをオンとオフにした画像の比較を紹介していた

LED搭載の新モデルと従来のCCFL搭載モデルで消費電力を比較する。LED搭載モデルは約3分の1の消費電力で済んでいる

 W40Vシリーズも2月16日に発表されたばかりで、21.5型ワイドのW2240Vは2月18日、W2340Vは3月上旬にそれぞれ出荷を開始する予定だ(詳細はLGエレ、新デザイン筐体採用の21.5/23型ワイド液晶2製品を参照のこと)。また、グレアモデルのW40VGシリーズは、会場に展示されていた23型ワイドの「W2340VG」が3月発売予定だ。このモデルもf-Engineに対応しており、DFCオン時のコントラストは70000:1に達する(オフ時は1000:1)。

 なお、IPSパネルを採用した「W2220P」も“参考出品”として展示されていた。22型ワイドで最大解像度は1680×1050ドット、輝度は300カンデラ/平方メートルでコントラスト比は1000:1、視野角は水平178度、垂直178度。出荷時期について、パク氏は「IPSパネル搭載モデルについては、日本市場の調査を行っている段階。その結果を踏まえて第3四半期には決断したい。投入する場合は、多くのユーザーが購入しやすい合理的な価格を実現する」と述べている。

発表会場では「W63D」を使った3D VisionのデモがNVIDIAの技術スタッフの説明で行われていた(写真=左)。参考出品扱いで展示されていた「W2220P」は、市場調査を踏まえたうえで「合理的な価格」で第3四半期の出荷を目指すとしている(写真=右)

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