マルチタスク対応の「iPhone OS 4」発表 今夏提供予定iPad向けは秋に(1/2 ページ)

» 2010年04月09日 06時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 米Appleは4月8日(現地時間)、米国で報道関係者向けの説明会を開催し、今夏にリリース予定のiPhone OS 4の概要を解説した。同時にOS 4に対応したSDK(ソフトウェア開発キット)のβ版を用意し、iPhone Developer Programに登録している開発者向けに配布を開始している。

 iPhone OS 4では、1500以上の新しいAPIを提供。In-app SMSやカレンダーへのアクセス、写真や映像データへのアクセス、マップへのオーバーレイ表示、ファイルの内容が容易に表示できるQuick Lookなど、サードパーティーベンダーでもiPhone OSに用意されているより多くの機能が簡単に利用可能になる。

 またエンドユーザー向けにも、100以上の新機能を用意した。ホーム画面に壁紙が設定できるようになるほか、Bluetoothキーボードのサポートが加わり、誕生日のカレンダーが用意されたり、最大5倍までのデジタルズーム機能や、動画撮影時にタップした場所にピントを合わせる機能が準備されたりと、さまざまな改善が施されている。

 こうした数々のOS 4の新機能は、大きく7つのカテゴリーに分けられる。

  1. マルチタスク対応
  2. フォルダ機能
  3. メールの強化
  4. iPhone向けiBooks
  5. エンタープライズ対応
  6. ゲーム関連機能の強化
  7. 広告機能「iAd」

 以下で順に説明していこう。なおOS 4はiPhone 3G、iPhone 3GS、第2世代iPod touchおよび第3世代iPod touchで動作するが、マルチタスクを含むすべての機能が利用できるのはiPhone 3GSと第3世代iPod touch(2009年後半に発売された32Gバイト版と64Gバイト版)に限られる。

“Apple流”のスマートなマルチタスク

 OS 4の最大の目玉はマルチタスクに対応したこと。これまでiPhoneやiPod touchでは、iPod機能での音楽再生など一部を除いて、複数のタスクを同時に実行する機能は提供されていなかった。しかしOS 4と対応機器の組み合わせでは、Skypeでオンラインを保ち、待受状態のままSafariを開いてWebブラウジングをしたり、動画のアップロードなどの時間がかかる処理をバックグラウンドで行いながらゲームをしたりと、複数の機能を同時に利用できるようになる。

 起動中のタスクの切り替えは、ホームボタンの2度押しで呼び出せる専用画面で行う。この専用画面では、起動中のアプリが画面最下段に横一列に4つ表示されるので、任意のアプリをタップするだけで切り替えられる。アプリの一覧は左右にスクロールでき、4つ以上の機能が起動していても容易に切り替えが可能だ。

 なおタスクの終了方法に関するデモはなかったが、発表会後の質疑応答でスティーブ・ジョブズ氏が「スマートな方法を用意している」と語っている。

 マルチタスクで利用できる主な機能は以下の7つ。

  • バックグラウンドオーディオ
  • Voice over IP
  • バックグラウンドロケーション
  • プッシュ通知
  • ローカル通知
  • タスクの完了待ち
  • 高速アプリ切り替え

 バックグラウンドオーディオは、その名の通り別の機能を利用中に音声を再生しつつける機能。例えばインターネットラジオのクライアントで音楽を再生しながら、iTunesを開いて楽曲を購入したりできる。iPod機能以外のアプリでも音声のバックグラウンド再生が可能になるのが便利だ。

 Voice over IPは、SkypeなどのVoIP機能を備えたアプリを常駐させられるというもの。Skypeなら常時起動しておいて、ほかのアプリを利用しながら着信を受けられ、ポップアップ通知から通話に移行することが可能だ。

 バックグラウンドロケーションは、起動中のアプリで位置情報を取得できるもので、例えばナビアプリを起動しておけば、音楽を聴きながら音声ガイド機能を継続可能。位置情報は、正確ながらも消費電力の大きなGPS情報と、簡易的に大まかな位置が取得できる基地局の情報を用途に合わせて利用できる。位置情報の取得はアプリ単位で許可・拒否でき、位置情報を取得しているアプリは、ステータスバーに方位磁針型のアイコンを表示するようになっている。

 プッシュ通知はこれまで通り提供されるが、バックグラウンドで複数の機能を動かせるようになることで、Appleのサーバを利用しない通知も可能になる。これがローカル通知だ。テレビ番組の視聴予約をしておけば、10分前に画面上に通知を表示するなど、より手軽に通知機能が使える。

 もちろん複数の処理が実行できるため、動画のアップロードなど、処理に時間がかかるタスクも、バックグラウンドで実行させることでユーザーのストレスは減る。特定のアプリに画面を占有されることがなくなるので、時間を効率よく使えるようになる。

 高速アプリ切り替え(Fast App Switch)も用意した。バックグラウンド処理に移る際にアプリの状態を保存しておき、再度呼び出したタイミングでもとの状態に復帰する機能で、バックグラウンドに移したアプリのうち、動作し続ける必要がない機能は停止させる。バッテリーやプロセッサパワーを節約しつつ、素早いタスク切り替えを実現する。

「フォルダ」の提供で、インストールできるアプリが最大2160個に

 2つめの大きなトピックは、ホーム画面にフォルダが作れるようになったことだ。OS 3.0までは、ホーム画面にはアプリしか配置できなかったが、OS 4ではフォルダを作り、複数のアプリをまとめて格納できるようになる。たまにしか使わないアプリをフォルダに入れて整理することで、11ページのホーム画面がアプリのアイコンで埋め尽くされてしまうことがなくなる。

 1つのフォルダには12個のアプリが収納できるため、ホーム画面の全スペースをフォルダにすれば、最大2160本のアプリがiPhone上で管理できることになる。フォルダは任意のアプリを別のアプリのアイコンに重ねるだけで作成でき、フォルダに収納したアプリのカテゴリーなどから自動的にフォルダ名を付けることもできる。フォルダは画面最下部に常時表示されるドックにも配置しておける。

 またOS 4では、iPadのようにホーム画面に壁紙を設定することが可能になっている。壁紙は、待受画面とホーム画面で別のグラフィックを設定できる。

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