Internet Explorer 9“β版”発表会で知る最新の“動き”:「9」の時代はすぐそこ!(1/5 ページ)

» 2010年09月17日 11時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 Microsoftの次世代WebブラウザInternet Explorer 9(IE9)“β版”発表会が米カリフォルニア州サンフランシスコで9月15日(現地時間)に行われた。Webブラウザ単独の発表会というのも珍しいが、今回発表されたのは“β版”であって製品版でない。逆にいえば、それだけMicrosoftがIE9を重視しているということだ。

 Microsoftは、IE9の詳細を2010年3月にラスベガスで開催されたMIX10でも説明しているが、今回はその最新アップデートについてイベントで示されたライブデモを動画で“体感”しながら紹介していこう。

IE9はWindowsユーザーの意見を反映して作った

 3月のMIX10以降、IE9はデベロッパー向けに限ってプレビュー版が公開されてきた。「こいつだけ挙動が違う」といわれ続けるIEシリーズの開発における重要課題は、主要なWebブラウザ間での互換性強化で、「同じマークアップ言語で同じ表示」の実現を目指している。HTMLやCSSの解釈だけでなく、現在Webの世界で標準化が進んでいるHTML5+CSS3のサポートもその一環だ。

 MIX10ではVideoタグのサポートについて言及があったほか、当初SVGのみサポートされていたグラフィック描画形式が今ではCanvasタグを含むなど、ほかの主要なWebブラウザと同様のレベルまで広がっている。また、これまで競合製品に比べて「遅い」と言われていたパフォーマンスも改良されており、特にJavaScript実行エンジンに関しては、ベンチマークテストの結果でほかの主要Webブラウザとほぼ同じレベルにまで向上している。

 IE9の特徴でもう1つ重要なのがハードウェアアクセラレーションのサポートだ。グラフィックス描画をGPUで行うことで、オブジェクトなどの高速描画が可能になり、競合Webブラウザと比べてパフォーマンスの低下が減少して、アンチエイリアシングなどを利用するフォントのスムージング描画がCPUに負荷をかけずに行えるなど、さまざまなメリットをユーザーに提供できる。

 ただ、これらの“改善”がIE9を実行するシステムの環境に依存したことで、IE9の動作プラットフォームがWindows Vista以降に限定されるなど、ユーザー側にハードウェアとプラットフォームの変更を強いる可能性もある。

 以上が、これまでIE9に関して公開されてきた情報だ。

 では、今回行われたβ版発表会で何か新しい情報は出てきたのだろうか? 米MicrosoftコーポレートバイスプレジデントでIEチームリーダーのディーン・ハチャモビッチ氏は、IE9の設計について「Data Informed デザインになった」としている。Data Informedとは、「データに基づいた」、あるいは「データ中心の」という意味になるが、これは、これまでのユーザーのWebブラウザの利用パターンを集計した“データ”をIE9の開発に反映していることを示している。

 例えば、ブラウザ上方にある各種ツールバーやブックマークのリンクをクリックするユーザーはごくわずかである一方で、Windows 7に導入されたジャンプリストなどの機能を多くのユーザーが利用している。この“データ”を反映して、IE9はアドレスバーとナビゲーション、タブ以外のボタンを省いたシンプルなデザインにしたという。

 ハチャモビッチ氏は、「Webブラウザはあくまでコンテンツを上演するシアターのようなもの」と表現しているが、IE9ではその考えも反映して、表示するWebコンテンツに応じてボタンの色とデザインが変化する機能も取り入れている。

米Microsoftコーポレートバイスプレジデント 兼 IEチームリーダーのディーン・ハチャモビッチ氏(写真=左)。IE9のパワーを紹介するデモの数々。詳細は動画で見ていただくのが一番だろう(写真=右)

Webブラウザとはコンテンツを上演するためのシアター的な存在であり、あくまでも主役はWebサイトにあるコンテンツだ。Webサイトの基調色に合わせてIE9にあるボタンなどの色も変化することで、Webコンテンツの一部に同化するイメージを想定しているという

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