Internet Explorer 9はGPUで武装する:MIX10(1/2 ページ)

» 2010年03月18日 17時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 3月16日(米国時間)からβ版の提供が開始された「Internet Explorer 9」(以下、IE9)だが(配布サイトはこちら)、同じ日に米国のラスベガスで開催された「MIX10」で、MicrosoftはこのIE9の特徴を「パフォーマンス」と「標準への準拠」という面で訴求している。この記事では、MIX10で行われたパフォーマンスデモを紹介しながら、IE9の概要や特徴、そして標準対応など、IE9にまつわる数々の疑問をチェックしていく。

ハードウェアアクセラレーションでHTML5を高速描画

米MicrosoftでIEチームを率いるゼネラルマネージャのディーン・ハチャモビッチ氏。“nine”と描かれたIE9シャツに注目!

 パフォーマンスの指標として最近注目されているのが、WebKitが配布する「SunSpider」ベンチマークテストだ。JavaScriptの実行速度を測定するこのテストでは、Operaシリーズ、Google Chromeシリーズ、Safariシリーズという高速性を特徴とするWebブラウザがトップ3を占め、それをMozilla Firefoxシリーズが追いかけている。ある意味、IEシリーズはスピード競争から置いていかれているのが現状だ。IEシリーズは、標準準拠の指標となるベンチマークテストとして用いられる「Acid3」のスコアでも最も低い結果を出している。

 このように、IEシリーズは、スピードと標準準拠の両面で、競合するWebブラウザに大きく水を空けられている状態だ。この現状を打破するのが開発中のIE9に課せられた役割になる。

IE9のプレビュー。その右側に同じページをMozilla FirefoxとGoogle Chromeで表示し、どのような違いがあるかを比較している(写真=左)。パフォーマンス最適化のために、コードの改良だけでなく、Windowsのコアコンポーネントとの連携が強化されている(写真=右)

 米MicrosoftでIEチームを率いるゼネラルマネージャのディーン・ハチャモビッチ氏は、MIX10の2日目に行われたキーノートスピーチで、最近注目されている次世代HTML標準の「HTML5」への準拠を見据えたうえで、パフォーマンス面でIE9をどのように強化していくか、そして現状の達成度について報告した。

 HTML5時代を意識したIE9でセールスポイントの1つとなるのが「GPU-Powered HTML5」と呼ばれるハードウェアアクセラレーションを使ったレンダリングの高速化だ。実行には最新バージョンのDirectXが必須となるが、レンダリング処理をDirectXを介してそのままGPUに投げるため、強力なGPUを持つユーザーほど高速描画の恩恵を受けることができる。またマルチコアCPUを利用している場合、処理を各コアに分散して実行可能なため、例えば、HTML5の<VIDEO>タグを利用したHD動画再生などでもコマ落ちすることなく、スムーズにできるようになる。

現在のIE9でAcid3のスコアは55。“日々更新中”という(写真=左)。標準化に向けてIE9では数多くの試みを行っている。懸案とされていたHTML5などの標準対応もコミットしている(写真=右)

HTML5におけるGPUアクセラレーション対応(写真=左)、CSS3やDOMへの対応(写真=中央)、そしてScalable Vector Graphics(SVG)で提供される機能への対応(写真=右)など、IE9の開発バージョンの現状と将来への対応予定。標準準拠における対応の低さで批判されるIEシリーズだが、IE9では標準準拠へかなり近づくことになるようだ
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