Radeon HD 6800カードが好調に売れる様子を複雑な表情で眺めるショップは少なくない。新製品の登場がプラス材料とするなら、マイナス材料は従来製品の在庫の処遇だ。先週、Radeon HD 5000ファミリーのグラフィックスカードを値下げするショップが多くみられた。先週お伝えしたとおり、10月後半から現行製品の買い控えも発生している。
カード類の仕入れを担当している某店員氏は「AMDのグラフィックスカードはGPUの発表から少し間を置いて登場するのが常だったので、現行製品もこれまでどおりストックしていたんですよ。そこにきて、6870/6850がまさかの高速入荷。HD 6000ファミリーは価格も安いので、残っているHD 5000系も従来どおりの価格じゃ売れません。仕方がないので、赤字覚悟で値下げすることにしました」と悔しそうに漏らしていた。
特に値下げが目立ったのは、Radeon HD 5850搭載カードだ。多くのモデルが2万5000円前後から3万円で買えるようになっている。また、ミドルクラスで定番の人気があるHD 5770搭載カードも値下げ対象にするショップがみられた。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「HD 5000ファミリーの上位クラスは可能な限り下げていますね。発売から1年経って価格が落ち着いたこともあり、どうにかHD 6800に対抗できる状態にはできたと思います。HD 5000世代なら、メーカーの独自クーラーを搭載したモデルも多いですし、現在の価格なら悪くない選択肢でしょう」と語る。
クレバリー1号店は従来モデルならではのメリットもアピールする。「Radeonは初モノのドライバは不安定になりやすいという傾向があります。いろいろなゲームで使うなら、成熟したHD 5000系のドライバを使うほうが安心できるという側面はあると思います」と話していた。
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