先月登場したAMDの次世代GPU「Radeon HD 6800」シリーズに引き続き、NVIDIAからも新GPUが登場した。12月10日に発売されたのは、最上位GPU「GeForce GTX 580」を搭載したグラフィックスカードで、複数のパーツベンダーのモデルが一斉に店頭に並んだ。価格は5万円前後から6万5000円だ。
GeForce GTX 580は、400ファミリーと同じ製造プロセスを採用しており、従来の最上位だったGTX 480よりも「性能が1〜2割増しになって、消費電力は下がっています」(フェイス秋葉原本店)という。「劇的な技術や性能アップはありませんが、価格もそこまで高くないので良心的なラインアップだと思いますよ。発熱の低下も手伝って、リファレンスのファンも静かになっていますから。いわば“GTX 485”のようなこなれたGPUといえます」(同)と、ショップの反応は上々だ。
その優秀さから、発売当初は入手困難な状況が続くと予想された。TSUKUMO eX.は「GeForceで最強というのは間違いないですから、ハイスペック志向のユーザーに売れています。各社のカードが一斉に入荷しましたが、それぞれの数は少ないので、すぐに売り切れると思われます。再入荷は12月に入ってからでしょうね」と話していた。
しかし、発売直後の好調ぶりは半月を待たずに落ち着きをみせ、月末時点でもメーカーにこだわらなければ、アキバを回って複数のモデルが検討できるという状況になっている。T-ZONE.PC DIY SHOPは「意外と伸びなかったですね。まあ、FF14発売前にハイエンド系カードがたくさん出たので、そこでニーズがある程度満たされた感はあります。とはいえ、悪いGPUではないので、今後も安定した需要があるとは思います」と語った。
GeForce GTX 580と同時期に話題を集めたのは、ウエスタンデジタルから登場した3TバイトのSATA HDD「WD Caviar Green WD30EZRS」だ。2009年2月に2TバイトHDDが登場して以来、初めてHDDの最大容量を更新。8000円以下の2TバイトHDDが好調に売れるなか、2万3000円から2万7000円の価格で登場し、まずまずの売れ行きをみせている。
ただし、3TバイトHDDの容量をフルに利用するには、Windows 7/VistaでGPTディスクに設定する必要がある。Windows XP以前はGPTに非対応なので、XPマシンからはLAN上で見えないボリュームとなってしまう。また、GPTディスクをブートドライブにするには、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に対応したマザーボードが必須という条件も加わる。GPTに設定しない場合は、どのOSであれ、従来方式の限界値である2.19Tバイトまでしか認識されない。
そうした難易度の高さもコアな自作ユーザーを刺激したようで、ツートップ秋葉原本店は「自ら人柱になってチャレンジしようという方が率先して買われていきました。確かに、近い将来誰もがぶつかる可能性があるので、“人柱”のしがいがあるのかもしれません」と人気の理由を推測していた。
ウエスタンデジタルも障壁を少しでも下げるべく、月末に専用コントローラー搭載のPCI Expressカードを付属した「WD30EZRSDTL」を投入している。もとのWD30EZRSが半月で2〜3000円値を下げたこともあり、初登場時から2万6000円以下で出回った。
一方、日立GSTからも月半ばに3TバイトHDD「Deskstar 7K3000 HDS723030ALA640」が登場した。SATA 3.0に対応したドライブで、独自フォーマットにより、2.19Tバイトまでながら出荷時の状態でもWindows XPで利用できるといった特徴を備える。価格は2万1000円前後から2万5000円のあいだで、こちらもコアな自作層を中心に売れているそうだ。
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