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» 2010年12月13日 00時00分 公開

PCに天然素材のやさしさを:「U33Jc」実力診断――美しき“竹”ノートの世界に浸る (4/4)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ハイレベルでバランスの取れたパフォーマンス

電力設定機能にASUS独自の「Power 4 Gear Hybrid」を利用しており、各モードごとにカスタマイズした電源プランが用意されている。ここからもSHEのオン/オフの指定が可能だ

 ここからはベンチマークテストの結果を見ていこう。テストは基本的には標準状態で、SHEはオフ(Core i5-460Mのオーバークロック動作)、電源プランはWindows 7標準の「バランス」で行っている。

 U33Jcは電力設定機能にASUS独自の「Power4Gear Hybrid」を利用しており、その各モードごとにカスタマイズした電源プランが用意されている。ここからもSHEのオン/オフの指定は可能だ。

 ただし、条件がいろいろと複雑になるため、Power4Gear Hybridは使わず、OS標準の設定を利用している。Optimusの設定もデフォルトのままだが、自動的にIntel HD Graphicsが選択されるベンチマークテストはNVIDIA GPU(GeForce 310M)を指定した場合もテストし、スコアを併記した。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは左の画面の通り。Optimusの標準設定でAeroはCPU内蔵のIntel HD Graphicsを利用するため、グラフィックスの項目が少し低いものの、プロセッサのスコアは6.8と高く、オーバークロックの効果が感じられる。

 PCMark05のCPUスコアでは7853という高いスコアが出ている。以前にレビューした「U30Jc」(Core i5-430M、GeForce 310M)のスコア(6621)と比較してもかなり高く、やはりこれもオーバークロック効果がかなり大きいと思われる。

 PCMark VantageではIntel HD Graphicsが使われるが、総合スコアを見ると、あえてGeForce 310Mを指定するよりも高いスコアが出た。項目別で見ると、TV and MoviesではIntel HD Graphics、GamingではGeForce 310Mのほうがはっきりよいスコアが出ているが、それ以外はほぼ互角。さまざまな分野の処理内容をシミュレートする総合的なテストだけに、どちらがどうというのは難しいところだ。

PCMark05のスコア
PCMark Vantage(1024×768)のスコア

 3DMark06ではGeForce 310Mが自動で選択されるが、3389というスコアではやはり本格的なゲームプレイは厳しい。

 FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3はIntel HD Graphicsが自動選択されるが、スコアはGeForce 310M利用時のほうが圧倒的によい。これくらいの描画負荷のゲームが最もOptimusのメリットを感じられるといえる。デフォルトでIntel HD Graphicsが選択されるのは、NVIDIAのドライバに情報がないためだろう。

 グラフにはしていないが、ストリートファイターIVのベンチマークテストも試してみた。GeForce 310Mの場合で平均52fps(ランクB)と、十分遊べるレベルにある(1280×720ドット/垂直同期オフの設定)。ただ、やはりOptimusの自動設定ではGeForce 310Mを利用しない。基本的に国産のタイトルは、自分で指定する必要があると考えたほうがいいだろう。

3DMark06(1280×768)のスコア
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

バッテリー駆動時間、騒音、発熱のテスト結果は?

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。無線LANで常時接続し、BBenchの設定はデフォルトの「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」としている。電源プランは「バランス(バッテリー駆動時のディスプレイ輝度40%)」を利用した。SHEはオフ、つまりオーバークロック動作のままである。結果は334分(6時間34分)だった。公称値の約8.5時間がどの状態での駆動時間を示すのかはっきりしないが、それと比べて2時間弱短い。とはいえ、ヘビーなモバイル用途でなければ、十分な駆動時間だろう。

 静音性はまずまずといったところ。静かな部屋ではアイドル時でもファンの風切り音とHDDのアクセス音が聞こえるが、他にエアコンや家庭用ゲーム機などが動作しているような環境ではほとんど分からない。高負荷時にはファンの回転速度が上がり、それなりに風切り音も大きくなるものの、うるさいというほどでもない。ファンの回転速度の変化は緩やかで、頻繁に速度が変わって煩わしいようなことはない。

 発熱の処理は優秀だ。テスト時は室温が22度と少し低かったが、PCMark05と3DMark06を続けて実行して高い負荷をかけた後でも、キーボードの最高温度は31.5度と高温にならなかった。竹製のパームレストも30〜30.5度と低い温度に保たれていた。

騒音テストの結果
発熱テストの結果(PCMark05、3DMark06終了直後の温度)

電子機器と天然素材の見事な調和

 U33Jcの価格は10万9800円となっている。光学ドライブを内蔵しないモバイルノートPCとしては少し重いが、13型クラスのノートPCではハイレベルの性能を備えており、バッテリー駆動時間も長めだ。端子類の構成、入力環境や発熱の処理などを含めたノートPCとしての基本的な部分の仕上がりも不満はない。独自のオーバークロック/省電力機能、そしてボディデザインの付加価値まで含めると、なかなか買い得感がある。

 とにかく、U33Jcの魅力は竹を採用した高級家具のようなボディに尽きる。電子機器と天然素材が見事に調和したスペシャルな質感や手触りは、他のノートPCでは味わえない。この天然素材ならではの部分に魅力を感じるかどうかが、判断の大きなポイントだ。

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