「VAIO L」2011年夏モデルを試す(前編)――PS3もBRAVIAもつながる3D機能とは?“全部入り”PCの最前線(1/3 ページ)

» 2011年06月29日 11時20分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

ついに3D立体視にも対応、VAIOのプレミアムな液晶一体型

「VAIO L」標準仕様モデルの最上位機「VPCL229FJ/B」。実売価格は25万円前後

 ソニーの「VAIO」ブランドには、2タイプの液晶ディスプレイ一体型デスクトップPCが用意されている。1つが24型ワイド画面の「VAIO L」シリーズ、もう1つが21.5型ワイド画面の「VAIO J」シリーズだ。VAIO Lは単に画面サイズが大きいだけでなく、より高度なAV機能が備わったプレミアムなオールインワンPCに仕上がっている。

 2011年春モデルではテレビ機能の大幅な強化を中心に、ボディデザインも含めてフルモデルチェンジを果たしたが、2011年夏モデルは新たに3D立体視に対応した最上位機や、あえてテレビ機能を省いた下位機を用意するなど、ラインアップの幅をさらに広げてきた。

 今回は店頭販売向けの標準仕様モデルから、3D立体視を含めたいわゆる“全部入り”の最上位機「VPCL229FJ/B」を入手したので、機能や使い勝手をじっくり検証していこう。


フレームシーケンシャル&バックライトコントロールによるクリアな3D立体視表示

フレームシーケンシャル方式の3D立体視に対応。画面では映像がぶれて見えるが、アクティブシャッター方式のメガネをかけることで立体視が行える

 2011年夏モデルの目玉といえるのが、3D立体視への対応だ。意外に思うかもしれないが、VAIOシリーズのデスクトップ/液晶一体型モデルとしては初の3D立体視対応となる。VAIOシリーズ全体で初めて3D立体視に対応したノートPC「VAIO F」の2011年春モデルは、液晶ディスプレイを含めて3Dの画質に徹底して注力したモデルだったが、このVAIO Lも、そのVAIO Fには及ばないものの、画質面には強くこだわっている。

 3D立体視の方式には「フレームシーケンシャル方式」を採用している。液晶ディスプレイに右目用の画面と左目用の画面を交互に高速描画しつつ、それと連動してアクティブシャッター方式の3Dメガネが左右のレンズシャッターを交互に自動開閉することにより、左目と右目に違う画面を見せることで、3D立体視を行う仕組みだ。NVIDIA 3D Visionもサポートする。

 フレームシーケンシャル方式は、1画面に右目用と左目用の2種類の像を合成表示しつつ、偏光メガネで分離する偏光方式(ラインバイライン)に比べて、解像度を維持したまま立体視化できるため、画質面で有利なことに加えて、視聴可能範囲が広いというメリットがある。ソニーの「BRAVIA」をはじめ、多くの家庭用液晶テレビで採用しているほか、前述したVAIO Fの2011年春モデルも利用する方式だ。

詳しくは後述するが、付属のアクティブシャッター方式3Dメガネも新しいものになった

 一方、フレームシーケンシャル方式の弱点としては、高速な画面表示の切り替えとそれに同期したシャッター開閉が必要なため、液晶ディスプレイや対応メガネのコストがかかることに加えて、シャッターの開閉に伴い目に入る光量が減って暗く見えること、また左右の画像が混ざって見えてしまう「クロストーク」という現象が発生しやすく、3D映像の見づらさや目の疲れの原因になることなどが挙げられる。

 この弱点を解消するため、新型VAIO Lでは、BRAVIAやVAIO Fの3Dモデルでも採用されているLEDバックライトコントロール技術を採り入れている。左右の映像が描かれているときには白色LEDバックライトの発光量を増して輝度を確保する一方、左目用と右目用の表示の間にはいったんバックライトを消すことで、目の残像をリセットして、クロストークを軽減する。

 また、ネイティブ3D映像コンテンツの奥行きを液晶ディスプレイの画面サイズと視聴距離に適した奥行きに自動調整する「奥行き調整」機能も搭載。基本的にBlu-ray 3Dなどの3Dネイティブ映像コンテンツは、大型テレビでの視聴に合わせて作られており、PCの小さめな画面では焦点を合わせにくいようなことがあるが、これにより、VAIO Lの24型ワイド画面で見やすいような奥行き感に最適化してから表示してくれる。

タスクバーなどからアクセスできるユーティリティ「VAIOの設定」に、3D立体視関連の項目がまとめて用意されており、3D立体視機能の有効/無効や各種機能の設定ができる(画面=左)。ネイティブ3Dコンテンツの奥行きを液晶サイズと視聴距離に適した奥行きに自動調整する「3D奥行き調整」機能の設定も「VAIOの設定」から行える(画面=右)。「シミュレーテッド3D効果」は、ソニーの独自技術を利用した2D→3D変換機能で、この品質も高い

 ちなみに、VAIO Fの3Dモデルではこのバックライトコントロールや奥行き調整に加えて、通常の液晶ディスプレイ(60Hz)の4倍速(240Hz)のリフレッシュレートを採用して左右画像の間に黒い画面を高速描画することで、3D立体視のクオリティを高めていたが、3D対応VAIO Lの液晶ディスプレイはリフレッシュレートがPCのフレームシーケンシャル方式として標準的な120Hz(2倍速)となっている。

 実際に3D立体視を試したところ、VAIO Fの3Dモデルの立体視映像を見たときほど、クロストークの抑えられたキレがあるクリア感はなかったものの、輝度落ちやクロストークは気にならないレベルで、十分に良好といえるクリアな画質が得られており、目の疲れも少ない印象だ。偏光方式に対してはもちろん、フレームシーケンシャル方式の3D立体視対応PCとして見ても、かなり優れた画質を実現していると感じる。現行の液晶一体型PCの3D立体視としては、間違いなく最高レベルの品質にあるといってよい。


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