富士通の「FMV LIFEBOOK TH」は、2011年夏モデルから新たに富士通のPCラインアップに加わったスレート型PCシリーズだ。
THというシリーズ名には「Touch」「Thin」「Two Way」といった意味が込められているが、その名の通り、薄型軽量のボディにタッチパネル付きの10.1型ワイド液晶ディスプレイとキーボードを搭載し、スレート型(ピュアタブレット型)とノート型の2つのスタイルで利用できる「ハイブリッドモーション」を実現している。
同シリーズのラインアップは、TH40/Dの1モデル展開だ。2011年5月13日の発表当初は6月下旬の発売予定だったが、その後7月22日に発売日が延期された。価格はオープンで、同社直販の「WEB MART」で7万9800円となっている。
PC USERでは発表当初の試作機で写真&動画レビューを掲載したが、改めて製品版を入手できたため、性能や使い勝手を中心に検証していこう。
スレート型スタイルとノート型スタイルを使い分けられる、いわゆるコンバーチブル型タブレットPCは昔から各社が取り組んできたが、こうした製品はちょっとゴツくて重いイメージが強いかもしれない。実際、液晶ディスプレイを回転させて利用スタイルを切り替えるタイプは、ヒンジの強度などを確保するためにどうしてもボディが厚く、重くなりがちだ。
だが、TH40/Dのボディは274(幅)×188(奥行き)×17.4(高さ)ミリとB5サイズのフットプリントで、特に17.4ミリという薄さが際立っている。重さも約1.1キロにおさまっており、10型クラスの液晶を搭載した小型軽量モバイルノートPCと変わらない程度だ。実測では1011グラムと公称値を下回った。
さすがにアップルのiPad 2など、最新のiOS/Androidタブレットと比べてしまうと大きめに見えるが、この画面サイズのモバイルノートPCとしてはかなり薄型軽量に仕上がっており、気軽に携帯できる。単体のタブレットと外付けキーボードを持ち歩くよりはよっぽどスマートだろう。
コンバーチブル型タブレットPCとしては画期的ともいえる薄さを実現しているのは、TH40/D独特の「ハイブリッドモーション」によるところが大きい。画面部分とキーボード部分の2層構造となっており、薄型のアームで接続されている。アームをたたんでキーボード部分の上に画面を重ねて使えばスレート型スタイルに、アームを立ててキーボード部分に画面を立てかけて使えばノート型スタイルとなる構造だ。
2つのスタイルの切り替えギミックは実にスマートで、たたんだ状態から画面をスライドさせるとアームが自然に立ち上がるようになっている。この仕組みについては文字で説明するよりも、こちらの写真&動画レビューを見ていただくほうが分かりやすいだろう。
アームの剛性感は十分で、駆動部分の精度もしっかりしている。キーボード部分と画面部分の重量バランスも適度で、どちらのスタイルで利用してもガタつきやグラつきなどは感じない。
ボディに内蔵するリチウムポリマーバッテリーの容量は23ワットアワーで、公称のバッテリー駆動時間は約6時間とされている。バッテリーパックの着脱はユーザーが行えない仕様だ。
付属のACアダプタは、実測で本体部のサイズが36(幅)×86(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量が146グラムと小型軽量だ。ただし、電源ケーブルは3ピンで太く長いものが添付され、このケーブル込みの総重量では312グラムと少しかさばる。
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