安く広くに突き進んだ8月のアキバ5分で分かった気になるアキバ事情(2/2 ページ)

» 2011年09月07日 08時00分 公開
[古田雄介(ぜせ),ITmedia]
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低消費電力メモリや最速志向のUSB 3.0カードなど

コルセア「VENGERNCE LP CML8GX3M2A1600C9W」

 値下がりが注目を集めるDDR3メモリだが、省エネタイプのラインアップも一部で話題になっている。月末には、コルセアのDDR3-1333の8Gバイトキット「VENGERNCE LP CML8GX3M2A1600C9W」が7000円前後で登場。通常1.5ボルトで動作するところを、条件がそろった環境下では1.35ボルトに抑えられるLPタイプのメモリとなる。パソコンハウス東映は「デスクトップ向けではまだ浸透していませんが、ノートPC向けから徐々に増えていくと思います」と語る。

 レガシー系アイテムでは、USB接続のFDD「OWL-EFD/U」が静かにデビューしている。1.44Mバイトの2HDメディアに対応するドライブで、価格は3000円弱。入荷したTSUKUMO eX.は「最近はFDD用のベイを省いたPCケースが多く、内蔵する人も減っています。それでも何かの際にFDDが必要になる場合があるので、外付けのFDDは根強いニーズがあるんですよね。ただ、安定して供給できるモデルが意外と少ないので、今後はOWL-EFD/Uがその座にいてくれればと期待しています」と話していた。

 月後半に登場したコンパクトフラッシュリーダーの「91689」も、ハイアマチュア以上のカメラマンに注目されているという。Power eSATAとeSATA、USB 2.0の3通りの接続が選べる仕様で、eSATAを使えば外付けで現行最高クラスの転送スピードが確保できる特徴だ。価格は3000円弱。

 パソコンハウス東映は「容量の大きなRAWデータでもサクサクコピーできます。PC備え付けのCFリーダーでも内部ではUSB 2.0接続となっている場合が多いので、より高速性を求めるなら強い味方になると思いますよ」とプッシュしていた。

 また、同店では月半ばに入荷したHighPointのPCI Express x4カード「RocketU 1144A」もコアな人気を博していた。USB 3.0ポートを4基備えたカードで、1基ごとにUSB 3.0コントローラーを搭載しているのが特徴。PCI Express x4のバス幅をフルに使って、USB 3.0の上限となる500Mバイト/秒の速度が4ポート同時に出せるという。価格は1万円弱だ。「順調に普及しているUSB 3.0ですが、PC側で速度の上限を抑えている場合がまだ多いです。高価なカードですが、対応機器を最大速度で使いたいという人に注目されています」とのことだ。

オウルテック「OWL-EFD/U」(写真=左)。DeLOCK「91689」(写真=中央)。HighPoint「RocketU 1144A」(写真=右)

最安のZ68 Mini-ITXマザーや、A75初のMini-ITXマザーが登場

ASRock「Z68M-ITX/HT」

 1カ月を通して、Mini-ITXマザーは話題作がコンスタントに登場している。8月初旬に登場したのは、ASRockのZ68マザー「Z68M-ITX/HT」。それまでに出回っていたMini-ITXサイズのZ68マザーの最安値、2万円を大きくした回る1万2000円弱の価格から、入荷後すぐにヒット作となった。

 ドスパラ パーツ館は「デスクトップ向けメモリが挿せる、いたってスタンダードな構成です。Mini-ITXながら、SSDのキャッシュ化やCPUの倍率可変も当然できるので、Z68のフル機能が楽しみたい人にもオススメですよ」と話していた。

 しかし、その最安値は月後半に出回りはじめたGiadaの「MI-Z68」が更新する。価格は1万1000円弱だ。デスクトップ向けのDDR3メモリスロットのほか、mSATAスロットとmini PCI Expressスロットを個別に用意しており、無線LANアダプタなどとキャッシュ用のSSDが併用できる構成となっている。

 PC DIY SHOP FreeTは「メーカーの知名度はまだまだですが、細部の作りはしっかりしています。COMポートコネクタを付属するというちょっと不思議な構成ではありますが、マザー自体は一般的な仕様なので、汎用的に利用できると思います。Z68M-ITX/HTのライバルとなり得るモデルでしょう」と分析する。

 一方、AMD系でもMini-ITXで話題作がデビューしている。月中旬に登場したASRockの「A75M-ITX」で、価格は9000円弱。デスクトップPC向けのFusion APU「A6/8」に対応するA75マザーでは初のMini-ITXサイズとなる。TDP 100ワット以下のAPU(CPUとGPUの統合プロセッサ)に対応しているため、ちょうどTDP 100ワットとなる現行APU「A8 3850」と「A6 3650」がどちらも装着可能だ。

 クレバリー1号店が「Fusion APUは描画性能が高いので、グラフィックスカードなしでも普通にゲームが楽しめます。つまり、安くてパーツ点数の少ないマシンが組めるわけで、前からMini-ITXマザーを求める声はあったんですよ」と語るとおり、いくつかのショップでは発売後まもなく売り切れとなるほどの反響があった。

Giada「MI-Z68」(写真=左)。ASRock「A75M-ITX」とそのPOP(写真=中央/右)

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