“Ivy Bridge”で自作を始めたいあなたに勧める“PCパーツ購入指南”イマドキのイタモノ番外編(2/4 ページ)

» 2012年07月06日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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メモリはスピードの規格と枚数の単位に注意

今回は2GバイトのDDR3-1600モジュールを2枚セットにした「ELIXIR W3U1600HQ-2G」を選んだ

 システムメモリで、Core i7-3770Kと組合せるのは、「DDR3-SDRAM」で、「240ピンDIMM」となる。さらに「Unbuffered」という規定もあるが、要は一番ポピュラーな規格のメモリを選んでいる。デスクトップPC用メモリといえば、だいたいがこの規格に対応する。まれに、マザーボードによってはノートPC用のメモリを用いるものもあるが、そうした製品は注意書きがある。

 メモリ規格の次に注目したいのが“スピード”だ。今回使うメモリは「DDR3-1600」と表記しているが、1600という部分がスピードを示す。これより遅いDDR3-1333や、逆に速い「DDR3-1866」などもある。Core i7-3770Kがサポートしているのは、DDR3-1333やDDR3-1600だが、遅いものを選ぶ理由もなく、速いDDR3-1600を選んでおけばいい。価格は高くなるが、DDR3-1866を選んでも問題はない。DDR3-1866はDDR3-1600としても動作させることができる一方で、DDR3-1866をDDR3-1866として利用することも「不可能ではない」。ただ、CPUに統合するメモリコントローラのサポートを超える速度であるため、この設定を選んだ場合に発生する不利益や損失は自分で責任を負うことになる。

 用意するメモリ容量も迷うところだ。「使うアプリケーション次第だ」とは、よくいわれているものの、これでは分かりづらい。ここでは、最低で4Gバイト、そして、できれば8Gバイト以上を用意することを勧めたい。最近ではWebブラウザでも1Gバイトや2Gバイトは簡単に消費してしまう。また、メモリの実売価格は安くなっているので、大容量を用意してもコスト負担はそれほど大きくない。

 2枚セットのパッケージを選ぶ理由は、現在のCPUでは2枚単位のデュアルチャネルや3枚単位のトリプルチャネル、4枚単位のクアッドチャネルなど、複数のメモリを1つの単位として高速に動作するようになっているからだ。今回のCore i7-3770Kがサポートしているのはデュアルチャネルで2枚単位でメモリにアクセスすることで、1枚を組み込んでいる状態より倍の転送速度を発揮する仕組みだ。もちろん、1枚のメモリでもPCは動くが、8Gバイト1枚より、4Gバイト2枚を組み込むのが、コストの面でも性能の面でも有利だ。また、最近では1枚単位での販売は減ってきており、2枚単位や3枚単位をセットにしたパッケージが一般的となっている。

オーバークロックはしなくても、ハイエンドマザーは信頼の担保

GIGABYTEのIntel Z77チップセット搭載マザーボードで、ハイエンドに位置するのが「GA-Z77X-UD5H」だ。高品質、省電力、多機能を特徴とし、Wi-FiやBluetooth機能も利用できる

 製品の選択で一番悩むのがマザーボードだ。PCでは、利用するCPUによってマザーボードに搭載する「ソケット」が異なる。今回搭載するCore i7-3770Kは、「LGA1155」だ。そこで、まずLGA1155に対応するマザーボードが候補になるが、その次に選ぶことになるのが、マザーボードの基幹ともいえる「チップセット」になる。

 多くの場合、同じCPUソケットに対応するチップセットが数種類存在する。LGA 1155に対応するチップセットも、主要なものを挙げても、ハイエンド向けの「Intel Z77 Express」、メインストリーム向けの「Intel H77 Express」、ローエンド向けに「Intel B75 Express」などと分かれている。ただ、初めてPCを自作するユーザーには、Intel Z77 Expressか、Intel H77 Expressを勧めたい。特に、PCの利用目的をはっきりと確定していない場合は、多機能なIntel Z77 Expressを選びたい。

 Intel Z77 Expressはハイエンドモデルだけあって、それより下位のチップセットでカバーする機能がすべて利用できる(ほとんど使わない機能も含めて……)。何かの機会に「あれを試してみたい」と思いついても、大抵のことには対応できるので、「ああ! あのときあれを買っておけばよかった……」と後悔することもないはずだ。

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