既報の通り、Samsung Electronicsは韓国ソウルにてSSDの新製品「Samsung SSD 840 PRO」と「Samsung SSD 840」を発表した。ここでは製品発表に先立ち、次世代SSDの展望が語られたセッション(Next Generation SSD)の様子をお届けする。
登壇したKeunSoo Jo氏は、SSDの歩みを振り返ったうえで、現在のSSD技術はすでにSerial ATA 6Gbpsのインタフェース速度がボトルネックとなるレベルに達しており、インタフェースの性能向上が急務だと指摘。近い将来にPCI Expressへと移行するための準備段階に入ってきていることを紹介しつつ、Samsungも来年にはPCI ExpressインタフェースのSSD製品を紹介できると予告した。
また、NANDフラッシュの集積度が限界に近づいており、集積度が高まるにつれ、技術のハードルも上がることから、耐久性(書き換え可能回数)が低下していることに言及。コントローラやソフトウェア技術の洗練も含めて業界全体で取り組んでいく必要性があるとしたうえで、NANDフラッシュメモリと管理を行うコントローラをともに内製するSamsungの垂直統合モデルのアドバンテージを強調した。さらに、3DNAND技術やPRAM、MeRAMといった次世代メモリの研究を進めていることも紹介した。
次世代SSDセッションの前に行われたメモリビジネスセッション(Samsung Memory Business Overview)では、Jeffrey Hale氏が登壇。メモリモジュール、DRAM、NANDフラッシュメモリ、SSDと、メモリに関連する4カテゴリでトップシェアを続けていることを紹介し、同社のメモリ業界におけるリーダーシップをアピールした。
SSDに関しては、OEMマーケットでは55%という高いシェア(売上高ベース)を誇り、PCのトップ10メーカーの2/3以上がSamsungのSSDを使っているという。
競合に対して、Samsung SSDが最も差別化できる特徴としては、ファームウェア、NANDフラッシュメモリ、コントローラ、DRAMすべてをSamsungが生産している垂直統合モデルを強調。エンジニアが相互に協力できるような環境を整えており、最新の技術を反映した製品を素早く開発できると主張した。
さらにSamsung SSDには、選別した最高級のNANDメモリだけを採用しているため、品質面も極めて優れていると力説するとともに、これからはリテールマーケットへ力をいれていくと宣言した。
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