第6回 自宅でのデュアルディスプレイとR632/W1の動画再生能力を改めて検証モバイラーが選んだ「dynabook R632」(2/2 ページ)

» 2012年10月10日 17時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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フルHDのMPEG-4 AVC再生も、(あたり前だが)スイスイこなせる

 一方、CPU統合グラフィックスのUltrabookに別途ディスプレイを接続し、拡張ディスプレイとして活用するとなるとパフォーマンス面に影響があるかもと気になる人はいるかもしれない。昨今、外付けとして活用するであろう液晶ディスプレイはたいていフルHD(1920×1080ドット)以上と思うが、単にWebサイトやツールパレット類の表示程度ならともかく、拡張ディスプレイ側のH.264動画再生なども大丈夫なのだろうか。

 ……この点に関しては、まったく問題ない。Windows 7を含むVista以降は、デスクトップでの2D描画もすべてグラフィックスチップの3Dアクセラレーションを使うようになっているので、外部ディスプレイを接続してデスクトップを拡張しても体感できる描画パフォーマンスに影響しない。少なくともCPU統合グラフィックスがより強化された第3世代のCore i5(Intel HD Graphics 4000)を搭載する本機であれば、心配は不要だ。

 でも、一応チェックしておこう。

 本機にプリインストールするDLNAクライアント「RZプレーヤー」(正確には無償アップグレード後のRZスイート expressのRZプレーヤー express)とWindows標準のWindows Media Playerを利用し、フルHD解像度動画ネットワーク再生時のPC負荷状態を確認した。

 動画素材はDTCP-IP対応NASに保存するビットレート約25Mbps/1920×1080ドットのMPEG-2データ(BSデジタル放送)、ビットレート約8M〜12Mbps/1440×1080ドットのMPEG-4 AVC/H.264データ(スカパー!HD放送)、ハイビジョンDVカムで撮影した動画を8Mbps/1920×1080ドットのDivX 6.8でエンコードした動画データの3つ。放送はRZプレーヤー、DivXデータはWindows Media PlayerのDLNA機能で再生した(接続はギガビット有線LAN)。

photophotophoto 左から、MPEG-2のDLNA再生(LAN経由での再生)時、MPEG-4 AVCのDLNA再生時、DivXのDLNA再生時のCPU使用率

 それぞれのCPU使用率は、MPEG-2が25%前後、MPEG-4 AVCが30%前後、DivXで15%前後になった。こちら、DTCP-IPによる仕様制限により著作権保護が施された放送データは拡張デスクトップ環境では再生できないため、表示を外部ディスプレイのみにしているが、ウインドウ表示でもフルスクリーン表示でもCPU使用率はほとんど変わらなかった。

 なお、MPEG-4 AVCは2012年現在も一般ユーザーが扱う動画コーデックとして“重たい”部類であり、加えてLAN経由での再生である。ということで、動画再生においてはこのくらいのCPU使用率程度で済むと考えてよいことが分かる。MPEG-2かMPEG-4 AVC、どちらを再生しながらでもほかの作業はスイスイこなす余裕は十分にあるわけだ。

 さて、このようにMPEG-2やMPEG-4 AVCはCPU統合グラフィックスの再生支援が有効に機能する。それに対しDivXは効かないはずなのだが、さほど重くはないデータのためか、結果的にはもっともCPU使用率は低かった。この結果を見る限り、2012年現在は主流ではない過去にエンコードした動画データも、外部ディスプレイを使ったからといって何ら変わりはないといえる。

photo YouTubeのフルHD動画ストリーミング再生時のCPU使用率

 最後に、Web再生でかなり重たいとされるYouTubeのフルHD動画も確認したが、こちらは平均10%も行かないほどだった。こちらもコーデックはMPEG-4 AVC/H.264のはずなのでグラフィックス機能の再生支援が効いているようだ。

 このように、家庭内におけるPC利用の範囲であれば本機に外部ディスプレイを接続し、デスクトップPCの代替として使ってもまず不満を感じることはない。

 もちろんこれまで使っていたPCは捨ててしまうのではなく、ディスプレイを共用しつつ、エンコードなどの重く時間のかかる処理をほかのPCに任せて──という2台、あるいは複数台使いのスタイルもお勧めだ。作業効率をより高めつつ、R632/Wのおいしい部分をより活用できるようになる方法の1つである。


東芝ダイレクト



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