GeForce GTX TITANでは、自動オーバークロック機能「GPU Boost 1.0」を改良した「GPU Boost 2.0」を実装した。GPU Boost 1.0では、駆動電圧に余裕がある場合にその上限“近く”まで駆動電圧を上げてGPUコアの動作クロックを動的に上げていた。GPU Boost 2.0では、駆動電圧の上限をさらに上げることで、動作クロックの上限も引き上げている。
NVIDIAが示す、動作クロックと駆動電圧の関係では、GPU Boost 2において、駆動電圧とGPU温度の上限を引き上げたほか、その上限を超えた駆動電圧の設定「OverVoltage」によって、さらなるオーバークロックを実現する。また、実際の動作において、オーバークロックの自動設定で最も多くの時間がGPU BoostではBoost Clockを下回るあたりになっていたのが、GPU Boost 2.0では、Boost Clockにより近いレベルにシフトした。
なお、新たに設けたVmaxまで到達する「OverVoltage」設定は初期状態では無効になっている。ユーザーは、システムが表示するダメージリスクに関する警告を許諾することで、OverVoltage設定を有効にできる。また、Overvoltageのサポートはオプション扱いで、PCベンダーによってBIOSレベルで無効にすることも可能とNVIDIAは説明している。


GPU Boost 1.0とGPU Boost 2.0における駆動電圧とGPUコア動作クロックの関係。GPU Boost 2.0では、駆動電圧の上限をさらに引き上げて、より高い動作クロックを可能にしている

GPUのコアクロックとその設定で動作する割合の関係。GPU Boost 1.0ではBoost Clockより下の設定が最も多かったが、GPU Boost 2.0では、Boost Clockが最も多くなるようにチューニングし、さらにMax Clockの設定も引き上げている温度変化の傾向もGPU Boost 1.0とGPU Boost 2.0では傾向が異なり、目標温度の80度を中心になだらかな山を描いているGPU Boost 1.0と比べて、GPU Boost 2.0では、同じ80度を中心にしながらこの温度に集中したピークを描くようになった。これは、ユーザーの設定で目標温度を変更した場合も同様で、同じカーブを描きながらピークが変更した温度にシフトする。
また、GPU Boost 2.0から導入したDisplay Overclockでは、垂直同期を有効に状態で、目標とする同期クロックを設定すると、GPUのレンダリングにおけるフレームレートに合わせて、垂直同期クロックをアップできるようになった。


Display Overclockでは、垂直同期を有効にした状態でも、GPUのレンダリングフレームレートに合わせて垂直同期を引き上げることが可能になる。GPU Boost 2.0では、GPUに負担のかかるオーバークロック設定も可能になるが、これらの機能を有効にするにはユーザーがそのリスクを理解した上で利用するほか、PCメーカーがこの機能を無効にする選択も用意している
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