「VAIO Pro」を“徹底解剖”して見えた真の姿VAIO完全分解&開発秘話(後編)(4/7 ページ)

» 2013年08月13日 15時45分 公開

Uシリーズの省電力設計に、VAIO独自の工夫をプラス

 次に、第4世代CoreのUシリーズで最大の特徴といえる省電力設計だが、CPUのダイとチップセットのダイを1つのBGAパッケージに統合したうえで、TDP(熱設計電力)を2チップ構成だった第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)の17ワット(CPU、GPU)+4.1ワット(チップセット)から、15ワット(CPU、GPU、チップセット合計)まで一気に引き下げつつ、実装面積の削減も果たしている。

 また、C8〜C10というCPUの新たなアイドルステート、およびS0ix(S0i1/S0i3)というチップセットまで含めたシステムレベルのアイドルステートをサポートしており、大幅な省電力化が可能となった。Intelによれば、同じ22ナノメートルプロセスルールを採用する第3世代Core搭載システムに比べて、バッテリー駆動時間を約1.5倍延長することが可能としている。

 こうした省電力効果はLTR(Latency Tolerance Report)と呼ばれる割り込みを最適化するための仕組みや、それに対応したデバイスの搭載など、メーカーの作り込みに最終的なスタミナが影響される部分も大きい。

液晶ディスプレイを閉じた状態では、従来より深いCステートに移行し、消費電力を抑える

 小坂氏は「CPUのより深いCステートに長く入っていられるように、LTRをサポートするデバイスをしっかり選定している。液晶ディスプレイをオフにして、グラフィクスが動かない状態になれば、新しいC8〜C10のステートに移行していく。また、従来からサポートしていたC7ステートについても、レイテンシのコントロール改善やチップ自体の省電力化により、アイドル時の消費電力が抑えられている。これによって、JEITA測定法やMobileMarkといったバッテリーベンチマークテストでも長時間を記録しているので、ユースケース的にはC8〜C10ステートより大事だと思う」と解説する。

 さらにVAIO独自の省電力化としては、カスタムで起こした電力効率のよい液晶ディスプレイ(詳しくは後述)と、電源回りの設計が挙げられる。電源については、「電源回路はAC入力が10.5ボルトと、入力の低電圧化ができており、内部の電圧レギュレータを1段で構成可能ということで、DC/DC変換のロスを抑えた。また、電源回路を最も消費電力の高いCPU部分のレイヤーで何も考えずに載せてしまうと、ピーク電力時だけ効率がよくなってしまうので、消費電力が低いアイドル時でも効率がある程度よいものをしっかり選定し、バッテリーライフを延ばすことに注力した」(小坂氏)という。

Intel Smart Connect Technologyの実装にも一工夫

 VAIO Proは、同時発表の「VAIO Duo 13」と違って、Windows 8のConnected Standbyはサポートしていないが、これに近いオールウェイズ・コネクテッド(常にネットにつながっている)な体験が得られる「Intel Smart Connect Technology」を利用できる。

 これはあらかじめ設定した更新頻度(初期設定では15分ごと)に従って、スリープ時から復帰し、メールやカレンダーなどのアップデートを行った後、自動的にスリープに戻る仕組みだ。深夜などあまり使わない時間帯を指定し、システムを自動的に休止状態へ移行させることで、コンテンツを定期的に更新しながら7日以上のバッテリーライフを実現できる、といったVAIO独自の実装もしている。

 なお、Intel Smart Connect Technologyを使用しない場合、液晶ディスプレイを閉じた状態で1日経過すると、スリープから休止状態に自動で移行する。この状態では電力をほとんど消費しないため、相当な日数でバッテリーが持つという。

 小坂氏は「1日使わなかった場合でもスリープ状態を維持する設計にすれば、1秒で即復帰できるが、バッテリーが長持ちしない。それよりは、1日たったら休止状態に移行して、バッテリーが長持ちしたほうが便利だと考えた。VAIO Proは、休止状態からの復帰も5〜6秒とかなり高速なので、このような仕様にした」と語る。

スリープ中にインターネット接続し、情報を自動更新する機能「Intel Smart Connect Technology」に対応する(画像=左)。情報更新の頻度を変えたり、深夜に情報更新をやめて休止状態へ自動的に移行するといった設定も可能だ(画像=中央/右)

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