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» 2015年06月01日 07時00分 公開

COMPUTEX TAIPEI 2015:GTA Vが4K&最高画質で快適に動く! 「GeForce GTX 980 Ti」の“微妙”な立ち位置を考察する (3/3)

[石川ひさよし,ITmedia]
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4Kで遊べる! それも高画質設定で!

 GeForce GTX 980 Tiの性能検証では、GM200同士の比較としてGeForce GTX TITAN Xを用意したほか、買い替えユーザーのための指標としてGeForce GTX 680も測定した。また、GeForce GTX TITAN Xのレビューで測定した“無印”980のデータも引用する。評価用機材のシステム構成は以下の通りだ。

評価用機材の主な構成
CPU Core i7-4790K(4GHz/最大4.4GHz、4コア8スレッド、3次キャッシュメモリ8Mバイト)
システムメモリ DDR3-1600 8Gバイト×2枚
マザーボード MSI Z97M GAMING
チップセット Intel Z97 Express
ストレージ Crucial MX200(Serial ATA 6Gbps、1Tバイト)
電源 Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000ワット)
OS 64ビット版 Windows 8.1 Pro Update

 「3DMark」は、FireStrike Ultraを追加した代わりに、ハイエンドGPUではあまり関係のないIce StormのノーマルとExtremeテストを省いている。GeForce GTX 980 Tiの結果は、TITAN Xとほぼ同等といってよいだろう。高負荷のテストでは、TITAN Xのスコアがやや高いが、その差はごく小さい。一方、“無印”980と比較すると、比較的大きな差が確認できる。GeForce GTX 680と比較すると、FireStrike以降の高負荷テストで2倍以上のスコア差となる。

3DMark v1.3.708(Overall)

3DMark v1.3.708(Graphics)

3DMark v1.3.708(Physics)

3DMark v1.3.708(Combined)

 「Unigine Heaven Benchmark」では、GeForce GTX 680は紙芝居のような映像となり、途中でエラーを発生してしまう。GeForce GTX 980 TiとTITAN Xとの比較では、計測した3パターンの解像度でTITAN Xが高いフレームレートを示している。“無印”980との差は1920×1080ピクセル設定で20fps近くある。GeForce GTX 680とはここでも2倍以上の開きがある。

Unigine Heaven Benchmark 4.0(Quality:Extreme)

 最新タイトルで負荷も高いゲームタイトル「Grand Theft Auto V」のベンチマークテストでは、設定可能な項目すべてを高負荷に設定した条件で測定している。なお、“無印”980は未計測なので省いている。この測定結果でも、最も高いフレームレートを出すのはGeForce GTX TITAN Xだ。ただし、GeForce GTX 980 TiとTITAN Xとの差は1fps程度なので、オーバークロックの設定次第で逆転する可能性は高い。

 GeForce GTX 680は、1920×1080ピクセル設定なら半分程度のスコアにとどまるものの、30fpsを超えているのでプレイは可能だ。しかし、4K解像度設定ではフレームレートが落ち込む。今回の検証作業では、グラフィックスメモリを4K解像度時で5.5Gバイトほど消費する計算で、2Gバイトしか載せていないGeForce GTX 680では動かすことに無理がある。同様に、“無印”980もグラフィックスメモリが4Gバイトなので足りない。GTA Vを4K解像度と最高画質で動かすなら980 TiかTITAN Xが必須といえる。

Grand Theft Auto V(Quality:MAX)

 Battlefield 4の測定でも画質プリセットを「最高」にしてテストしている。GeForce GTX 980 Tiのポジションは、TITAN Xから1〜2fps低い程度の差でしかない。最高画質で、4Kはプレイ可能だが60fpsは満たせないので画質プリセットを1段階落とすのが望ましいだろう。WQHD設定では問題なくプレイできる。なお、GeForce GTX 680は4K設定でエラーを生じて計測できず、やはり力不足の印象だ。

Battlefield 4(Quality:Ultra)

 トゥームレイダーとThiefは似たような傾向だ。GeForce GTX 980 TiとTITTAN Xとの間には明確な差が出た。ほかのテストと比べれば違いはやや大きい。とはいえ、こちらの差も体感的に明らかに違うと認識できるほどではない。Thiefの4Kテストではほぼ互角の結果が出ている。このクラスのゲームタイトルであれば、30fps出ていれば快適といえるので、4K解像度と最高画質設定でのプレイも実用的だ。もっとも、“無印”980でも4K解像度と最高画質設定で動作可能だ。とはいえ、GeForce GTX 680では4K設定でフレームレートの落ち込みが大きい。これもグラフィックスメモリの容量不足が原因といえるだろう。

トゥームレイダー(Quality:Ultimate)

 ファイナルファンタジーXIVでは新しいベンチマークテストを公開しているのでこちらも試してみる。まず、従来からのファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編を最高画質としたテストでは、スコアの差でGeForce GTX 980 TiとTITAN Xとは200〜400ポイントだった。フレームレートで見ると最大3.5fps程度になる。そのフレームレートも、1920×1080ピクセル設定で183.685fps、4K解像度設定で58.519fpsなので、プレイは快適だ。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編(Quality:最高品質)

 一方、最新のファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークでは、DirectX 11に対応したテストが可能となった。こちらもプリセットから最高品質を選んだ上で、DirectX 11関連設定をカスタマイズして最も負荷の高い設定で測定している。“無印” 980とTITXN Xとの差はバラつきが見られたが200〜700ポイント差でフレームレートでは4.5fpsの開きとなった。フレームレートは1920×1080ピクセル設定で117.112fps、4K解像度設定で39.027fpsなので、プレイは快適であるし、高リフレッシュレートのゲーミング液晶ディスプレイとの組み合わせも視野に入る。

 GeForce GTX 680に関しては、新生エオルゼア ベンチマークの最高品質画質であれば4K時で28.601fpsと、ギリギリプレイできるフレームレートが出たものの、蒼天のイシュガルド ベンチマークでDirectX 11機能を加えると、15.724fpsに落ちる。これでは4Kプレイは厳しい。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(Quality:MAX)

 消費電力に関しては、GeForce GTX 980 TiはTITAN Xとほぼ同じで、これは仕様通りといえる。また、“無印”980とGeForce GTX 680もほぼ同じだ。Maxwell世代における電力効率の高さがよく分かる。その上で、電力枠が1段階のクラスは、それに見合ったフレームレートを発揮していることになる。

消費電力(電力設定:バランス)

TITAN Xより手ごろなDirectX 12 Ready GPU

 ベンチマークテストの結果から分かるように、GeForce GTX 980 Tiは、4Kクラスの高解像度環境でゲームを実用的なフレームレートで動かすためのGPUといえる。いくつかのゲームタイトルに関しては、画質設定を最高画質から落とさなければ60fpsの確保が難しいものの、それでもプリセットの高画質(中画質の上)は維持できるだろう。CUDAコアの多さ、384ビット幅のメモリバス、さらに6Gバイトというグラフィックスメモリ容量が、4Kクラスの最高画質でゲームを動かすうえで重要な条件であることがよく分かった。この条件はマルチディスプレイ環境でも重要となってくるだろう。

 GeForce GTX TITAN Xという上位GPUもあるNVIDIAのGPUラインアップにおいて、TITAN Xは「スーパーカー」で、980 Tiはメインストリーム向け(メインストリームセグメントとは意味が異なる)の最上位GPUとNVIDIAは説明している。

 グラフィックスカードの実売価格はTITAN Xを載せたモデルで10万円台半ばなので、GeForce GTX 980 Ti搭載モデルは700ドル台、このところの為替を考えると、10万円前後という価格帯になるだろう。

 Windows 10の対応も気になる時期だ。第2世代MaxwellではWindows 10で実装予定のDirectX 12にも対応する。DirectX 12では、よりハードウェアに近いレベルで処理を実行する点にユーザーが注目しているが、そのほかにも「DX12_0」、「DX12_1」といった2段階でエフェクトなどの機能を実装することになる。第2世代MaxwellではDX12_0もDX12_1もサポートする。こうした伸びしろにも期待をしつつ、Windows 10に備える購入しやすいGPUというのが、GeForce GTX 980 Tiの位置づけになるだろうか。

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