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即戦力のポータブルHDDを選んでみたSOHO/中小企業に効く「ポータブルHDD」の選び方(第3回)(2/2 ページ)

» 2016年03月09日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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ソフトウェア暗号化ながら、耐衝撃性能を重視したタフなモデル

 続いて、耐衝撃性能を重視したモデルを見ていこう。いずれも暗号化の方式はハードウェアではなくソフトウェアであり、それゆえ法人で使うには、もろ手を挙げてオススメできるわけではない。しかし、耐衝撃に重きを置くのであれば運用面に注意することを前提に候補となりうる。現実的には、漏えいしても問題のないデータを受け渡したり、社内でのデータ移動に使うといった用途になるだろう。

 トランセンド・ジャパンの「StoreJet 25H3」は、三層構造の衝撃保護システムや衝撃を吸収するサスペンション、ラバー製ケースなどの採用により、MIL規格の一つである「MIL-STD-810G 516.6」に準拠した耐衝撃性能を持つ製品だ。PCのデータをワンタッチでバックアップできるボタンなど独自の機構も備えている。ただし、本体カラーはブルーもしくはパープルを基調としており、法人ユースとしては好き嫌いが分かれる可能性はある。

トランセンド・ジャパンの「StoreJet 25H3」 トランセンド・ジャパンの「StoreJet 25H3」

 先ほど紹介したHDPD-SUTシリーズからハードウェア暗号化を省いたモデルが、アイ・オー・データ機器の「HDPD-AUTシリーズ」だ。耐衝撃性能は前述のHDPD-SUTシリーズと同じで、MIL規格のMIL-STD0810Fに準拠するほか、HDPD-SUTシリーズにないGセンサーを搭載することで、本体の落下を検知すると電源を自動的にオフにしたり、本体を裏返すことで仮想DVDおよび仮想CDとして使えたりなど、本製品独自のユニークな使い方ができる。Acronisのバックアップソフト「True Image 2013」を添付するなど、PCのデータを定期バックアップする用途でも重宝する。

アイ・オー・データ機器の「HDPD-AUTシリーズ」 アイ・オー・データ機器の「HDPD-AUTシリーズ」

 こちらも先に紹介したHDS-PZNU3TV3シリーズのICカード認証機能はそのままに、ハードウェア暗号化やウイルスチェック機能、管理ソフトウェア対応などの機能を省いて低価格化を図ったのがバッファローの「HD-PZNU3シリーズ」だ。MIL規格準拠の耐衝撃性能やIPX3/IP5X相当の防水防塵性能はそのままなので、予算的に前述のHDS-PZNU3TV3シリーズは手が出ない場合は候補に入ってくるだろう。こちらはカラーバリエーションも用意するなど、HDS-PZNU3TV3シリーズに比べると個人向け色がやや強い。

バッファローの「HD-PZNU3シリーズ」 バッファローの「HD-PZNU3シリーズ」

 衝撃吸収フレームやゴムで耐衝撃性能を持たせたバッファローの「HD-PNFU3-Cシリーズ」も、これらと併せてチェックしたい製品の一つだ。データの暗号化はソフトウェアベースだが、ドライブにロックをかける「おでかけロック」機能を備えており、「さすがに個人向けの製品を法人用途で使うのはちょっと……」という場合には選択肢の一つになる。ちなみに耐衝撃性能についてはMIL規格準拠などの記述はなく、前述の製品に比べてある程度は割引いて考えたほうがよさそうだ。

バッファローの「HD-PNFU3-Cシリーズ」 バッファローの「HD-PNFU3-Cシリーズ」

 直販を中心としたWeb限定のモデルだが、ロジテックの「LHD-PBMU3シリーズ」も耐衝撃仕様のポータブルHDDを検討する際の候補となる。MIL規格の「MIL-STD-810F 516.5」に準拠した耐衝撃性能を備えるほか、ケース表面には独自のラバー塗装を使用するなど、傷やすれなどへの耐性を高めている。USB Type-Cに対応し、起動ディスクとしても使えるMac用モデル「LHD-PBMU3Mシリーズ」もラインアップに用意している。

ロジテックの「LHD-PBMU3シリーズ」 ロジテックの「LHD-PBMU3シリーズ」

法人ユースに向いたユニークなポータブルHDDは他にも

 最後に紹介するのは、ここまでの枠には収まらない特殊な機能を備えたモデルだ。あまり競合と呼べる製品がなく、あらゆるシーンにフィットするわけではないが、利用用途がはっきりしている場合、有力な候補になることがある。

 2メートルの水深下で最長120分間耐えられるIP68の防水防塵性能を備えるのが、ADATA Technologyの「HD720」だ。3層にもわたるシリコン素材やG衝撃センサーの採用により180センチからの落下にも耐えるなど、120センチからの落下を想定したMIL規格のMIL-STD-810G 516.6を上回る耐衝撃性能を誇る。暗号化はソフトウェア方式のため運用については工夫する必要があるが、屋外など特殊な環境で利用する場合は、またとない選択肢となるだろう。同等容量の製品と比較した際、価格がそう割高ではないのも有利だ。

ロジテックの「LHD-PBMU3シリーズ」 ロジテックの「LHD-PBMU3シリーズ」

 パスワード認証のさらに上位製品ということで、指紋認証にも対応しているのが、イメーションの「IronKey H200」だ。IPAが行っている「暗号モジュール試験及び認証制度(JCMVP)」のレベル3を取得していることに加えて、米国やカナダなどが政府調達規格として採用している規格「FIPS 140-2 Level 3」も取得するなど、第三者による認証を多数取得していることが特徴となる。価格は6万円台と、今回紹介する製品の中では最も高額だが、5年の製品保証も付属しており償却までの年数を考えれば一概に高価とは言い切れない。ちなみにUSB 3.0には非対応(USB 2.0)なので注意したい。

イメーションの「IronKey H200」 イメーションの「IronKey H200」
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