Redstoneの「大きなマイルストーン」について、その概要は3月末に米サンフランシスコで開催される「Build 2016」で明らかにされると考える。Edgeブラウザの拡張機能「Extensions for Edge」だけでなく、その他の新機能についても、この場で紹介されることになるだろう。
2016年夏のリリースを目標に開発が進んでいるRS1では、主にデスクトップ、モバイル、ゲーム機で分散しているプラットフォームのより一層の統合に力を注いでいる。TH2の提供では、デスクトップとモバイルでいまひとつ足並みがそろわない状態だったが、恐らくRS1ではXbox Oneも含めて本当の意味で「One Windows」を体現したプラットフォームをアピールしてくることだろう。
WinBetaの先ほどの記事中でも触れられているが、RS1の主眼はこのプラットフォーム統合にある一方で、提供の遅れが見込まれるRS2では「UWPの拡充」が主眼になるとしている。先日のWindows Bridgeの最新事情に関するレポートでも触れたが、このRS2のリリース時期と言われる2017年春には「Project Centennial」こと「Windows Bridge for Classic Windows apps」が視野に入ってくる。
Microsoftとしては、各種ゲームタイトルやモバイルアプリなど、UWP周辺のアプリ環境拡充にそろそろ本腰を入れないといけないタイミングでもあり、「何らかの仕掛け」をRS2に仕込んでくることも考えられる。
また「(RS2の遅れは)Microsoftの新型ハードウェアと提供タイミングに合わせるため」という先ほどの説の中で、「Intelの次期Coreプロセッサ(開発コード名:Kaby Lake)の出荷が2016年第4四半期であり、実際に搭載製品が出回るのが2017年に入ってから」というジョー・フォリー氏の説明がある。
ただ、Kaby Lakeそのものは現行のSkylakeのマイナーチェンジ版であり、それほどMicrosoftが採用に熱心になっているとも考えにくい。どちらかといえば、前段での説明のように「UWP周辺のアプリ環境拡充」のほうがメインテーマであり、特に「2020年の延長サポート終了が予定されているWindows 7」のユーザーを、Windows 10世代の新しいプラットフォームへと誘導する施策が強く求められる次期だ。
そのため、Build 2016のタイミングではRedstoneに関して「エンタープライズ向けの施策」が強くアピールされる可能性が高いとみている。
過去の連載では『「HoloLens」がBuild 2016の主役になる予感』とも伝えているが、やはりMicrosoft的には過去の資産を大量に抱える企業ユーザーの存在は無視できず、このフォローアップが2016〜2017年、そしてRedstoneの大きなテーマになるだろう。
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