いまひとつピンときていない方もいるかもしれないが、Project Romeは、AppleがiOSとOS X Yosemiteで提供した「Handoff」に近い仕組みのMicrosoft版と考えれば、より理解が進むかもしれない。
例えばHandoffでは、iPhoneで受けた音声通話やSMSをMac側で処理したり、逆にMac側での作業内容をiCloudを介してiPadで引き継いだりと、デバイスをまたいでアプリやサービスの継続利用が可能だ。また、「iPhoneが近くにある限りは自動的にOS Xのスクリーンロックが解除される」「リモートでOS XからiPhoneのホットスポット機能を起動できる」といった仕組みも利用可能だったが、Project Romeも全てはアイデア次第だろう。
米InfoWorldによれば、Project RomeをサポートするWinRT API向けのSDKが近日中にもリリースされる見込みだという。その後、AndroidとiOS用のSDKも提供され、Project RomeはAndroid、iOS、Windows 10を横断してシームレスに利用可能になる予定だ。
これにより、Windows 10搭載PCやWindows 10 Mobile搭載スマートフォン、Xbox OneといったWindows 10デバイスに限らず、iPhoneやiPad、Androidスマートフォン、Androidタブレットまで柔軟に組み合わせられるのは見逃せない。Project Romeの狙いについて1つ言えるのは、デバイスやプラットフォームは重要ではなく、その上でユーザーが何をしたいのかが重要ということだ。
最後に、Project Romeという名前は、地中海とヨーロッパに広大なインフラ整備を行って、領土を抱えていたかつての「ローマ(Rome)帝国」から拝借するとともに、ユーザーが自由にデバイスを渡り歩ける「ローミング(Roaming)」の意味も持たせているのではないかと筆者は考える。「Rome」と「Roam」は同じ発音でもあるので、この辺りをもじって付けたプロジェクト名ではないだろうか。
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