筆者の場合、過去数年の買い物の傾向を振り返ると、PC本体やデスクチェアといった大物を中心に仕事に必要な品をダイナミックに買い替える年と、それらの環境がある程度整った中でより仕事を効率的に行うためにサプライやアクセサリーの追加にとどめる年とが、おおむね交互に訪れている。
毎年大掛かりな買い替えをするには予算がかかりすぎるという現実的な問題もあるが、心理的な部分でも、今の環境を変えずにより使いやすくしたいと考えるタイミングと、根本から見直そうと考えるタイミングとが、ワンセットになってぐるぐると繰り返されているようだ。
では2023年はどうかというと、2022年にデスクやチェアに大掛かりな投資をしたこともあり、小規模な見直しに留まっている。今回はその中から、実際に買って試した結果、特に有用だったと筆者が感じた「デジタル仕事道具」5つを、写真とともに紹介する。
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2023年はiPadの新製品が発売されなかったために、従来ならば年に2ケタを超えるタブレットの購入台数は数台にとどまったのだが、その中で現在も日々戦力になっているのが、Googleの「Pixel Tablet」だ。
かねてより10型クラスのAndroidタブレットが欲しいと考えていたタイミングで登場したこの製品、タブレットとしてはおそろしく無難で面白みには欠けるのだが、なぜそれを日々使い続けているかというと、磁力で吸着できるスピーカースタンドが付属していることが大きい。
このスピーカースタンドがあるが故に、本製品はデスクの上で定位置を確保し、何かあればすぐ手に取って使える状況を作り出している。つまり機能うんぬんではなく、使い勝手に依存する部分が大きいのだが、結果的にこれまで使っていたiPad Airの役割が、本製品にそっくりそのまま持っていかれてしまった。
実際のところ、スピーカースタンドのギミックを除外すれば、本製品である必要性は必ずしもない。スマートディスプレイとしては「Google Nest Hub」という専用品が近くに鎮座しているおかげで出番は少なく、また肝心のマグネットによる吸着ギミックは、場所がずれていてうまく充電できていないこともまれにある。スピーカーの音質も決して高くはない。
それゆえ約8万円という実売価格も含め、万人にお勧めできるわけではないのだが、性能重視で高価な製品に手を出したもののすぐ使わなくなるケースも少なくない中で、使い勝手を重視したコンセプトにまんまとハマってしまうのは、筆者以外にも起こりうるケースだろう。後継製品ではより作り込みが進化することを期待したい製品だ。
続いては、手書きノート部門だ。
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