手のひらに2000インチ大画面を再現?―ケータイを“のぞき窓”にする「知能センサーシステム」(1/2 ページ)

» 2009年03月24日 07時30分 公開
[memn0ck,ITmedia]
photo 臼田総合研究所の代表取締役兼研究所長である臼田裕氏

 臼田総合研究所の臼田裕氏が「第13回 MCPC『イノベーション・チャレンジ』セミナー」で紹介したのが、加速度センサーやジャイロセンサー、地磁気センサーなどを用いて2000インチ相当の映像を小さな画面で見るという「知能センサーシステム」だ。

 臼田氏は最初に、「各種センサーを使ったユーザーインタフェースの進化が携帯電話などのモバイル機器で新しい技術トレンドになっている」と説明し、具体例として「W-ZERO3」シリーズや「iPhone」のようなデバイスを挙げた。スマートフォンに搭載され一般的となったタッチパネルはもちろん、Wiiリモコンのような加速度センサーを使ったもの、加速度センサーの代わりに端末カメラの映像から動きを感知する仕組みなどを紹介した。

 現状では、こうしたセンサーが、端末の向きに合わせて画面を回転させたり、インタラクティブにアニメーションするメニューの表現などに使われているが、今後は、画像や映像といった分野にも流行が移っていくだろうと、臼田氏は予測する。

photophoto 最新ケータイの技術トレンドとして、UIの進化、各種センサーの搭載、静止画・動画の進化、ゲーム機能の強化、PCコンテンツへの対応が挙げた(写真=左)。ケータイデバイスの問題点を解決するために、(1)画面そのものを動かす(2)高解像度のまま表示する(3)タッチパネルは特定の操作のみに限定する(4)ゲームコンテンツにキー入力以外の入力方法を導入する(5)各種センサーによる新しいUIを開発するといったことを提案した(写真=右)

 ただし、ケータイなどのモバイル機器にはいくつか根本的な問題点がある。それは、大きなものでも3〜4インチ程度のディスプレイしか搭載できないという、画面サイズと解像度の制約だ。そして高画質の映像を表示するとバッテリーの持ちが悪くなり、入力機器も限られたものになってしまう。

 こうした問題を解決するのが、表示する内容をディスプレイの解像度に固定するのではなく、ディスプレイサイズを超えて表示する「知能センサーシステム」だ。もちろん、一度に見られる範囲はディスプレイサイズと同じだが、“のぞき窓”から仮想的に広がった表示内容を見ることができる。

 PCには似たような考えの仮想デスクトップがあるが、知能センサーシステムではジャイロセンサーなどの各種センサーを活用して、あたかも現実の中にいるような視野を実現する点や、10倍までに対応したズーム機能があることが異なる。「Second Life」(セカンドライフ)のような3D空間を端末内に用意し、センサーによって端末の動作に合わせて見たい部分を表示する――という使い方をイメージすれば分かりやすいのではないだろうか。

 知能センサーシステムの応用先はさまざまだ。メニュー画面や静止画の閲覧、動画などPCコンテンツの再生という従来のケータイ操作のバリエーションが広がり、IPTVで配信されるさまざまな番組をサムネイルで一度に表示し、ケータイを動かして見たいものを選ぶ、といったことも考えられる。さらに、ケータイ内に360度見渡せるバーチャル空間を表示し、その中を自由に“移動”して操作するということも可能だという。

photophoto 知能センサーシステムのコンセプト。次世代ICT(Image Constraint Token)機器へ適用することで画面サイズの制約を受けずにPC向けコンテンツなどをそのまま利用可能となる(写真=左)。知能センサーシステムをメニューや静止画へ適用したケース。ソフトウェアキーボードも現状の小さなものではなく、より使いやすいものが期待できる(写真=右)

photophoto 知能センサーシステムを動画(ワンセグやIPTV)で利用したケース。まだ実現しているわけではないが、世界初の「パノラマ動画ビューワー」への期待も高まっているという(写真=左)。知能センサーシステムをPCコンテンツに適用したケース。すでにPC向けに提供されているYoutubeなどをリサイズせずに利用できるほか、セカンドライフなどもそのまま提供できるだろうとのこと(写真=右)
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