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» 2009年09月30日 18時35分 UPDATE

“WiMAX×WIN”でストレスのないデータ通信を──KDDI 小林昌宏氏

KDDIは9月30日、UQコミュニケーションズが展開するモバイルWiMAXとKDDIのWINのネットワークを、環境に応じて適宜利用できるデータ通信カードを発表。説明会ではKDDIの小林昌宏氏が「いつでもどこでも、快適な速度で利用できるものを目指している」と話した。

[園部修,ITmedia]
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 KDDIが9月30日、WiMAXとWIN(CDMA2000 1X EV-DO)の両方のネットワークがシームレスに利用できるデータ通信カード「DATA01」「DATA02」「DATA03」「DATA04」を発表した。12月中旬以降、おそらく年末くらいに出荷されるようだ。

 同日KDDIが開催した説明会でソリューション商品企画本部 小林昌宏氏は「このデータカードはWINデータカードで利用できる全国津々浦々に広がったエリアと、WiMAXの高速性を掛け合わせていくソリューション。いつでもどこでも使えて、なおかつ快適な速度で利用できるものを目指している」と話した。

Photo 発表されたWiMAXとWINに対応したデータ通信カード
PhotoPhoto 定額料金プラン対応の「DATA01」と「DATA02」。DATA01がUSBタイプ、DATA02はExpressCard/34タイプ
PhotoPhoto 従量料金プラン対応の「DATA03」「DATA04」。DATA03がUSB、DATA04がExpressCard

 説明会の会場に動作するモデルはなかったが、10月6日から10月10日に開催される「CEATEC JAPAN 2009」のKDDIブースに実際に動作するモデルが出展される。

個人と法人の両方に提供、料金は未定

 最も気になるサービスの料金プランについては、定額プランと従量プランがあることは明らかにされたものの、具体的な金額への言及はなかった。出荷時期が近づいたら、別途案内するという。

Photo KDDI ソリューション商品企画本部の小林昌宏氏

 ただ小林氏は料金について「端末は2〜3万円くらいがデータ通信カードの平均値だと認識しているので、その範囲内で競争力のある価格にする」「UQコミュニケーションズのMVNOとしてWiMAXサービスを提供する以上、WiMAXの卸値以下に通信料金を下げることはできない。当然ながら従量課金のプランでもWiMAXの卸値より安く提供することはない」「単純にWINのデータプランとWiMAXの料金を合算した金額になってしまっては意味がない」「従量課金は既存の料金プランに近い」「定額の場合は、WiMAXのエリアが広がるにつれてWiMAXの使用比率が高まるので、WiMAXの影響を大きく受けることになると思う」などと発言しており、4000円前後を下限に、定額の場合は1万円を超えないレベルまでの料金になると予想される。

 端末は個人向けと法人向け、それぞれに販売される予定で、一般のユーザーも普通に入手できる。

WiMAXとWINのシームレスなハンドオーバーを実現

 今回発表されたデータ通信カードの最大の特徴はWiMAXとWINのハンドオーバー機能を搭載している点。1台の端末でWiMAXのネットワークとWINのネットワークを、意識することなく使える。具体的には、WiMAXのサービスエリアではWiMAXの高速性を生かした通信を行い、WiMAXのエリアから出た場合や、WiMAXの電波が入りにくい場所に移動した場合には自動的にWINに切り替える。

 「WiMAXは、エリアが広がってきているとはいえ、まだどこでも使えるというものではない。電波なので、車や人、建物などに遮られることもあり、確実に使える場所がどこ、ともなかなか明言しにくい。そうした使えない場所をWINでカバーできるのがこのカードの特長だ。つながらなくていらいらし、ストレスがたまることもなくなると思う」(小林氏)

 端末は他社の3Gデータ通信カードとそう変わらない大きさ。USBタイプは端子が180度回転してコネクター部を収納できる形状を採用し、全体的にシンプルなデザインとなっている。ドライバのインストールプログラムは本体に内蔵しており、CD-ROMドライブなどがなくてもドライバとユーティリティソフトがインストールできる。

 そのほかにも、法人ユーザー向けのサービスとして、auのパケットネットワークを活用する「CPA」(Cdma Packet Access)を利用し、企業のイントラネットなどにセキュアな形で接続する機能や、あらかじめ設定した接続先以外へのアクセスを制限する「接続先限定機能」なども提供する。

PhotoPhotoPhoto 今回発表したデータ通信端末の大きな特長は、WiMAXとWINのネットワークをシームレスに利用できる点。また法人ユースに対応しやすい機能も多数備えた

法人ユーザー向けに「KDDIセキュアPCアクセス(仮)」も提供

 こうした法人ユーザーを意識した機能に加えて、低価格に導入できるリモートアクセスサービス「KDDIセキュアPCアクセス(仮)」も新たに11月9日から提供する。これは、「外出時でもオフィスと同等の環境を実現し、会社に行かなくても会社の仕事ができる」(小林氏)というサービスだ。

 KDDIセキュアPCアクセスは、要はPC、携帯電話とUSBキーを使って、インターネット(VPN)経由で会社の自分のPCにリモート接続するソリューションだ。USBキーは、市販のUSBメモリを利用でき、PCにUSBキーを差して、携帯電話と組み合わせて多要素認証を行い安全性を確保する。自分のPCの画面を遠隔地のPCに表示するので、自分の机にいるのと同じような感覚で仕事ができる。

 このサービスは、2009年5月から60社ほどのパートナー企業と試験サービスを行ってきたもので、そのフィードバックも反映させつつ商品化した。高額な初期投資やサーバの導入などをすることなく、リモート接続が簡単に利用できるのがポイントだ。

 料金は、初期登録費用が1契約あたり1万500円で、1IDあたりの月額料金が1050円となっている。PCの電源を切っておいても、LAN経由で電源を入れることができるWake on LAN(WOL)も1IDあたり月額525円を追加することで利用できる。IDはいくつでも増やすことができ、一度契約をすれば、導入企業の管理責任者がWebベースの管理画面で追加IDの発行が可能。IDは即日新しい社員に渡せるという。

 そのほか「PCリモート管理サービス」や、データを遠隔削除する「PCリモートデータ削除サービス」、必要なPCもあわせて提供するワンストップサービスを、月額課金で提供することを計画している。将来的には、USBキーなしでもDATA01などのデータ通信カードに内蔵された記憶領域を用いて認証したり、USBキーを用いることなく認証も可能にするとしている。

PhotoPhotoPhoto KDDIセキュアPCアクセスは、PCと携帯電話、USBキーを用いて会社の自分のPCとセキュアなVPN接続を確立できるサービス。KDDIがシステムを用意するので、安価な初期費用で利用できる

 モバイル環境でPCを利用する、いわゆる“モバイルワーカー”の需要という意味では、市場は飽和しつつあるという意見もあるが、小林氏は「通常のモバイルワーカーの需要も堅調にある」と指摘。さらに、パンデミック対応などで、社員が出社できなくなったときに備えて低コストで導入できるリモートアクセス手段、あるいはワークスタイルの変化に伴う在宅勤務への対応手段などとしても、こうしたデータ通信関連ソリューション求められていると話し、これからの堅調な需要が見込めると自信を見せた。


 「ネットワークはこれまで、適材適所と言えば聞こえはいいが、要は使い方に応じてバラバラに存在していた。そこに複数のデバイスを使ってアクセスする形だったが、ネットワークは統合管理され、デバイスはどのネットワークからも同じようにデータがある場所にアクセスできるようになり、使い勝手がネットワークに依存しないようになるのが理想的だ。今日発表したデータ通信端末は、そういったネットワークに接続するモビリティ、機動性を担保できる製品だと思う」(小林氏)

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