次期iPhoneに関するうわさ

» 2012年08月29日 23時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 「iPhone 4S」の発売からまもなく1年。そろそろ“次”のiPhoneに関するリーク情報とされるものや噂の中に、信頼できそうなものも増えてきた。気になる情報の中でも信憑性の高そうなものをまとめてみた。

発表日と発売日

 これまでいろいろな噂や憶測、推測があった次期iPhoneの発表日だが、これについては以前も少し触れたとおり、米国の主要メディアがほぼ「9月12日」と断定しており、THE VERGEなどには「Apple内部の信頼できる筋に確認した」といった記述も見られる。発表会はおそらくこの近辺で行われ、近いうちに招待状が届いたことを伝える記事が掲載されるだろう。

 発売日については、米国では9月21日とする説が有力だ。その根拠は、iPhoneを扱う通信事業者、AT&TとVerizon Wirelessが「9月21日から30日まで、休暇の取得を禁止された」という状況証拠。こちらも米国のブログメディアを中心に報じられている。日本での状況がどうなるかは分からないが、これまで「iPhone 4」や「iPhone 4S」が米国と同じ日に発売されてきたことを考えると、同日と考えたいところ。

 時期的にも「iOS 6」のリリースが「秋(This fall)」に予定されているので、これはかなり信頼できると思われる。ちなみにiPhone 4Sは、10月4日に発表があり、10月14日に発売されている。

ディスプレイサイズ

 初代iPhoneからずっと続いてきた、アスペクト比3:2の3.5インチディスプレイ(iPhone 3G/3GSでは320×480ピクセル、iPhone 4/4Sでは640×960ピクセル)は、次期iPhoneでは変更になりそうだ。最近よくリーク情報として見かける、「次期iPhoneのパーツ」とされる写真を根拠に、横幅は640ピクセルのまま、縦方向に長くなり、ディスプレイサイズは4インチになるという見方が大勢。Apple Insiderや9TO5MacといったApple関連の情報を扱うブログメディアは、解像度は640×1136ピクセルになると報じている。アスペクト比は16:9になる。

 ハイエンドのAndroidスマートフォンが軒並み4インチ台の後半のディスプレイを搭載する現状を考えると、さすがに今後も3.5インチのままというのは考えにくいので、おそらく4インチで640×1136ピクセルというスペックはその通りなのだろう。単純にディスプレイのサイズを大きくするのではなく、縦に伸ばして表示エリアを広げるという考え方にリアリティを感じる。これまで、解像度を4倍にしたり、iPadにも互換モードを用意したりして、アプリの互換性に配慮してきたAppleらしい解決方法だ。単純に縦長になるだけなら、従来のアプリはそのまま表示させてもそれほど無理はないし、新しい解像度に対応したアプリは広い画面を活用すればいい。

外観、Dockコネクタの形状、イヤフォンジャックの位置

 次期iPhoneの外観写真は、想像で描かれたCGも含めると以前からかなりの数がネット上に存在するが、最近のリークとされる写真はどれも形状が同じで、本物の可能性も十分考えられる。デザインの雰囲気は、側面にアンテナを兼ねると思われる金属製の帯があり、現行のiPhone 4Sと似ているが、背面はガラスではなく、金属のような見た目のパーツが採用されているようだ。アルミのユニボディと言えばApple製品ではおなじみだが、次期iPhoneにも同じようなデザインテイストが加えられるのだろうか。

 また、大きな変更点として報じられているのが、Dockコネクタの形状だ。これまでは、iPhoneやiPod、iPadなどに共通で30ピンの独自コネクタが採用されていたが、次期iPhoneとされるリーク写真では、本体下部の中央に用意された穴が小さいことから、Dockコネクタは従来のものとは形状が異なる小さなものになるとされている。ピン数は16ピンという見方が多い。また、裏表どちらの向きでも取り付けられるコネクタになる可能性が示唆されている。

 コネクタが変更されると、すでに世界中に膨大に存在する「Made for iPhone」「Made for iPad」の認証を受けた周辺機器も接続できなくなるが、端末の小型化などを進める上で、外部と接続するためのインタフェースを、あるタイミングで見直すことは十分ある。長らく使われてきたMagSafeアダプタ(ACアダプタ)も、MacBook Proの新モデルで小型のものに変更されたばかり。MagSafe 2には「変換アダプタ」が用意されたが、同じように既存のDockコネクタと変換できるアダプタが用意される可能性もあるだろう。2009年には、欧州で販売する携帯電話の充電器をMicro USBで標準化する方向で、AppleやSamsungを含む主要メーカー10社が合意しており、それへの布石とも考えられる。

 このほか、今まで端末の上部にあったイヤフォンジャックが、次期モデルから下部に移動される可能性も指摘されている。iPhoneで音楽を聴く人は、操作感が若干変わる可能性がある。

LTE対応

 次期iPhoneについては、iPadのWi-Fi+Cellular版(以前はWi-Fi+4G版と呼ばれていた)が米国およびカナダでのLTEサービスに対応していたことから、同様にLTEがサポートされる可能性が高いとされている。米国ではおそらくLTEネットワークが利用できるだろう。

 ただ、北米以外の地域での対応状況、特に日本市場でLTEがサポートされるかどうかは、予想するのも難しい。希望としては対応してほしいが、まったく不透明だ。対応周波数の中に日本で主流の2GHz帯と800MHz帯が含まれることに期待したい。

 ちなみにソフトバンクモバイルは、2012年秋以降のサービス開始に向けてLTEのネットワークを構築中ではあるが、9月にサービスが始まるかどうかまだ分からない。始まっていても、利用できるエリアが限られることも予想される。KDDIは、2012年末に予定していたLTEサービスの立ち上げを秋に繰り上げる予定。2013年3月時点でのLTEの「実人口カバー率」は96%にする計画で、急速な立ち上げを目指しており、すでに基地局の設置もかなり進んでいる。


 徹底した秘密主義を貫き、発表会の当日、集まった聴衆をあっと驚かせていた以前のAppleを考えると、次期iPhoneに関するリークが情報はかなり多い印象だ。それだけ世間の関心が高いということでもあるが、外観や主要な変更点がさまざまなメディアで取り上げられており、発表会を前にチラ見せされているような印象すら受ける。もちろん、リーク情報とされているものがニセモノである可能性もあるが、最近のAppleの新製品は、以前ほど発表時の驚きがなくなってきている気もする。

 もちろん、次期iPhoneについては、正式発表を待たないと分からないことも多い。iOS 6にも、まだ公表されていない新機能はあるはずだ。うわさが本当ならば、1カ月以内には新しいiPhoneが市場に出回っていることになるので、期待に胸を膨らませながら、正式発表を待ちたい。

 余談だが、一時期同時に発表されるとうわさされていた7インチディスプレイを搭載する、俗に“iPad mini”と呼ばれている製品は、10月以降に別途イベントが開催されるとしているメディアが多い。

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