NTTドコモは3月22日、太陽光を電源とする「グリーン基地局」のフィールド実験を4月に開始すると発表した。
同社のグリーン基地局は2012年からドコモR&Dセンター内で試験的に稼働していたが、4月からは現在運用中の3局(東京都、神奈川県、山梨県)にグリーン電源設備を増設し、商用環境で実用化に向けた実験を行う。今後は2013年度上期までに、関東甲信越地域で合計10局をグリーン基地局にする予定だ。
グリーン基地局は、ソーラーパネルによる太陽光発電で日中の電源を確保する携帯電話基地局。1枚の発電量が233Wのソーラーパネルを18枚使用し、全体の面積は23.1平方メートル(4.74メートル×4.87メートル)、最大で4.19kWの発電が行える。使われている携帯電話基地局の最大消費電力は2.0kWであるため、ソーラーパネル単独で基地局を十分に運用できるという。
また大容量のニッケル水素電池およびリチウムイオン電池を蓄電池として備えた。これまでの基地局でバックアップ電源用に使われてきたフロート型鉛蓄電池と比較して2倍以上の電池容量を持ち、夜間など太陽光発電で電力が賄えない場合でも、14〜16時間程度と長時間のバックアップが期待できる。
さらに、商用電源/太陽光発電/大容量蓄電池という3つの電源を遠隔操作で制御するグリーン電力コントローラーも搭載しており、ピークシフト対応や夜間電力の活用も可能。ソーラーパネルで発電した直流電力を直流のまま利用できることから、エネルギー喪失も約10%削減できたという。
ドコモでは将来的な構想として、グリーン基地局への燃料電池や風力発電の導入も検討している。
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