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» 2013年11月22日 17時48分 UPDATE

iPhone普及の裏で動く巨大ビジネス 第1回:5s/5c発売の影響も――iPhoneアクセサリー市場の最新動向を読み解く (1/2)

iPhone普及の陰でうごめくさまざまな業種マーケットにフォーカスを当て、その裏で動く巨大ビジネスに迫る連載がスタート。今回は、国内市場におけるiPhoneアクセサリーの動向を読み解いていく。

[大野泰敬,ITmedia]

 2008年7月11日、日本で初めてiPhoneが発売された。当初、iPhoneのようなスマートフォンは、日本では受け入れられないとの見解が多かったが、徐々に市場を席巻していった。本連載では、iPhone普及の陰でうごめくさまざまな業種マーケットにフォーカスを当て、その裏で動く巨大ビジネスに迫る。

 2200億円に成長するといわれているスマートフォンの周辺機器市場。都内で出店ラッシュを続けるUNiCASEショップ販売マネージャーの竹下結夏氏と、営業部マネージャーの岡部源紀氏へのインタビューを行いながら、現在のiPhoneアクセサリーの国内市場を調べた。

変わりつつあるケース市場

 最近のケースショップに足を運ぶと、過去の販売直後と違う点を多く見受けられる。まずはケースの種類の多さだ。通常iPhoneが発売される際は、300〜500種類くらいのケースが発売日に店頭に並ぶが、今回の「iPhone 5s」の形状は2012年に発売された「iPhone 5」と同じ形状だったため、通常の4倍にあたる2000種類以上のケースが発売当日に市場に出回っていた。

photo 「iPhone 5s」の発売当初から、2000種類以上のケースが市場に流通している

 また、2012年までは店頭にプリント系デザインや何十種類ものカラーバリエーションなどが並んでいたが、iPhone 5sでは新色のゴールドや、iPhone 5cでは5つの本体カラーなど、「カラー」を明確に打ち出したプロダクトが登場したため、本体色をそのまま生かすような素材で構成されたバンパー、iPhone 5cではクリアケースなどが非常に人気傾向にあった。

photo iPhone本体のカラーと同じ色のバンパーが人気だ

高くてもいいから、こだわったものを

 今までと最も異なったのが価格帯だ。「ケースはとりあえずあればいい」から、「こだわったケースをつけたい」に消費者の考えがシフトし始め、一時は低価格のプラスチックケースが主流だったが、今では素材や機能などにこだわった高価格な商品が店頭に多く並んでいる。「昨年とは明らかに違います。使っている素材が金属だったり、レザーだったり、ICカードが入りながら、極限までに薄くされたケースなど、こだわった商品が売れるようになりました」と竹下氏は言う。実際、1万円近くするバンパーの予約注文が発売前から殺到し、発売後すぐに完売するなど、高価格の商品を指名買いで購入する人が急増しているという。

photophoto 圧倒的な人気だった「CLEAVE ALUMINUM BUMPER」。発売当初入手が困難だった(写真=左)。日本製のバンパーケース。価格は1万円を超える(写真=右)

 こだわった素材や機能はさまざまだが、売場で一番目立ったのはアルミ系のバンパーだろう。次に続くのが、ウッドタイプやレザー系のケースだ。どちらもデザイン性だけではなく、ICカードやクレジットカードが収納できるなど、機能面でも特徴があるものが多い。防水ケースは、高額だが落下やホコリなどにも強い、一体型タイプが売れるという。やはりどのケースも、通常販売されている一般的なケースと比べて平均4000円以上と価格帯は高い。

photophoto ウッドタイプのiPhoneケース。クレジットカードなどを収納可能だ(写真=左)。ここでしか買えないという、高級ケースラインアップ(写真=右)
photophoto アルミなどの金属系から、ウッド系、レザー系などの高級素材を使った商品が2012年よりも急増している

 ファッション性だけではなく、素材や機能なども加わり、「こだわったもの」「ここにしかないもの」などが人気だ。今までのように「iPhoneを衝撃から守る」から、多少価格が高くても、より便利に、よりおしゃれにという消費者ニーズが変化してきている。

画面を保護することが定番に

 画面を保護するためのフィルムにも変化が出始めている。以前は、光沢フィルム型の低価格帯が中心だったが、現在は落としても割れず、装着していることを感じさせないくらい薄いガラス製の保護フィルムが人気だ。商品は安い物ではなく平均3000円前後の比較的高いものが売れている。ガラスフィルムは2012年から徐々に認知度が上がり、今では2012年の2倍以上の伸びでリピーターが非常に多いという。

photo USGやITGなどの薄く丈夫なガラスフィルムを取り扱うブランドが非常に人気だ

女性を中心に変化し始める市場

 女性ユーザーの増加も周辺機器市場に大きな影響を与えている。今まではiPhoneの新機種の発売直後は、ケースショップには男性客が増える傾向にあった。しかし、iPhone 5s発売後は、ガラスフィルムやバンパーを予約や指名買いしていく女性ユーザーが増えてきたという。

 「iPhoneは一部のアップルファンだけのものではなく、一般的になってきているから」と竹下氏は言う。現在の店頭来場者の男女比率は4:6で女性が多いので、ファッション感度の高い人たちが集まる場所に出店をしているとのこと。ケーブルやバッテリーなどの部分にも、今までなかったかわいいカラーや形状の商品が登場し始め、今後このジャンルも大きな市場に成長しそうだ。

photophoto おしゃれな形状やカラフルなバッテリーが販売されている(写真=左)。ケーブルや充電器なども、カラフルでかわいい形状のデザインが増えている(写真=右)
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