「ZenFone 5」レビュー 第1回――持ちやすさや基本スペックをチェックする

» 2014年11月17日 00時00分 公開
[房野麻子,ITmedia]

 ASUSの「ZenFone 5」は、2万円台の低価格ながらスタイリッシュなルックスが評判のLTE対応SIMロックフリースマートフォンだ。楽天モバイルやニフティが11月26日の発表を予告している音声サービス「NifMo」など、MVNO各社がSIMカードとセット販売することから、“格安スマホ”として幅広いユーザーに注目されている。

 本稿ではZenFone 5デザインやカメラ、ユーザーインターフェイスなどを中心に見どころをレビューしていく。今回はデザインやスペックについて取り上げる。

やや大きめながら持ちやすいボディ

 ZenFone 5はSIMロックフリーのスマートフォンなので、ASUSのZenFone Shopや家電量販電などで端末単体のみ購入することが可能だ。ZenFone Shopでは16Gバイト版が2万8944円、32Gバイト版が3万2184円(ともに税込み)で販売されており、ZenFone 5とAndroid Wearスマートウォッチ「ZenWatch」を同時に購入すると5000円引きになるキャンペーンが2015年1月31日まで行われている。パッケージはスマホ本体背面のカラーに外装の色が合わせられていて、非常にコンパクトだ。中のケースを手前に引き出すようにして開ける。

photophoto 本体カラーに合わせたパッケージ。中のグレーのケースを手前に引き出すようにして開ける(写真=左)。本体の他にUSB ACアダプターセット、ヘッドホフォ、日本語のユーザーズマニュアル、製品保証書、PCリサイクルマークのシールなどが入っている(写真=右)

 ディスプレイは5型で、表面のガラスにはCorning Gorilla Glass 3を採用。アンチフィンガーコーティングを施し、指紋がつきにくくなっている。ただ、ディスプレイの額縁が比較的太いためか、全体的にやや大きく感じる。iPhone 6、iPhone 6 Plusと並べてみると、4.7型ディスプレイのiPhone 6より明らかに大きいが、5.5型のiPhone 6 Plusよりは格段に片手で持ちやすい。ZenFone 5は背面に緩やかな丸みがあるので、それが持ちやすさに貢献していると感じる。また、操作キーが画面の外に配置されているので、ディスプレイをフルに使えるのは利点だ。

photophoto 左右の額縁が太めで、操作キーがある下部エリアも長いので、5型端末としては、やや大きく感じる(写真=左)。背面が緩やかにラウンドした形状で、持ち心地は非常にいい(写真=右)
photophoto iPhone 6、iPhone 6 Plusと並べてみると、ちょうどこの2モデルの中間のサイズ。ただし、ZenFone 5は厚さが10.34ミリ(最薄部は5.5ミリ)あり、6.9ミリと7.1ミリのiPhone 6/6 Plusよりだいぶ厚い(写真=左)。5.2型のXperia Z3(左)、5型のHTC J butterfly HTL23と比較。左右の額縁が太く、同じ画面サイズのHTC J butterflyよりも大きい。ただし、操作キーが画面外なので、5型をすべて表示に使えるのはうれしい(写真=右)

上質感のある背面パネルや操作キー

 価格の安さが好評だが、それは充実のスペックと本体の上質感あっての評価だ。本体デザインに注目すると、この値段でこの質感を実現していることに感心させられる。背面パネルの素材は樹脂だが、光が当たるとアルミにも似た控えめな光沢が出る。マットで指紋が目立たないさらっとした触感だ。

 右サイドに配置された電源キーとボリュームキー、また正面の操作キー下部のパネルにはスピン加工が施され、ディテールも凝っている。スピン加工はASUSのPCにもよく使われており、ASUSらしさを感じる部分だ。ZenFone 5の「Zen」は「禅」を表し、スピン加工の波紋模様は和の心を表していているという。

photophoto 背面パネルは樹脂だが、落ちついた光沢を持つアルミのように見え、指紋が目立たないマットな塗装は上質感がある(写真=左)。緩やかにカーブがかかっているので持ちやすく、控えめな光沢が上品だ(写真=右)
photophoto 本体右側面に電源キーとボリュームキーを配置。キーの表面にASUSらしいスピン加工が施されている(写真=左)。操作キーが画面外にあるので、ディスプレイをフルにコンテンツの表示に使える。その操作キーの下のパネルもスピン加工され、光が反射するときれいだ(写真=右)
photophoto 正面の上部と、背面のカメラ(800万画素)の下にASUSのロゴがプリントされている
photophoto 背面パネルは外すことができ、別売りの「Zencase」や「View Flip Cover」などに交換できる。SIMカードとmicroSDのスロットがある。SIMはmicroSIMを採用。バッテリーパックは外せない

充実したスペックも魅力

 ZenFone 5はCategory 4のLTEをサポートしており、下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsの通信が可能だ。日本版は日本のLTEに対応するように調整されており、LTE対応バンドは2100MHz帯(バンド1)、1800MHz帯(バンド3)、2600MHz帯(バンド7)、900MHz帯(バンド8)、800MHz帯(バンド19)。主要キャリアのLTEネットワークが利用できるが、ドコモは1500Mhz帯(バンド21)を除く3つの周波数に対応しており、ドコモとドコモ網を使うMVNOのSIMを差して使うのが最適といえそうだ。なお、TD-LTEやキャリアアグリゲーションには対応しない。

 CPUはQualcommのSnapdragon 400(クアッドコア)、メモリは2Gバイト、ディスプレイの解像度はHD(720×1280ピクセル)なので、フルHDやQHDのディスプレイを搭載するようなハイエンド端末と比べると物足りない数値だが、この価格のミッドレンジ端末としては十分な性能だ。普通の使い方で特に不満を感じることはないはずだ。

 カメラは背面のメインカメラが800万画素、インカメラが200万画素。ソニー製のCMOSセンサーが使われている。カメラ機能については次回、詳しく紹介するが、「ローライトモード」が搭載され、暗い場所でもノイズを抑えた明るい写真が撮れる。また、IEEE802.11b/g/nの無線LANと、Bluetooth 4.0に対応する。

 日本メーカーのスマートフォンのように、防水やワンセグ、おサイフケータイには対応していないが、価格が安く買いやすい。上質感のあるデザインで、機能的にも十分だ。携帯電話のコストを抑えたいと思っているユーザーには、MVNOの格安SIMと組み合わせて使うのにぴったりな、コストパフォーマンスが非常に高い端末といえる。

「ZenFone 5」の主な仕様
機種名 ZenFone 5
OS Android 4.4.2
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 400「MSM8926」(1.2GHzクアッドコアCPU)
メインメモリ 2Gバイト
ストレージ 16Gバイト/32Gバイト
外部メモリ microSDXC(最大64Gバイト)
ディスプレイ 5インチTFT IPS液晶
解像度 720×1280ピクセル
通信方式(Band) LTE:2100(1)、1800(3)、2600(7)、900(8)、800(19)MHz
W-CDMA(HSPA+):2100(1)、1900(2)、850(5)、800(6)、900(8)、800(19)MHz
GSM/EDGE:850、900、1800、1900MHz"
連続通話時間 約1230分(3G)
連続待受時間 約180時間(LTE)、約395時間(3G)
メインカメラ 有効800万画素
インカメラ 有効200万画素
無線LAN IEEE802.11b/g/n
Bluetooth Bluetooth4.0
センサ GPS、電子コンパス、光センサ、加速度センサ、近接センサ、磁気センサ
ボディカラー ブラック、ホワイト、レッド、ゴールド
サイズ 約72.8(幅)×148.2(高さ)×10.34(奥行き)ミリ
重量 約145グラム

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