MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供するSIMカードで「国際ローミング」はできますか? できる場合はその料金を知りたいです。日本からの音声通話を受けたいのですが……。
MVNOとプラン(コース)によって可否が変わります。可能な場合、各種料金は回線を提供する通信事業者の料金体系に準拠します。
(ITmedia Mobile編集部 井上)
海外出張・旅行時に、国内と同じ携帯電話番号で待ち受けできる「国際ローミング」サービス。大手キャリアでは、音声通話、ショートメッセージ(SMS)やデータ通信の国際ローミングを提供しています。
今回寄せられた質問は「MVNOのSIMカードでの国際ローミングの可否」と、「できる場合の料金体系」の2点です。それぞれ、お答えします。
MVNOは、NTTドコモやKDDIなどの大手通信事業者(以下、MNO)から携帯電話ネットワークとSIMカードを借りてサービスを提供します。MNOの各種ネットワークオプションサービスをMVNOを通して提供することも可能です。このネットワークオプションサービスには当然、国際ローミングサービスも含まれています。
MVNOが、国際ローミングサービスを利用する契約をMNOと結んでいれば、国際ローミング可能なSIMカードをユーザーに提供することができます。
ただし、MVNOが国際ローミングオプションを提供できる契約を結んでいたとしても、全てのSIMカード(回線契約)が国際ローミングに対応しているとは限りませんし、対応していたとしても、音声通話・SMS・データ通信の“全て”を提供しているとも限りません。
例えば、「IIJmio」「DMM mobile」「OCN モバイル ONE」「b-mobile SIM」では、音声通話対応SIMに限り、海外での音声通話とSMS送受信が可能で、データ通信専用SIMはローミングに一切対応しません。「mineo」「UQ mobile」では、データ通信専用SIMでは海外でのSMS送受信が可能で、音声通話対応SIMではSMS送受信に加えて、音声通話も可能です。
ここまで来て「あれ、データ通信は?」と思った方、するどいです。実は、つい最近まで個人向けにデータ通信のローミングサービスを提供しているMVNOは1社もありません(法人向けならあります)。
※初出時に、九州通信ネットワーク(QTNet)の「BBIQスマホ SIM a」において、データ通信の国際ローミングに対応している旨を記載しておりましたが、現在のところ対応しておりません。お詫びして訂正いたします。(8/18 17:50)
まとめると……。
ということになります。
国際ローミングで対応する国・地域・オペレーター(通信事業者)、SMS送受信料金や通話・通信料金は、回線を提供するMNOのものに準拠します。ドコモの回線を借りているMVNOは、「WORLD WING」、KDDIの回線を借りているMVNOは「グローバルパスポート」のWebページを参照してください。
なお、海外では音声通話の着信にも「着信料金」がかかります。また、SMSの受信は無料ですが、送信料が国内よりもかなり割高になります。注意しましょう。
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