インタビュー
» 2015年08月24日 00時30分 UPDATE

開発陣に聞く「Xperia Z4」(前編):Xperia Z4が“一枚板の完成形”と呼べる理由/発熱は「基準値は満たしている」 (1/2)

ソニーモバイルが「完成形」と呼ぶほどの自信作となった「Xperia Z4」。光沢感の増したメタルフレームや、厚さ6.9ミリにまでそぎ落とされたボディは、どのようにして作られたのか? インタビューの前編では、デザインと機構設計について聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 ソニーモバイルコミュニケーションズが開発した「Xperia Z4」は、同社が「Xperia Zシリーズの完成形」だと言うほどの自信作。2015年夏商戦向けのモデルとして、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクから発売されている。

photophoto 「Xperia Z4」

 デザインはXperia Z3がベースになっているが、さらに薄くなった厚さ6.9ミリのボディ、輝度の増したメタルフレームとコーナー(角)、キャップレス防水のMicro USB端子、画素数の向上したインカメラ、大容量の音楽データをBluetoothで転送できる「LDAC」への対応など、注目すべきトピックは多い。インタビューの前編では、デザインや機構設計を中心に、Xperia Z4の開発でこだわったポイントを聞いた。

photo 左からデザイン担当の鈴木氏、機構設計担当の金田氏、ディスプレイ担当の齋藤氏

金属感のある仕上げにこだわり

photo デザイン担当の鈴木氏

 Xperia Zシリーズのデザインは、初代Xperia Zから一貫して、上下左右のどの方向からも持ちやすく美しい「オムニバランスデザイン」を採用しており、Z4でもこのコンセプトを継承している。デザイン担当の鈴木氏は、Xperia Z3のインタビューで「Xperia Z3は究極の一枚板を目指すという本来のコンセプトにかなり近づいた」と語っていた(→「Xperia Z3」でパープルを採用しなかった理由は?――デザインとカラーの意図を聞く)が、Z4ではこの「一枚板の完成形を目指す」ことからプロジェクトが始まった。

 特にこだわったのが「仕上げ」と「カラー」だ。輝度を高め、ピカピカと光るフレームは、Xperia Z3から外観上で最も変わった部分だ。

photo 上がXperia Z4、下がXperia Z3。Z4の方がフレームの輝度が上がっていることが分かる

 1枚のアルミ板から削り出してフレームを加工する工法はXperia Z1のときから変わっていないが、Xperia Z4の金属フレームは「シャイニーでありつつグロッシー」(機構設計担当の金田氏)をテーマとしている。「磨いてぴかぴかにする」「輝度がありつつも曇った感じを最適化するよう特殊なブラスト加工をする」「アルマイト加工で着色する」といった3つの行程のバランスを取って最適化することで、Z4の光沢感がありつつも深みのあるフレームが完成した。

photo 従来と同様、フレームはアルミ板から削り出したものを使っている

 コーナーは着色した樹脂の上に透明な樹脂を重ねることで、高級感はもちろん耐久性を向上させた。「Z3のコーナーは色を塗っておらず、プラスチックそのままだったので、もう少し金属感の表現を追求しました」と鈴木氏。

photo Xperia Z3(下)よりもXperia Z4(上)の方がコーナーの深みが増している

パープルはXperia Z4でも無し

 カラーバリエーションのホワイト、ブラック、カッパー、シルバーグリーンはXperia Z3と同系色だが、色の仕上げはXperia Z3から変えている。ホワイトは、金属とガラスの深みや温かみを表現しており、カッパーはラグジュアリー感や金属感が出るようゴールドに近い色にした。シルバーグリーンは、水の深い感じを、素材の良さを引き出しながら表現したという。ブラックもフレームの色に若干、ブラウン系の温かみを加えている。

photo 左からホワイト、ブラック、カッパー、シルバーグリーン
photo 実際のカラーはいくつかの候補の中から決まった。こちらはシルバーグリーンで、一番上の色が採用された

 「ほかの色も検討はした」(鈴木氏)が、あえてXperia Z3と同系色にしたのは「造形であるとか、表現したいコンセプト、そういったものを、最も表現できる色を選んだ」ため。その結果、同じ4色に落ち着いたという。

 ちなみに初代Xperia ZからZ2までの象徴的なカラーでもあった「パープル」は、(海外のみだが)Xperia Z3のように追加する予定はないとのこと。「この造形をパープルで表現できるのなら採用していましたが、今回(Xperia Z4)はパープルを一番に表現できる色ではありませんでした」(鈴木氏)

外観の美しさに貢献する“防水キャップレスUSB”と“コンボコネクタ”

 外部接続端子がキャップ無しになったのも、Xperiaにとっては大きなトピックだ。金田氏によると、Micro USB端子のキャップレス防水に対応しつつ、品質を確保できるよう努めた。「メカ的な防水構造もそうですけど、電気的にも、いろいろなカテゴリーに課題がありました。ユーザーがどのような場所でどのような使い方をするかという、いろいろなユースケースを想定して、1つずつ問題をつぶしていきました」

photo Micro USB端子が防水対応のキャップレスに

 デザイン面でもう1つ注目したいのが、nanoSIMスロットとmicroSDスロットを、1カ所に集約したこと。これにより、スロットのカバーが従来の2つから1つに減り、キャップサイズも最小化でき、デザイン上のノイズを省くことに成功。側面はよりプレーンな形状になっている。このスロットは新規で作成したもので、1つのコネクタでnanoSIMとmicroSDの両方を認識させることができる。この“コンボコネクタ”は、ソニーモバイルでは初めての取り組みで、「デザイン的外観美を実現するため」(金田氏)に試みた。

photophoto nanoSIMとmicroSDを同じトレイの上に載せて格納できる
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