ケイ・オプティコムは、8月18日、ドコモ回線によるMVNO SIMの提供のほか、料金プランの改定やサービスの拡充、海外用プリペイドSIMや、訪日外国人向けのプリペイドSIMの発売を発表しました。
MVNO SIMサービス「mineo」を提供するケイ・オプティコムは、提供中のau回線を利用したサービスに加えてドコモ回線によるMVNOサービスを9月1日より開始させることを発表しました。これによって「マルチキャリアMVNO」として新たにスタートすることになります。
au回線を使うSIMプランを「auプラン(Aプラン)」、ドコモ回線を使うものを「ドコモプラン(Dプラン)」という名称で提供するとのこと。
データ 容量 |
シングルタイプ (データのみ) |
シングルタイプ (データ+SMS) |
デュアルタイプ (データ+音声通話) |
---|---|---|---|
500MB | 700円 | 820円 | 1,400円 |
1GB | 800円 | 920円 | 1,500円 |
3GB | 900円 | 1,020円 | 1,600円 |
5GB | 1,580円 | 1,700円 | 2,280円 |
データ 容量 |
シングルタイプ (データ+SMS) |
デュアルタイプ (データ+音声通話) |
---|---|---|
500MB | 700円 | 1,310円 |
1GB | 800円 | 1,410円 |
3GB | 900円 | 1,510円 |
5GB | 1,580円 | 2,190円 |
現在、auプランは1GBと3GBでの料金がドコモプランと異なりますが、9月1日より、1GBで50円、3GBで80円の値下げがされ、シングルタイプの料金は両プランとも同じになるとのこと。なお、auプランではシングルプランにSMS利用が含まれている価格ですが、ドコモプランでは別途月額120円かかるのでauプランの方がお得です。
mineoのドコモプランの魅力は手元にmineoのSIMが届いたらコールセンターへ連絡するだけでMNPができてしまうことです。連絡後1時間程で作業が完了するため、不通期間もなく、店頭で長時間待たされる心配がありません。
※auプランへのMNPは、ネットから5分程度
なおmineo内でauプランからドコモプランへの変更時や、その逆の場合の手数料は2,000円となっており、他のMVNOへ移動するよりも割安です。ただしMNPのたびに新たにSIMが再発行されるので、例えばauプラン→ドコモプラン→auプランと変更した場合に、最初に利用したau SIMは使えません。
手数料引き下げとともに、SIMサイズの交換手数料も2,000円に値下げされました。
新たな割引サービスとして「複数回線割」「家族割」が9月1日よりスタート。これは1人でmineoを複数回線契約や、家族間(三親等まで)でmineoを契約している場合、最大5回線まで各50円割引されるサービスです。余ったパケットを家族以外にも分け与えられる「パケットギフト」も同日より開始。これはドコモプラン、auプランが混在していても利用可能です。
さらに「mineo史上最大のキャンペーン」を8月18日〜10月31日で実施。新規契約者の月額基本利用料(1GBコース相当の800円)が6ヶ月無料に。さらにドコモプラン契約者は3ヶ月増えて9ヶ月、auプランで『AQUOS SERIE』を購入すると24ヶ月増えて最大30ヶ月の基本使用料が無料になります。
既存ユーザーに対する特典としては、SIMカード変更事務手数料2,000円が、1回分無料になるとのことです。
プリペイドSIMも新たに2種類追加することを発表。1つは「海外用プリペイドSIM」。これは有効期限なし、維持費無料という「1度買ったら使いたいときだけ使えるようにできる」SIMです。9月1日より3,000円で販売開始。
なお、海外用プリペイドSIMには「データパックチャージ」「従量チャージ」の2種類があり、どちらも「買った分だけ利用する」方式。大手キャリアの海外プランと比べかなり割安な設定です。
データ 容量 |
データパックチャージ |
---|---|
30MB | 650円 |
100MB | 1,480円 |
500MB | 5,480円 |
1GB | 9,800円 |
「データパックチャージ」は、中国・香港・台湾・タイ・アメリカ・EUといった6つの国と地域で利用可能。注意点としてデータパックチャージでは、チャージ後の有効期間が30日間で、利用する国を選んで使うため、例えばアメリカと中国で使うということはできません。
※EU加盟国間での移動を除く
料金 ゾーン |
従量チャージ |
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Zone 1 | 32円 |
Zone 2 | 92円 |
Zone 3 | 858円 |
※表の数値は1MBあたりの料金 |
もう1つのプランは「従量チャージ」です。3つの料金ゾーンにわかれており、利用したいデータ量を1MB単位で購入。このプランは対応する全ての国で利用可能です。
日本でセットアップしたものをそのまま海外へ持っていって使えるため「現地でSIMを買ったものの、うまく認識されなかった」という不測の事態を避けられます。通信料金で現地SIMと比較すると少し高いかもしれませんが、安心して利用できることでしょう。
また、マルチSIMカードになっているのも特徴の1つ。購入時にSIMカードのサイズを気にする必要がなく、利用するスマホのSIMカードサイズに合うよう大きさが調整できます。
「Prepaid SIM for Japan Travel」は、訪日外国人向けのSIMパッケージです。1GBタイプで2,800円のものと、5GBタイプ5,000円の2種類を用意。英語、中国語、韓国語、タイ語などの多言語サポートを予定しており10月からの販売開始見込みです。
最後に、iOS8でau回線のMVNO SIMが使えないことへの対応状況についても発表がありました。ケイ・オプティコムは「現在検証中であり、プロファイルを変えることで対応できる端末とそうでない端末が出ている」と説明。iOS9のリリースも迫っているため、早急な対応が求められます。
今回の発表でケイ・オプティコムは「mineoに契約していれば、docomo回線もau回線も比較的自由に入れ替えることが可能になる」というアドバンテージを打ち出したことになります。iOS対応など乗り越える壁もありますが、今後の動きにも注目です。
(文:空色ぐらたん)
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