spモード以外でもテザリングOK――写真で解説する「Nexus 5X」(ドコモ版)

» 2015年10月05日 19時40分 公開
[井上翔ITmedia]

 Googleの「Nexus」シリーズは、Androidの最新OSを先行して利用できる「リードデバイス」である。Android 6.0世代のリードデバイス「Nexus 5X」(LGエレクトロニクス製)は、国内では「Google Store」(Googleの直販サイト)のほか、NTTドコモとソフトバンク(Y!mobile)でも販売される。

 NTTドコモがNexusデバイスを取り扱うのは、2011年冬モデルとして登場した「GALAXY NEXUS SC-04D」以来、約4年ぶりとなる。本稿では、ドコモで取り扱う「Nexus 5X」について、写真を交えて紹介していく。

※写真は、開発途中の実機で撮影したものです。実際に商品として発売されるものとは一部仕様が異なりますので、ご了承ください

photo Nexus 5Xの取り扱いを発表するNTTドコモの加藤社長

ドコモのNexus 5Xは「独自型番なし」

 以前、ドコモがGALAXY NEXUSを取り扱った際は、「SC-04D」というドコモ独自の型番が与えられ、ドコモ独自のカスタマイズ(プリインストールアプリの追加、テザリングの非対応化など)が施されていた。それに対し、Nexus 5Xではドコモ独自の型番は割り振られない。購入時にSIMロックがかかっている(※)こと以外は、ハードウェア・ソフトウェアともにGoogle Storeで販売されるものと同一仕様である。

※SIMロックの解除は、2015年5月以降に発売されたAndroidスマートフォンと同じ方法で行う

 ソフトウェア更新についても、Google Storeでの販売分と同様に、Googleのサーバ経由で行われる。ただし、更新内容がドコモのネットワークサービスに影響を与えうるものである場合は、「(Google Storeでの販売分よりも)配信開始が遅れる場合がある」(説明員)ので注意したい。

photo Nexus 5Xでは、販売システム面も含めて独自型番を振っていない。販売時のSIMロックを除けば、Googleの直販で購入したものと全く同一仕様の本体が手に入る

 カスタマイズがないことのメリットのひとつが、テザリングだ。ドコモのAndroid端末では、テザリングを使うには「spモード」契約が必須となるカスタマイズが施されている(※)が、Nexus 5Xには施されていない。つまり、spモード以外の接続サービスでもテザリングを有効にできるのだ。mopera U、あるいはMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」でモバイル接続している人にはうれしい仕様だ。

※ドコモのAndroid端末では、テザリング時に専用アクセスポイントに接続を切り替える。このアクセスポイントはspモードを契約していないと接続できないようになっている

photo ドコモ純正の「spモード」「mopera U」以外にも、主要なMVNOサービスのAPN(アクセスポイント名:接続先を特定する設定)がプリセットされている

ドコモサービスを活用している人は要注意

 一方、ドコモサービスを活用している人にとっては、Nexus 5Xの強みであるカスタマイズがないことが、むしろデメリットになってしまうこともある。「docomo ID」(12月1日から「dアカウント」)を使ってキャリアフリーに対応しているサービス(「dビデオ」など)は利用できるが、ドコモの回線契約が必要なサービスは非対応、あるいは対応していても提供条件が異なる。

「Nexus 5X」で利用できる回線契約が必要なドコモサービスと、制限事項
サービス名 制限事項
VoLTE 高音質通話のみ対応
ビデオコールは非対応
ドコモメール 「ドコモメール」アプリは提供しない(docomo Application Manager非対応のため)
IMAP対応のメールアプリで送受信可
スゴ得コンテンツ 一部、非対応のサービス・コンテンツあり
データ保管BOX 「データ保管BOX」アプリは提供しない(docomo Application Manager非対応のため)
ブラウザ版で利用可
イマドコサーチ ほかの端末を検索する操作のみ対応
検索される対象にはなれない
ケータイ補償お届けサービス 「交換電話機のお届け」のみ提供
「修理代金サポート」「データ復旧代金の割り引き」は提供せず

「エリアメール」は“約3分の2”対応している

 Nexus 5Xは、「エリアメール」に“非対応”ということになっている。自然災害の多い日本においてエリアメールに対応しないことは大きな不安要素となる。しかし、Nexus 5Xでもエリアメールの緊急速報を一部受信できる。

 エリアメールでは、「緊急地震速報」「(大)津波警報」「災害避難情報」の3種類の情報をETWS(※)信号で一斉配信している。これらのうち、Nexus 5XではOS標準の「緊急警報」機能を利用して、緊急地震速報と津波警報を表示できる。ただし、表示形態や警報音はエリアメールのそれとは異なる。一方、自治体から発信される災害避難情報には対応しない。

 表示・警報の様式が異なることと、災害避難情報に対応しないことから、ドコモのサービスとしてのエリアメールには“非対応”というのが真相のようだ。

※ETWSは「Earthquake Tsunami Warning Sysytem」の略。日本語にすると「地震・津波警報システム」となる。基地局単位で圏内にいる端末に対して一斉に警報をプッシュ配信できる。通常のドコモのAndroid端末では、ETWS信号をOS標準の緊急警報ではなく、「エリアメール」アプリで処理している。そのため、多言語表示に対応したり、表示をかんたんな日本語に置き換えたりできる

photo 「エリアメール」アプリは非対応だが、OS標準の「緊急警報」を使って緊急地震速報と(大)津波警報を表示できる

ボディカラーは2色、ストレージ容量は32Gバイトのみ

 Google Storeで販売されるNexus 5Xでは、カラーは3色(カーボン、クオーツ、アイス)、ストレージは2種類(16Gバイトと32Gバイト)の組み合わせから選ぶことができる。

 それに対し、ドコモで販売されるNexus 5Xは、カラーは2色(カーボン、クオーツ)で、ストレージは32Gバイトのモデルのみ用意される。アイス色のボディや16Gバイトのストレージのモデルは用意されない。

photophoto ドコモで取り扱うのはクオーツ(左)とカーボン(右)の2色の32Gバイトモデルのみ。アイス色の本体、あるいはクオーツ・カーボンの16Gバイトモデルが欲しい場合、現状ではGoogle Storeか、Y!mobileで購入するしかない

指紋認証は快適 ドコモのオンライン生体認証は非対応

 Android 6.0では、指紋センサーがOSレベルでサポートされており、端末のロック解除や「Google Play」「Android Pay」の決済認証に使うことができるようになった。Nexus 5Xは、Android 6.0のリードデバイスとして、指紋認証機能「Nexus Imprint」が搭載されている。指紋センサーは、本体背面のメインカメラの下にあり、軽くタッチするだけで認証が行えるタイプのものだ。

 設定画面のイメージは、Xperia Z5シリーズの指紋認証設定とよく似ている。今までの生体認証対応Android端末と同様に、利用時には代替の認証方法を登録する必要がある。

 なお、Nexus 5Xでは、ドコモが提供するオンライン生体認証には対応していない。

photophoto Nexus Imprintのセンサーは背面のカメラの下にある(写真=左)。認証時は、指を軽く置くだけでよい(写真=右)
photophoto Nexus Imprintの設定画面(写真=左)。利用時には、代替認証方法を登録しなくてはならない(写真=右)

メインカメラは4K動画撮影に対応

 Nexus 5Xのカメラは、メインが約1235万画素、インが約500万画素のCMOSセンサーをそれぞれ採用している。カメラアプリはNexusシリーズではおなじみの「Googleカメラ」だ。メインカメラは、4K(3840×2160ピクセル)、インカメラはフルHD(1920×1080ピクセル)の動画撮影にそれぞれ対応している。インカメラでは、赤外線レーザーを使ったオートフォーカスと、2つのLEDを使った広域スペクトルフラッシュに対応している。

photo カメラアプリは「Googleカメラ」。シンプルで使いやすいインターフェースが特徴だ
photophoto メインカメラでは4K(写真=左)、インカメラではフルHD(写真=右)の動画撮影が可能
photophoto メインカメラ(写真=左)とインカメラ(写真=右)の静止画撮影時の対応解像度(画素)

USB端子は「タイプC」 ケーブルや充電アダプターに注意

 Nexus 5XのUSB端子は、「タイプC」と呼ばれるものを採用している。タイプC端子は、USB 3.1で新たに策定された規格で、接続時に上下左右の区別をしなくてよいことが特徴だ。本体には、タイプCに対応した充電器とUSBケーブルが1つずつ同梱される。

 従来のAndroid端末の多くで採用されている「タイプminiB」の充電器やUSBケーブルは利用できない。また、「タイプA」のUSB端子を持つパソコンや充電器と接続する場合は、「タイプA−タイプC」ケーブル、あるいは変換アダプターを用意する必要がある。

photo Nexus 5Xでは、向きを考えずに接続できる「タイプC」のUSB端子を採用している。従来の充電器などを使い回せない場合があるので注意しよう

購入者全員に「Google Cardboard」をプレゼント

 Nexus 5X購入者には、段ボールで工作する3D-VRゴーグル「Google Cardboard」がプレゼントされる。 Google Cardboardは、オープンソースの3D-VRヘッドセット規格で、ステレオスコープ表示に対応するアプリと組み合わせて使うことで、立体表示ができる(参考記事)。

photophoto 購入者全員にプレゼントされる「Google Cardboard」(写真=左)。発表会場では、実際に立体表示の体験ができた(写真=右)

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