スマートフォンAQUOSは「人に寄り添うパートナー」へ――シャープの新ビジョン(1/2 ページ)

» 2015年10月22日 09時32分 公開
[田中聡ITmedia]

 シャープのスマートフォンは、今後どんな方向に進んでいくのだろうか? 同社は10月21日、スマートフォンと新世代ケータイの製品説明会を開催し、携帯電話事業で今後目指すべき方針や、冬モデルの詳細を説明した。

photophoto ドコモ向け「AQUOS Compact SH-02H」と「AQUOS ZETA SH-03G」(写真=左)。ソフトバンク向け「AQUOS Xx2」(写真=右)
photophoto SIMロックフリーの「AQUOS SH-M02」。スペックは「AQUOS EVER」がベースだが、より丸みを帯びたボディに変更されている

人に寄り添うスマートフォンを開発する

photo シャープの川口氏

 シャープ 執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー カンパニーEVP 兼 通信システム事業本部長の川口登史氏は「シャープのブランドは顔が見えにくくなっており、他社との違いも分かりにくくなっていると感じている」と直近の課題を話す。そこでシャープが新たに加える価値が「人に一番近いこと」。人に寄り添い、新しい価値を提供することを目指す。

 シャープは10月1日から社内カンパニー制を導入し、テレビ、白物家電、携帯電話などの事業を担う「コンシューマーエレクトロニクスカンパニー」では、「モノの人工知能化」をビジョンに掲げる。「モノのインターネット化」を示す「IoT(Internet of Things)」に「AI」を掛け合わせて「AIoT(Artificial Intelligence of Things)」というキーワードも打ち出していく。AIoTは、家電をクラウドに接続することで人工知能化することを意味する。

photophoto シャープの目指す方向性とコンシューマーエレクトロニクスカンパニーの新ビジョン

 CEATEC JAPAN 2015で発表したロボット型の携帯電話「ロボホン(RoBoHoN)」も、このコンセプトのもとに誕生した。AQUOSスマートフォンに搭載している「エモパー」もさらに機能を拡張していく。こうしたAIoTの製品やサービスの開発を進めるにあたり、「音声対話」「センシング、人工知能」「嗜好(しこう)理解」といった要素に注力していく。

photo AIoTの実現で必要な技術
photophoto SIMもささるロボット「ロボホン」

 AQUOSスマートフォンも、「人に寄り添うパートナー」になるよう新たなブランディングを行う。川口氏はAQUOSスマートフォンの新しいコンセプトとして「活きる力を起動するAQUOS」を発表した。その核となるのが「デザイン」「エモパー」「IGZO」「カメラ」「操作性」の5つだ。

photophoto スマホのブランドも再構築する

感情を光で表現

 まずは「デザイン」について。冬のAQUOSスマホ「AQUOS ZETA SH-01H」「AQUOS Compact SH-02H」「AQUOS Xx2」「AQUOS Xx2 mini」ではLEDで感情を持ったかのように光る「ヒカリエモーション」を採用。国内マーケティング統括部 情報通信 プロモーション部長の河内厳氏は「親しみ、爽快感、ドキドキ、感情表現を光で表している。デザイナーがこだわって光の表現を考えた」と説明する。

photophoto 製品の詳細を説明するシャープの河内氏(写真=左)。感情を表現するように光る「ヒカリエモーション」(写真=右)

エモパーは“できるやつ”に

 人工知能によってスマートフォンから話しかけてくれる「エモパー」は、冬モデルではバージョンが3.0に進化。井出音研究所との協力により、アニメーション、音、光と連動してより幅広い感情を表現できるようになる。センシング技術を強化したことで、周囲の明るさや本体が振られたこと、人の気配などを検知して、話しかけてくれる。

photophoto 「エモパー3.0」では意志があるかのような表現や、周囲の変化を察知した話しかけが可能に

 「エモパーメモ」では、「そろそろ卵を買う」「週末にDVDを返す」といったメモしたいことをユーザーが話すとエモパーが記憶してくれ、ちょうどいいタイミングでリマインドしてくれる。「そろそろ、週末、帰ってきたら、出かける前、といったタイミングも認識して、スケジュールに入れにくい(ちょっとした)ことも、エモパーが判断して教えてくれる。エモパーはかわいいだけでなく、できるやつになった」と河内氏は話す。

photo エモパーにメモを覚えてもらえる「エモパーメモ」

ディスプレイは「高解像度化」よりも「滑らかな表示」を優先

 シャープのスマートフォンではおなじみの「IGZO」は、高速で画面が動くときは、従来の1秒間に60回の更新(60Hz駆動)から倍速となる、120回の更新(120Hz駆動)になり、残像を抑えた滑らかな表示が可能になる。ただしすべてのシーンで120Hz駆動となるわけではなく、アプリや画面の動きに応じて更新回数はリアルタイムで変わる。ホーム画面やブラウザなども、素早くスクロールさせると120Hz駆動で動くが、ゆっくりと動かすとその数値は下がる。

photophoto 最大120Hz駆動で残像感を抑えて表示できる「ハイスピードIGZO」

 こうした制御により、ハイスピードIGZOでもバッテリーの持ちは従来機から変わらず、「余裕の3日間」を実現するという。もちろん画面が静止しているときは1秒間に1回の更新(1Hz)に抑える「液晶アイドリングストップ」は、従来から継承している。

photo 利用シーンや操作方法によって駆動の数値が変動する

 最大120Hz駆動で動かすかどうかは、設定からアプリごとにオフにできるので、よりバッテリーの消費を抑えたい人はそうしたい。オフにすると、最大60Hz駆動となる。また、液晶テレビAQUOSのように、ワンセグ/フルセグの映像を120fpsに補間することはできず、ワンセグ/フルセグのフレームレートは30fpsで変わらない。

photo 「設定」→「アプリ」から「高速液晶表示」のチェックを外すと、120Hzから60Hz駆動に変更される

 他社からはワイドクアッドHD(1440×2560ピクセル)や4K(2160×3840ピクセル)のディスプレイを搭載しているスマホも登場しているが、シャープ冬モデルのディスプレイ解像度はフルHD(1080×1920ピクセル)で、従来から据え置き。シャープ担当者によると、冬モデルでは120Hzのなめらかな表示に重きを置いたという。解像度を上げても120Hzの表示は可能だが、バッテリーの影響を考慮して、あえて解像度は上げなかったという。

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