4万〜7万円台のハイエンドSIMフリースマホを徹底比較――基本スペック&持ちやすさ編最新スマートフォン徹底比較(2/3 ページ)

» 2016年04月06日 11時00分 公開
[島徹ITmedia]

基本スペックとディスプレイをチェック

 画面サイズはZenFone 2 Laser(ZE601KL)の6型が一番大きく、5.7型のNexus 6P、5.5型のZenFone Zoom(ZX551ML-BK128S4)とMate Sが続く。5.5型はiPhone 6s Plusと同じ大きさで、このクラスの端末は電子書籍や動画を視聴しやすいが、操作は両手持ちが基本となる。Nexus 5XとDesire EYEは5.2型で、男性の手なら片手親指での操作はそこまで苦にならないだろう。

基本スペックと価格
機種名 OS 画面サイズ 画面解像度 指紋認証 防水・防じん 価格(税別)
Nexus 6P Android 6.0 5.7型(有機EL) WQHD(1440×2560ピクセル) 6万9259円(32GB)
7万4814円(64GB)
Nexus 5X Android 6.0 5.2型(IPS液晶) フルHD(1080×1920ピクセル) 4万8425円(16GB)
5万2222円(32GB)
ZenFone Zoom (ZX551ML-BK128S4) Android 5.0 5.5型(IPS液晶) フルHD(1080×1920ピクセル) 6万8800円
ZenFone 2 Laser (ZE601KL) Android 5.0 6型(IPS液晶) フルHD(1080×1920ピクセル) 4万1800円(32GB)
Mate S Android 5.1 5.5型(有機EL) フルHD(1080×1920ピクセル) 7万9800円
Desire EYE Android 5.1 5.2型(IPS液晶) フルHD(1080×1920ピクセル) IPX7・IP5X 5万2800円
※価格は2016年4月6日時点。公式オンラインショップ調べ。

 表示品質について、発色と解像感ともに優れていたのがNexus 6Pだ。WQHD(1440×2560ピクセル)の有機ELを採用し、画面も明るい。このほか、Mate SもフルHD(1080×1920ピクセル)の有機ELを採用しており、特に海の色や、ミュージックビデオでありがちな青や緑のライトの点灯などは、液晶よりもクリアで、鮮やかな発色にも驚かされた。

 このほかの機種は、いずれもフルHD(1080×1920ピクセル)のIPS液晶で、視野角が広く、斜めから見て見づらいことはない。発色はどの機種も良好だが、テストしたモデルの中ではZenFone Zoomのみやや色温度が高く、鮮やかさにかける点が気になった。ただ、色温度の調節設定があるので気にならないレベルに補正することは可能だ。

最新スマートフォン徹底比較 Nexus 5X(写真=左)とNexus 6P(写真=右)
最新スマートフォン徹底比較 ZenFone Zoom(ZX551ML)(写真=左)とZenFone 2 Laser(ZE601KL)(写真=右)
最新スマートフォン徹底比較 Desire EYE(写真=左)とMate S(写真=右)

 機能面の特徴も見ていこう。Nexus 6PとNexus 5Xは最新のAndroid 6.0を搭載し、本体側でも6.0で正式対応した指紋認証センサーとUSB-Cを搭載している。USB-C端子の転送速度はUSB2.0と同等だが、一般的な5V/1.8Aよりも高出力な5V/3A充電器での急速充電にも対応している。

最新スマートフォン徹底比較 Nexus 6PとNexus 5XのUSB端子は、新しいUSB-Cを採用。対応ケーブルを表裏気にせず接続できるほか、5V/3Aのより高出力な充電器にも対応した

 指紋認証センサーはNexus 6P、Nexus 5Xに加えてMate Sも搭載している。いずれもスリープ中に登録した指を当てるとロックを解除してホーム画面が表示される。認証はほぼ一瞬で、電源キーを押してスリープ解除するよりも速い。

最新スマートフォン徹底比較 Nexus 6P、Nexus 5X、Mate Sともに指紋認証センサーを背面に搭載。スリープ中でも登録した指で触れるとロック解除され、ホーム画面が表示される

 防水・防じんはDesire EYEがIPX7/IP5X規格に対応している。キャップレス防水なので、Micro USBケーブルからの充電時にカバーを開閉する必要がない。さらに、SIMロックフリーモデルとしては珍しいステレオのフロントスピーカーを搭載している。雨の日でも安心できるほか、常識的な使い方であればお風呂やキッチンでも気軽にスマホを操作したり、動画を楽しめたりするのはうれしい。

最新スマートフォン徹底比較 Desire EYEは防水・防じん(IPX7・IP5X)に対応。水にぬれても安心だ

 本体サイズについては、厚さはNexus 6P、Mate Sが7ミリ台前半とかなりスリムだ。軽さはNexus 5Xが136グラムと一番軽く、画面サイズも考慮するとNexus 6Pの176グラムとMate Sの156グラムも「軽い」といっていい。この3モデルはいずれも薄型軽量で指紋認証センサー搭載と、ビジネスユーザーにとって魅力的な端末に仕上がっている。

本体サイズと重量
機種名 高さ 奥行 重量
Nexus 6P 約77.8 約159.3 約7.3 約178グラム
Nexus 5X 約72.6 約147 約7.9 約136グラム
ZenFone Zoom(ZX551ML-BK128S4) 約78.84 約158.9 約5〜11.95 約185グラム
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) 約84 約164.5 約3.9〜10.55 約190グラム
Mate S 約75.3 約149.8 約7.2 約156グラム
Desire EYE 約73.8 約151.7 約8.5 約154グラム

 プロセッサは、Nexus 6PがCPUにQualcomm製Snapdragon 810 v2.1 MSM8939(2GHz/4コア+1.5GHz/4コア)を搭載。他社の最新ハイエンドと同じチップを採用し、同等の処理速度を実現している。次いで、ZenFone Zoom(ZX551ML-BK128S4)のIntel製Atom Processor Z3590(2.5GHz/4コア)も高速だ。

 Nexus 5XとMate S、Desire EYEは、上記の2機種と比べるとプロセッサのスペックがやや低く、ミドル寄りのハイエンドという位置付けだ。販売価格が一番安い4万円台のZenFone 2 Laser(ZE601KL)は、前回紹介した3万円台のミドルクラスSIMロックフリースマホとほぼ同じだ。

 いずれのモデルもブラウザやSNS、動画視聴ほかゲームなども快適に動作する。アプリのインストールやタスク切り替えのもたつきもほとんどない。明確な差を感じられるのは、高画質3Dゲームを遊ぶときぐらいだ。

 それよりも注意すべきなのはストレージだ。Nexus 6PとNexus 5XはmicroSDスロットがなく、後からストレージを追加できない。日常的に利用するなら32GB以上のモデルを選ぼう。また、Desire Eyeは内蔵ストレージが16GBなので、画像や動画、音楽の保存用にmicroSDを追加するのがいいだろう。

プロセッサ、メモリ、バッテリー容量
機種名 CPU メモリ ストレージ SDカード バッテリー容量
Nexus 6P Qualcomm Snapdragon 810 v2.1 MSM8939(2GHz/4コア+1.5GHz/4コア) 3GB 32GB/64GB/128GB 3450mAh
Nexus 5X Qualcomm Snapdragon 808 MSM8916(1.8GHz/2コア+1.4GHz/4コア) 2GB 16GB/32GB 2700mAh
ZenFone Zoom(ZX551ML-BK128S4) Intel Atom Processor Z3590(2.5GHz/4コア) 4GB 128GB microSDXC(最大128Gバイト) 3000mAh
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) Qualcomm Snapdragon 616 MSM8939(1.7GHz/4コア+1.0GHz/4コア) 3GB 32GB microSDXC(最大128Gバイト) 3000mAh(交換可能)
Mate S Hisilicon Kirin 935 (2.2GHz/4コア+1.5GHz/4コア) 3GB 32Gバイト microSDXC(最大128Gバイト) 2700mAh
Desire EYE Qualcomm Snapdragon 800 MSM8974(2.3GHz/4コア) 2GB 16Gバイト microSDXC(最大128Gバイト) 2400mAh
※32GBと64GBモデルもあり。

 カメラはどの機種も1230〜1300万画素のものを搭載している。いずれも暗所撮影に強く、室内撮影でも明るく撮影できた。6機種中4機種はレーザーAFを搭載し、薄暗い場所でもフォーカス合わせが高速だ。

カメラスペック
機種名 アウトカメラ インカメラ
画素数 光学ズーム 光学手ブレ補正 レーザーAF 画素数 インカメラ用ライト
Nexus 6P 有効約1230万画素 有効約800万画素
Nexus 5X 有効約1230万画素 有効約500万画素
ZenFone Zoom(ZX551ML-BK128S4) 有効約1300万画素 3倍 有効約500万画素
ZenFone 2 Laser (ZE601KL) 有効約1300万画素 有効約500万画素
Mate S 有効約1300万画素 有効約800万画素
Desire EYE 有効約1300万画素 有効約1300万画素

 ZenFone Zoom(ZX551ML-BK128S4)は、光学3倍ズームと光学手ブレ補正、レーザーAFの全てを搭載。遠くにある被写体を、画質を落とさずにアップで撮影できる。本体側面にはカメラ操作用のシャッターキーや録画キーも搭載する。

最新スマートフォン徹底比較 ZenFone Zoomは光学3倍ズームレンズを搭載。背面デザインもコンパクトデジカメ風だ。HOYA製の屈折光学系レンズユニットを採用しており、ズームを利用してもレンズは飛び出さない

 インカメラはいずれも広角レンズを採用。自分撮りに強いのは、1300万画素のDesire EYEと、800万画素のMate Sだ。両方とも美肌撮影とLEDライトを搭載。自分撮りをする際、背景や髪、服装をハッキリと描写しつつ、顔は毛穴やシミが目だたないよう滑らかに補正して撮影できる。自分撮り用のLEDライトは暗い場所で便利なだけでなく、明るい場所でも目にキャッチライトを入れた写真を撮影しやすい。

最新スマートフォン徹底比較 Desire EYEはインカメラも1300万画素だ。デュアルLEDライトや美肌撮影機能も搭載する

 Nexus 6Pのインカメラも800万画素だが、美肌撮影機能がなく肌の毛穴までハッキリと描写できてしまう。もともとの画質は高いので、美肌撮影アプリなどを探して一緒に使うと良いだろう。Nexus 5Xは500万画素にしては解像力があるのだが、Nexus 6Pと同じく美肌撮影に対応していない。ZenFone ZoomとZenFone 2 Laserは美肌撮影に対応しているが、解像力に物足りなさを感じた。

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