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» 2016年04月08日 20時20分 UPDATE

格安SIM定点観測:余ったパケットを「マイル」に 大手キャリアのサービスを格安SIMで――2016年3月データ通信編 (1/4)

3月は多くの企業で新年度直前。格安SIMに大きな動きは少ない――と思いきや、興味深い動きがいくつかあった。さっそくチェックしよう。

[井上翔,ITmedia]

 2016年2月のMVNO(仮想移動体通信事業者)のデータ通信用SIMでは、一定期間の月額料金を無料とするキャンペーンや同じサービスでも販路別に独自特典を付ける動きなどに注目した。

 2016年3月は、余ったパケット(データ)通信量を「マイル」に換算できる格安SIMの登場や、MVNOが大手キャリア(MNO)のサービスを取り扱い始めたことに注目したい。さっそく振り返ってみよう。

(記事中の料金は、特記のない限り税別。2016年3月31日までの情報をもとに掲載)

データ通信量が余ったら「マイル」に換算できる「MILAGE SIM」

 ソネットは、「So-net モバイル LTE」「PLAY SIM」「0 SIM」という、大きく3種類の個人向けMVNOサービスを提供している。特に、データ通信専用プランなら月額0円(無料)から使える0 SIMは、非常にインパクトの強いサービスだ。

 そんなソネットが、3月25日に「MILAGE SIM(マイレージシム)」という新たなMVNOサービスの販売を開始した。全日本空輸(ANA)の「ANAマイレージクラブ」のマイルが毎月20マイルが付与されるほか、月間のデータ通信量の残量300MBあたり10マイルが付与されるようになっている。

 月間のデータ通信量が余った場合、翌月にデータ容量を繰り越すことができるMVNOサービスはいくつかあるが、いずれも翌々月までは繰り越せない。「どうせ余ってしまうなら」という点では、定点観測の2015年12月・2016年1月分でも紹介した「mineo」の「フリータンク」があるが、マイル(ポイント)という通信以外の用途で使えることが新しい要素だ。

 なお、ANAマイレージクラブのマイルは「ANAマイレージモール」経由で契約した「IIJmio」でもたまる。ANA自身がMVNOサービス(格安SIM)に興味を持っているからか、NTTドコモの「dポイント」とマイルを相互変換できる日本航空(JAL)への対抗からかは不明だが、どちらにしてもANAユーザーにとっては大変ありがたいサービスであるといえるだろう。

MILEAGE SIM ANAのマイルがたまる「MILEAGE SIM」

「ドコモのサービス」を訴求するMVNO

 NTTドコモは自社提供するスマホ・タブレット向けサービスの一部をキャリアを問わず利用できるようにしている。テレビCMや鉄道・雑誌などの広告では、「ドコモじゃなくてもOK!」というフレーズでキャリアフリーであることを訴求している。

 そんな中、ビッグローブが3月17日、「BIGLOBE SIM(BIGLOBE LTE・3G)」ユーザー向けにドコモの「dTV」「dヒッツ」「dマガジン」の販売を開始した。これらのサービスは、ドコモでは自社で販売している端末でのみ動作確認をしているが、ビッグローブでは独自にSIMロックフリー端末での動作検証も行っている。

 また、報道発表はしていないが、インターネットイニシアティブ(IIJ)も「IIJmio」ユーザー向けにdTV、dヒッツ、dマガジンの販売を3月29日から開始している。IIJでも、独自にSIMロックフリー端末での動作検証を行っている。

 両社ともに、利用時の条件自体はドコモ以外のキャリアで使う時と同様で、「dアカウント」を用意した上で、アカウントに登録したクレジットカードで利用料金を支払うことになる。通信サービスの月額料金とまとめて支払うことができれば、特に口座振替での支払いにも対応しているBIGLOBE SIMではメリットも大きくなりそうだが、現状では対応していない。

 MVNOがMNOのサービスを販売するのは、ある意味で「敵に塩を送る」ような感じも受ける。しかし、よくよく考えて見ると、MVNO側にとってはサービスを自前で用意しなくても拡充できるという大きなメリットがある。また、ドコモにとっても、MVNOに転出した後も自社のサービスを使ってもらうことでユーザーとの「つながり」を維持できるというメリットがある。互いに「win-win」な関係を築ける販売連携、というわけだ。今後、ドコモのサービスを販売する動きが拡大するかどうか、注目したい。

BIGLOBE SIMユーザー向けに「dTV」「dヒッツ」「dマガジン」を販売 ビッグローブは「BIGLOBE SIM」ユーザー向けに「dTV」「dヒッツ」「dマガジン」の販売を開始
IIJmioユーザー向けに「dTV」「dヒッツ」「dマガジン」を販売 IIJも「IIJmio」ユーザー向けに「dTV」「dヒッツ」「dマガジン」の販売を開始

ワイヤレスゲートがSIMカードのサービスを刷新 「Fon」対応を本格化

 ワイヤレスゲートのMVNOサービスのうち、ドコモ回線を利用する「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE」は、公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスの利用が“主”で、LTE/3G通信は“従”となる、他社のMVNOサービスとは異なる立ち位置を取っていることが特徴だ。

 3月16日、ワイヤレスゲートはドコモ回線を利用するMVNOサービスを刷新した。従来サービスは、上下250kbpsで容量制限なしで通信できる「480円プラン」(SMS送受信機能付きの場合は税込630円)以外のプランの販売を終了し、新たに「WirelessGate SIM Fon プレミアム Wi-Fi」(以下、「WirelessGate SIM」)の販売を開始したのだ。

 WirelessGate SIMは、「公衆Wi-Fiが主・LTE/3Gが従」というコンセプトは従来サービスと同様だ。利用できる公衆Wi-Fiに「Fon」が加わったことと、LTE・3Gの通信速度を最大上下3Mbpsに制限する代わりに月・日単位での通信量制限を廃止したことの2点が大きな変更点となる。

 Fonは全世界で約2000万カ所のスポットを有するコミュニティWi-Fiサービス。ワイヤレスゲートは日本でサービスを提供するフォン・ジャパンと資本業務提携を結んでいる。この提携効果の表れの1つとなるWirelessGate SIMは、他のMVNOサービスにはない「海外で多くの公衆Wi-Fiスポットが使える」というメリットを得た。ただし、SIM自体は引き続き海外ローミング非対応となる。

 海外にはFonも含めて無料で使えるWi-Fiスポットは少なくないが、品質面でのばらつきが大きく、モバイル通信を使った方が結局は快適であることも少なくない(これは日本でも同様だ)。そう考えると、海外でも使えるプリペイドSIMカードなども合わせて提供できれば真の意味で「名実ともに海外で一番便利なMVNOサービス」になるはずだ。個人的な意見ではあるが、ワイヤレスゲートにはぜひ検討してもらいたい。

WirelessGate SIM 「Fon」も利用できるWirelessGate SIMは、従来通りヨドバシカメラ限定販売となる

まとめ(新情報は赤線)

  • ソネットが「MILEAGE SIM」を販売開始。ANAマイレージクラブのマイルが毎月20マイルもらえるほか、データ通信量が余ると300MBあたり10マイルが付与される。プランは3.5GB(1100円/月)と7GB(2100円/月)の2種類
  • イオンリテールの新しい「イオンモバイル」は、1GBプラン、8GBプラン、12GBプラン、20GB以上の各プランで業界最安値
  • ソネットの「0 SIM」は、500MB未満の通信量なら、月額0円(SMS対応プランは月額150円+ユニバーサルサービス料金)から使える。ただし、3カ月間連続で利用が全くない場合は自動解約
  • 「DMM mobile」がLTE通信(225Mbps)を利用できる5プランで最安を記録(2GB:770円、5GB:1210円/月、7GB:1860円/月、10GB:2190円/月、15GB:4570円/月)。ただし、4月に一部プランで料金改定を実施(詳しくは定点観測の4月分で)
  • 日本通信の「b-mobile SIM 高速定額」は、高速定額サービスでは最安値となる月1980円で下り最大225Mbps/上り最大50MbpsのLTE通信が使い放題
  • 速度制限付きで月額500円未満で利用できるのは「DMM mobile ライトプラン」(200kbpsで無制限、440円)、「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMカード」(250kbpsで無制限、445円)と「ServersMan SIM LTE」(250kbpsで無制限、467円)

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