大手キャリアの料金の高さを嫌って格安スマホに変えることは多いだろうが、「格安スマホから格安スマホに変更」する場合はどうなのだろうか。特に難しいことはなく、単にSIMロックフリー端末を買うだけでいい。
端末だけ購入してSIMを差し替えれば、面倒な手続きもなく新機種に乗り換えられる。これなら簡単だと、私は母と共に家電量販店に向かった。今日では格安スマホ市場も大きくなり、店頭にも数多くのSIMロックフリー端末が並ぶ。
「とにかくバッテリーがもつ端末がいい」とのことなので、店頭で探し回る。そして母のニーズに応える端末を発見した。FREETELブランドのAndroidスマホ「Priori 3S LTE」だ。バッテリーがSIMフリー端末の中では一つ抜きんでて4000mAhとかなりの大容量だ。これよりも容量の多い「ZenFone Max」があるが、あちらはディスプレイサイズが5.5型と大きく母の手には余るので、5型のPriori 3S LTEが最適解だと判断した。
早々にレジへ向かいたいところだが、ちょっと待ってほしい。新しい端末を手に入れたはいいが、「実はそのSIMでは使えませんでした」では元も子もない。まずは、端末がBIGLOBE SIMで使われる周波数帯、つまりBIGLOBE SIMが借りているドコモ回線の周波数帯に対応しているか確認する必要がある。
店員に「BIGLOBEのSIMを使えるか試したいのですが、Priori 3S LTEに差して確認することはできますか?」と聞いたが、「SIMの破損について責任を負えないので、お断りしています」と言われてしまった。
購入前に確証が得られないのは少々不安だったが、BIGLOBEのサイトで確認すると、対応端末一覧にPriori 3S LTEの名前があったのでOK。大体各MVNOのサイトで必要な情報は記載されていることが多い。
もう1点注意しなければならないのが、SIMのサイズだ。使っているのはmicro SIMだが、Priori 3S LTEはmicroとnanoのデュアルSIM対応端末なのでこれもOK。問題はないことが分かったので、ここで正式に購入を決定した。
今回はBIGLOBEのサイトの対応表で確認して迷うことなく購入できたが、これらをよく調べずに買ってしまい、サイズが違ってSIMを挿せなかった、挿せたはいいが端末とSIMの対応周波数帯が一致していなかった、という事故は決して少なくない。
格安SIMや格安スマホもかなり普及してきたので、「格安スマホから格安スマホへ機種変更」する人も今後増えてくるはず。料金も手頃で面倒な手続きもなく機種変更できるので、「スマホの衝動買い」も十分あり得る。先述したような事故が無いように、購入前のSIMと周波数帯の確認はきちんと行ってほしい。
せっかくなので、母目線で少し端末レビューをしてみたい。化粧箱を開けると、そこには裏返しでカバーが外れた状態のPriori 3S LTEが現れた。バッテリーの大きさをアピールする狙いだろうか。
そして母に手順を教え、先代のALCATEL ONETOUCH IDOL 2 Sからmicro SIMを取り出し、Priori 3S LTEに差す。きちんと通信ができてほっと一安心した。しかも、Priori 3S LTEのAPN設定の中にBIGLOBEが初期状態で登録されていたので、SIMフリー端末では通常しなければならないAPN設定もやる必要がなかった。「なんだ、心配して損した」と思わせるくらいスムーズに乗り換えに成功した。
母に使用感を聞いてみると、期待以上にバッテリーの持続時間が素晴らしく、平気で2日以上持つそうだ。バッテリーがへたり、1日2回充電しないといけなかったALCATEL ONETOUCH IDOL 2 Sとは、使い勝手が雲泥の差だという。
なぜ母はそこまで端末のバッテリーの持ちにこだわるのか? 私からすれば、そんなことはモバイルバッテリーを持てば解決するだろうと思うが、どうしても「出先に持っていく荷物が増えるのが嫌」だそうで、結構考え方が違うものだと感じた。人のスマホ選びに付き合うときは、単に自分がいいと思うものを押し付けるのではなく、その人の好みや重視するポイントを聞き出さないといけないのだ。
端末スペックを見ると、プロセッサはMediatekのMT6735P (4コア/最大1GHz)でメインメモリは2GB。現在の感覚からすればミドルスペックの域ではあるが、母にとっては「普通に使えればなんでもよい」のでこれで十分だ。不満も特にない様子。端末に問題が出ない限り、これからも使い続けるという。
次に母がスマホを買い替えるのは、やはりバッテリーの寿命が尽きたときだろうか。
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